『親バカ青春家族』”新垣結衣の孤独”を癒したムロツヨシの存在感 | FRIDAYデジタル

『親バカ青春家族』”新垣結衣の孤独”を癒したムロツヨシの存在感

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『オヤハル』では、赤い特攻服にソバージュのヤンキー姿で視聴者の度肝を抜いた新垣結衣
『オヤハル』では、赤い特攻服にソバージュのヤンキー姿で視聴者の度肝を抜いた新垣結衣

‘18年の秋期ドラマ『獣になれない私たち』以来、映画やドラマで見ることがなかった”ガッキー”こと新垣結衣が、1年8か月ぶりに復帰作に選び、話題を呼んだムロツヨシGP帯初主演のドラマ『親バカ青春白書(オヤハル)』(共に日本テレビ系)。

「ムロ演じる小説家の小比賀太郎(ガタロー)が、最愛の妻・幸子(新垣結衣)を亡くし、男手ひとつで育てた娘を愛するあまり、同じ大学に通うという青春ホームコメディ。手掛けたのは興行収入50億円を突破。今年ナンバーワンヒットを記録した映画『今日から俺は!!劇場版』で知られ、今や飛ぶ取り落す勢いの福田雄一監督率いる福田組。しかしガッキーの出演シーンがいずれも1分足らずの回想シーンに限られ、ファンの間ではフラストレーションがたまっていましたが、そんなファンの不満を一気に吹き飛ばす最終回には衝撃が走りました」(ワイドショー関係者)

その衝撃の場面とは、最終回に明かされたガッキー演じる幸子の過去の秘密だ。

実は最愛の妻・幸子は元ヤンであり、ソバージュのロングヘアにヤンキーメイクをバッチリきめ、赤い特攻服に身を包んだガッキーが登場するや、ネットは大炎上。さらに、幼い娘のさくらが車にひかれそうになるやブチ切れ、『こらぁ!どこ見て運転しよんじゃ殺すぞ、こらぁ』とドライバーを恫喝する回想シーンにも、ファンは狂喜乱舞。ラス前となる第6話のエンディングで、幸子とガタローの甘い関係がロマンティックに描かれていただけに衝撃的とも言える。

思えば‘17年に公開された主演映画『ミックス。』で披露した、”ガングロギャル”以来のギャップ萌え。ドラマの最後の最後で、ガッキーは大きな爪痕を残している。

しかし主演ドラマの企画が数ある中で、ガッキーはなぜ復帰作に『オヤハル』を選んだのか。

「ガッキーとムロは、‘13年の連ドラ『空飛ぶ広報室』(TBS系)で共演して以来、親交を深めており『ムロ会』のメンバーでもあります。今回GP帯で初めて主役を演じるムロに懇願されて妻役を引き受けたと言われていますが、理由はそれだけではありません」(前出・ワイドショー関係者)

‘05年に阿部寛主演の人気ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)で、ガッキーはGP帯の連続ドラマに本格デビュー。それ以来、『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命―』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ(共にフジテレビ系)とヒット作にも恵まれ、‘16年『逃げ恥』(TBS系)の大ヒットで不動の人気を獲得。国民的女優の仲間入りを果たした。

しかし‘18年『逃げ恥』と同じ脚本家・野木亜紀子とタッグを組んだ主演作『獣になれない私たち』が、全話平均視聴率8.7%とまさかの惨敗を喫している。

「『けもなれ』は、仕事も恋もプライベートも気を使ってばかり。30代に差し掛かり、頭の固くなった大人の人間関係・恋愛事情を丁寧に描いていますが、ある意味この作品は”清純派”のパブリックイメージの殻を破ろうとしてなかなか破れない、ガッキー自身のジレンマを描いたドラマでもありました」(放送作家)

当時のインタビューなどでも、過去を振り返り「自分に自信がなさすぎて、しかも葛藤すればするほど自信が持てなくなる。そんなことがよくあった」「考え込んでしまう。今も基本的には変わっていない」と苦しい胸の内を明かしている。

しかしそう考えてしまうのは、ガッキーに対する周囲の期待があまりにも大き過ぎるからでもある。

「女優は進化するために、悪女や汚れ役を演じることで自身のパブリックイメージを壊してステップアップしていく生き物。ところがガッキーは、今のままのガッキーでいることが求められている。このことが、ガッキーが抱える悲劇の原因ではないか。ムロは、そうしたガッキーのジレンマを間近に見ていて、今回背中を押したのかもしれません」(前出・放送作家)

福田組は、小栗旬や菅田将暉たち男性俳優だけでなく、‘14年の映画『女子—ズ』に出演した高畑充希、有村架純、‘15年の映画『明烏』の吉岡里帆といった女優たちもブレイクするきっかけを作った、いわばコメディエンヌ養成学校。”テストなしの本番”など、俳優同士の化学反応を重視して、多くの女優たちの才能を開花させてきた。

福田組への参加が、ガッキーに重くのしかかるパブリックイメージの重圧を打ち破るキッカケになる可能性は、十分にある。

さらにガッキーと共演して欲しい女優として、ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)で一躍”令和の視聴率女王”に名乗り出た多部未華子の名前を挙げる声もある。

「二人は高校の同級生で、沖縄から上京したガッキーにとっては東京で出来た初めての友達であり、共に夢を追いかけてきた親友。朝ドラ『つばさ』(NHK)が視聴率に恵まれず、舞台で演技力を磨いてきた多部も、主演ドラマ『わたナギ』が『逃げ恥』(共にTBS系)を全話平均視聴率で上回り、ドラマでもガッキーと肩を並べる存在になりました。もしガッキーがもう一度福田組に出るのなら、ぜひ多部未華子との共演を見てみたいですね」(制作会社プロデューサー)

コロナ禍で放送された「逃げ恥」特別編のエンディングで、「恋ダンス」を踊って魅せた多部未華子。ガッキーと多部の共演こそ、いま最も見てみたい二人なのかもしれない。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

  • 写真アフロ

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