満身創痍の鶴竜 現役続行のウラに「亡き恩師との悲願」

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ケガの状況が良くなくリハビリが続く鶴竜。19年8月撮影。画像:共同通信社

「2横綱が揃って休んでいる。過去1~2年を振り返っても、断続的に休場が続いている。場所をまっとうする回数が、必ずしも多くない」

9月28日に開かれた横綱審議委員会で、矢野弘典委員長が苦言を程したのは白鵬(35)と鶴竜(35)の両横綱だ。二人は9月27日に終了した秋場所を揃って休場。横綱が全員初日から欠場するのは37年ぶり。矢野委員長が「今後を注視する」と言うように、両横綱は次に出場する場所に進退がかかりそうだ。

「特に厳しいのが鶴竜です。故障した右ヒジの具合が、相当悪いとか。今年初めには白血球の数値がハネ上がり、体調を崩したこともあります。今でも復調せず、土俵に上がれない状態だとか。現状のままでは、とても次の11月場所に出られないでしょう」(相撲協会関係者)

満身創痍の鶴竜。潔く身を引くべきという声もあるが、引退できない事情があるという。

「日本国籍を取得していないんです。通常、横綱は引退すると、現役時代のしこ名で5年間親方を務めることができます。しかし外国人力士は、日本人国籍を取得しなければなりません。鶴竜は少なくとも18年から日本への帰化を申請していますが、母国・モンゴルから国籍離脱の許可がなかなか降りない。もしこのまま引退すれば、親方どころか廃業の可能性があるんです」(同前)

親方にこだわる二つの理由

白鵬はすでに日本国籍を取得している。引退後も、親方として相撲界に残れるだろう。鶴竜はモンゴルの許可が出るまで、現役を続けるしかないのだ。

「白鵬の時も日本国籍を取得するまで、5年ほどかかったと言われています。鶴竜が取得できるのは、早くて来年でしょう」(スポーツ紙担当記者)

なぜ鶴竜は、日本国籍の所得、そして親方になることへこだわるのだろうか。

「理由は二つあります。一つは白鵬や日馬富士(17年10月に傷害事件を起こし引退)ら、モンゴル人力士が日本への帰化を申請していたこと。彼らの影響で、自分も日本に残り後輩の指導にあたりたいと考えたようです。

二つ目が、入門当初から指導を受けた恩師・井筒親方(元関脇・逆鉾)の言葉です。井筒親方は19年9月にすい臓がんで他界しましたが、亡くなる直前、鶴竜にこう話したと言われています。『部屋を継げるのはオマエしかいない。頼んだぞ』と。井筒部屋は親方の死により、閉鎖されてしまいました(現在は陸奥部屋に在籍)。部屋の再興は、鶴竜の悲願なんです」(同前)

恩師の遺志を実現するためには、親方になることが必須なのだ。だが状況は厳しい。

「鶴竜は昨年の7月場所で6回目の優勝をして以来、6場所中5場所で休場しています。次の11月場所も休めば、3場所連続の休場となる。横綱審議員会も、注意喚起するでしょう。そうなれば、来年1月場所には出場せざるをえません。それまでに復調しているか。可能性が高いとは言えないでしょう。

ケガを完治させるには休場しなければならない。休場が続けば出場をうながされ、引退をかけた場所に臨むことになる……。鶴竜はジレンマに陥っているんです」(前出・協会関係者)

まさに待ったなし。土俵際に追い込まれた手負いの横綱は、うっちゃって周囲の不安を払拭できるだろうか。

  • 写真共同通信社

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