一瞬の判断ミスで…ラーメン業界のカリスマ「ひき逃げ転落人生」

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ラーメン業界では有名人だった田中容疑者。地道に再起を目指していたが一瞬の判断ミスで人生が暗転した(手首など一部画像を加工しています)

なぜ、あのとき自分はあんな行動をとってしまったのか──。

この事件の容疑者も、そんな後悔の念に駆られているのではないだろうか。9月20日夜、東京・浅草で歩行者がひき逃げされたとして男が逮捕された。自称会社役員の田中兼一容疑者(63)だ。20日午後8時ごろ、田中容疑者は台東区の浅草駅近くの国際通りで、横断歩道を歩行中の男性(65)をひいたうえ、そのまま逃亡。男性は病院に搬送されたが、意識不明の重体だ。

「調べに対し田中容疑者は『歩行者をはねてけがをさせたのに、現場から逃走したのに間違いはありません』と容疑を認めています。こうも供述している。『レンタカーの返却時間が近かったので優先してしまった』と。

現場近くで『ドン!』という音を聞いた警官が駆けつけると、被害者が倒れていたそうです。その後付近を捜索していた捜査員が、レンタカー店でフロント左部分が破損し、ドアミラーも取れかかった状態の車を見つけました。借主である田中容疑者に話を聞いたところ、素直に容疑を認めたため逮捕したそうです」(全国紙社会部記者)

人気ドラマのモデルにも……

田中容疑者は事故を起こしたことに気づいていたにもかかわらず、わずかな延長料金を惜しんでレンタカーの返却を優先させたということになる。

〝は?たった千円そこそこの延滞金惜しさで?ふざけんな〟

〝浅草のひき逃げの事件 上級国民並みの暴論で草〟

ネット上では、田中容疑者の言い分に非難が渦巻いている。だが彼の経歴を調べてみると、ある業界では有名な人物であることがわかった。

「ラーメン業界では『田中玄』の名前で、ちょっと知られた人物です。90年代に秋葉原で『らーめん工房 めんめん』を開業し、行列の絶えない人気店として有名になりました。その後、いくつもの店をプロデュース。彼に教えを受けた弟子は大勢います。

今春放送されたドラマ『行列の女神~らーめん才遊記~』(テレビ東京系)のカリスマラーメン店主は、田中容疑者がモデルだと言われています。原作では男性ですが、ドラマでは鈴木京香さんが演じていました。ただ、店の経営はあまりうまくいかなかったとか。ラーメンの味こそ評価されているものの、本人のこだわりが強すぎたんです」(グルメ誌ライター)

この1年ほどはアルバイトをしながら、再起をかけてラーメンの研究を続ける日々だったという。その一方で生活保護者や介護施設への食事を提供。コロナ対策のためにアフリカに寄付をしたりするなど、ボランティア活動にも奔走していたとか。

地道な生活を続けていた田中容疑者の人生は、一瞬の判断ミスで暗転してしまったのだ。アトム法律事務所の池宮昌也弁護士は次のように語る。

「その場にとどまって対処していれば過失運転致傷だけすみますが、逃げてしまったことで道路交通法違反(救護義務違反、報告義務違反)が加わります。被害者が意識不明ということですので、前科がない場合で示談ができれば、懲役1年から1年6ヵ月に執行猶予3年ぐらいがつく場合もありうる。しかし、悪質と判断されると前科がなくても(初犯で)実刑になることもあります」

過失運転致死傷に道交法違反が加わると併合罪となり、重いほうの罪の1.5倍の刑をプラスすることも可能だという。「あのときにこうしていれば……」。田中容疑者が、どれだけ後悔しても時計の針は元には戻らない。

  • 撮影蓮尾真司

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