20歳のイケメンが「振り込め詐欺」に手を染めたウラ事情

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逮捕された小松容疑者。好青年に見えるが80歳の高齢者からカネを騙し取った(手首など画像を加工しています)

振り込め詐偽に収まる気配がないーー。

今回捕まったのは、パッと見はイケメンでビジュアル系の男。9月23日から24日にかけて、東京・葛飾区内で80代の男性から息子の名を騙って現金をだまし取り逮捕されたのだ。

「詐欺の疑いで逮捕されたのは、特殊詐欺グループの受け子で住所不定・無職の小松海翔容疑者(20)です。息子を装ったグループの別の男が『おカネないんだけど、お父さんある?』などと電話をかけ、小松容疑者が息子の知人を装って被害者の自宅近くで現金100万円を受け取った。見知らぬ若者がカネをもらうのを不審に思った近所の人が通報し、逮捕されました」(全国紙社会部記者)

小松容疑者は容疑を認め、「物を受け取るだけで30万円になる仕事があると聞いた」「おカネが欲しかったので一発あててやろうと上京した」と供述しているという。

被害総額は31億円以上

振り込め詐欺に引っかかる人が減り、アポ電強盗に商売替えしているという話も聞かれる。一方で、令和元年の特殊詐欺の認知件数は1万6851件。被害額は31億5800円にのぼる。前年に引き続きわずかに減少したものの、依然として高止まりの水準なのだ。

中村国際刑事法律事務所の柏本英生弁護士は次のように語る。

「振り込め詐欺グループは、役割分担がなされています。主犯格がいてウソの電話をかける『かけ子』、被害者から現金を受け取る『受け子』、騙し取ったキャッシュカードで現金を引き出す『出し子』、その他運転役や見張り役などです。

このうちかけ子は相手を騙す役割なので、詐欺をしていると分かっていますが、受け子や出し子は犯罪の意識がなくやっている場合が多い。主犯格に関する情報は与えられていないことがほとんどです。かけ子以下、使い捨ての組織なので末端が捕まっても主犯格まで挙げられることは少ない」

末端の犯罪者をいくら捕まえても被害が減らない背景には、組織への“人材供給”が容易になっていることもある。グレーなバイト募集の実態について、ITジャーナリストの高橋暁子氏が証言する。

「特殊詐欺グループが、末端の人材をSNSで募集する傾向が最近多くなっています。末端の人材とは受け子や出し子のように、被害者と直接接触したり、監視カメラに映ったりするような逮捕されやすい仕事です。

コロナ禍で生活苦に陥った人が増えて、パパ活や神待ち(家出人が泊まる場所を探すこと)の投稿が増えたといわれています。詐欺グループの“バイト”も同じです。応募も増加しています。若い世代では何事もgoogleなどではなく、SNSで検索する人が多いので敷居が低い。また個人対個人のやりとりで気軽にできることなどから、怪しい儲け話にも安易に乗っかってしまいやすいのです」

うまい話に簡単に乗ってしまった結果、リスクを抱えることにもなる。特殊詐欺の場合はおカネを持ち逃げしないように身分証明書や実家の住所など送らせることがほとんどだ。それをかたに報酬をもらえなかったり、その後も酷使されたりするケースもあるという。逮捕された時に課せられるペナルティも、軽くはない。

「受け子の場合、件数や被害額、未遂か既遂か、被害者にどの程度被害弁償ができているかにもよります。執行猶予がつく場合もありますが、初犯でも実刑になることもある。末端だからといって罪が格段に軽くなるわけではないのです。報酬はだまし取った金額の5%~10%程度ですが、まったく割りに合わない犯罪です」(前出・柏本弁護士)

目先のカネを得るためのリスクは、あまりに大きい。バイト感覚で安易にSNSの誘いに乗ると、身を滅ぼしかねないのだ。

  • 撮影蓮尾真司

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