詳細は非公表…2人の親方が突然「謹慎処分」を受けた真相
白鵬と鶴竜の両横綱不在で、秋場所は混戦が続いている。感染拡大する新型コロナ対応が徹底されるべき大切な場所で、2人の親方が9月11日、12日と2日連続で謹慎処分となった。時津風親方(46、元幕内・時津風)と松ヶ根親方(46、元幕内・玉力道)だ。
日本相撲協会は詳細を明らかにしていないが、外出などを禁止したガイドラインに違反したため、だという。8月31日には、感染対策の講習会が開かれたばかりで、広報部長の芝田山親方は「自覚が足りない。浅はかすぎる」とおかんむりだ。いったい何があったのだろうか。まずは時津風親方の、問題視された行動を紹介したい。
「9月上旬に、東京を出てゴルフをしたようです。その足で出身地の、長崎県五島市に帰ろうとしたとか。ただ運悪く、台風の影響などで天候が悪化。飛行機が飛ばず、福岡で足止めをくらったんです。相撲協会には、時津風親方が東京にいないという情報が回った。コロナ感染拡大で、番付発表(8月31日)後は基本的に不急の外出は禁止されています。幹部の一人が電話すると、時津風親方は『福岡にいます』と認めたそうです。
界隈では、時津風親方は『ゴルフをして宴会で盛り上がった石田純一と同じじゃないか』と揶揄されています。ただ本人は『ゴルフはしたけどパーティはやっていない』と否定していますよ」(相撲協会関係者)
2日連続でタニマチと会食
外出が必要になることもあるだろうが、ゴルフで長距離移動とは、周囲の理解を得るのは難しいだろう。芝田山親方が「浅はかすぎる」と言うのもうなずける。もう一人の謹慎者、松ヶ根親方はどんな行動をとったのだろう。
「錦糸町で、2日連続外食していることがわかったんです。協会の事務方が、たまたま松ヶ根親方の姿を見て判明したとか。1日目はお目こぼしを受けたそうですが、2日連続だとわかって問題に。タニマチと会食していたようです。
松ヶ根親方は8月7日に行われたPCR検査で、陽性反応が出て、その後回復しています。おそらく本人に『一度コロナに感染し抗体ができたから大丈夫』という、気の緩みがあったのかもしれません。現在は、相当反省しています」(同前)
先場所は阿炎が複数回キャバクラに行き、3場所の出場停止に。田子ノ浦親方が泥酔し、厳重注意を受けている。相次ぐコロナ禍での不祥事に、相撲協会内でも疑問の声が上がっているという。
「日ごろ厳しい稽古をつけていても、親方が問題を起こしたのでは弟子に示しがつきません。謹慎となった親方2人には、自分の行動は問題だという自覚すらなかったのではないでしょうか。
協会の対応にも疑問が残ります。詳細を非公表にせず、事実を具体的に公にすべきです。大ごとにして、世間から批判を受けたくないという意識が働くのでしょう。しかし事実が明らかにならないと、噂が噂を呼び話が膨らむ。憶測でしか議論できなくなってしまいます」(スポーツ紙担当記者)
「外食ぐらい」と、安易の気持ちからの行動だったかもしれない。それは十分に理解できる。だが、組織内で定めたルールに違反しているのも事実。ガイドラインをより徹底しなければ、またこうした事態が続くことになるだろう。
写真:時事通信社