竹内結子さん 小説の「あとがき」で明かされた家庭環境と文才

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今年6月には幸せそうな姿を見せていた竹内夫妻。ベビーカーは滝川クリステルも愛用するドイツの高級ブランドだ

竹内結子さん(40)死去の裏側で、ある小説が売り切れるという現象が起こっている。それは桜井亜美氏の『サーフ・スプラッシュ』(幻冬舎文庫)。実はこの小説、竹内さんがあとがきを書いており、そこには自身の複雑な家庭環境に対する思いが、ガラスのように繊細で美しい文章で綴られているのだ。

芸能事情に詳しい雑誌記者は次のように語る。

「竹内さんは18歳のときに、桜井亜美さん原作の映画『イノセントワールド』で主演しています。そのつながりもあって、あとがきという小さな仕事も引き受けたのでしょう。そして当時はまだブレイク前でしたから、自身の生い立ちについても無防備に明かしています。今となっては非常に貴重な1冊と言えるでしょう。

『サーフ・スプラッシュ』は、退屈な毎日から自由になろうとする二人の女子高生の姿を、手紙のやり取り形式で描いた小説。それだけに、自身の高校時代と重なるものがあったようです。竹内さんは『息苦しさを感じて、このまま読み進めることが辛くなり出した』とも書いていますが、その文章が、ひいき目なしに素晴らしいのです。

父親の連れ子としての鬱屈した思い、再婚家庭に馴染めない自分への嫌悪など、ドラマチックでも恨み節でもなく、淡々と、詩のように美しいリズムと言葉で綴っているのです」

カレーに味噌汁が出てくる家庭

竹内さんは、20代のときにエッセイ本を2冊出している。そこでも独特の感性と、ほっこりした文章が好評を博した。

「ですが、18歳という思春期の一瞬に書いたこのあとがきは、ちょっと次元が違う。あとがきのためだけに小説を買おうとする人が続出しているようですが、その価値は十二分にあると言えるでしょう」(同前)

竹内さんを何度か取材したことのあるインタビューライターも、次のように語っている。

「私がインタビューした限りでは、竹内さんは複雑な生い立ちについては一切語っていませんでした。それどころか『カレーにお味噌汁が出てくるような家庭だった』、『母は食事にすごく気を遣う人で、ご飯も必ず玄米。お弁当がいつも茶色くて、カラフルなお弁当に憧れていた』などと語っていたので、てっきり温かい家庭で育ったものとばかり思っていました。

そのため『サーフ・スプラッシュ』のあとがきを読んだときは、大変驚いたものです。竹内さんはインタビューでもほんわかとしていて、茶目っ気に溢れる方でした。その奥にはいろいろな思いを抱えていたのかもしれないと思うと、胸が締め付けられます」

女優としての実力だけでなく、文才もあった竹内結子さん。本当に惜しい人を亡くしたと、あらためて思う――。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影山田宏次郎

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