「クズ!」と罵倒される社員も…ジャパンライフ元会長のヤバい言動

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多くの政治家に献金し彼らの名前を理由しオーナー商法を展開した山口元会長。「詐欺ではない」と容疑を否認している

「部下を信用するな! 同僚を信じるな! 信用していいのはカネだけだ」

医療機器などの「オーナー商法」を行い、詐欺の疑いで9月18日に元会長の山口隆祥容疑者(78)が逮捕されたジャパンライフ。本社に勤めていた40代の男性A氏は、山口容疑者がたびたび口にしていた言葉を鮮明に覚えている。

山口容疑者らジャパンライフ関係者14人は、預託商法で高齢者約6500人から2000億円以上を騙し取ったとされる。500万円ほどの磁気治療器を6%の還元があると言葉たくみに買わせ、返済せずにいたのだ。15年には安倍晋三・前首相の招待で「桜を見る会」に参加。招待状を、高齢者への勧誘に使っていたとして国会でも追及された。A氏が続ける。

「会長が黒と言えば黒。絶対に従わなければなりません。高齢者を騙していると思っていても、口ごたえなどできません。毎月数百万円のノルマが課され、達成できないと店長が『この、クズ!』と、会議の場で罵倒され怒鳴り散らされるんです。

一方で高齢者の勧誘では、甘言をろうし続けカネを使うのを惜しみませんでした。直接会ってくれる高齢者には笑顔で握手をし、4人1組でジャパンライフのジェルなどで丁寧にマッサージ。『銀行に預けるよりウチで運用したほうが安心ですよ』と、説得するんです。

17年5月には都内のホテルで、勧誘者1000人を招き大規模なパーティを開いたことがあります。山口会長が『1ヵ月の売り上げ35億円を達成しました!』と叫ぶと、会場内では盛大な音楽とともに大きな拍手が起きたのを覚えています。有名女性演歌歌手も招かれていました」

高齢者の信用を得るために、ジャパンライフが利用したのが政治家との関係だ。山口敏夫・元労相、中曽根康弘・元首相、塩川正十郎・元運輸相、安倍晋太郎・元外相(安倍・前首相の父)などに2億円近くを献金。お中元リストには、麻生太郎・元首相や安倍・前首相の名前も上がっていた。

政治家の名刺や社員を見せ……

80年代に竹下登氏や宮澤喜一氏らとともに「ニューリーダー」と呼ばれた安倍晋太郎氏。将来の首相と期待されたが志なかばで病死した。安倍・前首相の父

「政治家や大手マスコミ幹部の名前を使って雑談し、高齢者の信頼を得るよう指示されていました。政治家の名刺や一緒に写った写真などを見せ、寿司などを食べながら勧誘しろと……。

時には、温泉やバーベキューに連れていくこともあります。歓談しながら、こう言うんです。『腰痛で悩んでいる人は全国に3500万人もいる。ウチの治療器を使えばスグ治ります。有力な政治家や厚生労働省の認可を受けているんですから。お友達にも紹介してください』と」(A氏)

A氏によると、山口容疑者は宗教団体のカリスマのような存在だったという。

「ノルマが厳しく休みもなかったので、おかしいと考える余裕がない。会長のやり方を疑う余地などありません。あまりにハードな労働環境だったので、心身ともに疲弊する社員は大勢いました。最初は上司の期待に応えようとがんばるんですが、ムリが蓄積されていく。重度の疲労で、表情がなくなるんです。中には高齢者に笑顔を向けようにも、笑うことすらできない社員もいました。

疲れきった社員に対し、会社は冷たかったですね。『明るさが足りない』という理由だけで、地方の工場に異動させられていました。会長のカネ儲けの片棒を担いでいたと考えると、今でも心が痛みます」

日本は「不沈空母」など物議をかもす発言も多かった中曽根康弘・元首相

ジャパンライフは、たびたび消費者庁から行政処分を受けている。18年11月に開かれた債権者集会で、山口容疑者はこう言い放った。

「国民の健康のためにがんばってきた。お客も良い思いをした。オーナー商法は詐欺ではない。詐欺師呼ばわりされて悔しい!」

ジャパンライフは30円ほどの磁石を「レアメタル」と説明し、高齢者を騙していたことが判明している。「詐欺ではない」……。山口容疑者は、自身の発言をどんな思いで振り返るのだろうか。

機敏な行動力から「政界の牛若丸」と呼ばれた山口敏夫氏。存命で現在80歳
小泉純一郎内閣で財務相を務めた塩川正十郎氏。愛称は「塩ジイ」
総理大臣が主催する「桜を見る会」。ジャパンライフは招待状を顧客勧誘に利用していた
  • 撮影蓮尾真司 鬼怒川 毅写真アフロ

Photo Gallary6

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