23歳男が父親をメッタ刺し…悲劇の「閉塞生活」その実態

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送検される久住容疑者。逃げ場のない空間での生活が親子の緊張を高めたようだ(手首など画像を加工しています)

悲劇の親子は逃げ場のない、二人だけの生活を続けていたーー。

10月3日夜9時ごろ、東京都練馬区の住宅街で「男が騒いでいる」との110番通報があった。警察官が駆けつけると、アパートの一室で60代の男性が背中や腹などをメッタ刺しにされ倒れていた。その後死亡を確認。現場にいた自称・無職の久住佑太(23)が「父を殺して自分も死のうと思った」と話したため、警察は殺人未遂の容疑で逮捕した。

「現場は駅から徒歩5分ほどの住宅街。家賃7万円ほどのアパートに、親子二人で住んでいたようです。付近では以前から、親子が言い争う声がよく聞こえてきたとか。久住容疑者は『借金がどうにもならなくなった』『口論になり、父を殺して自分も死のうとおもった』と供述しています。警察官がかけつけた時、久住容疑者は涙で顔がぐちゃぐちゃになっていたそうです」(全国紙社会部記者)

久住容疑者と父親が住んでいたアパートは1DK。7畳一間に、ダイニングキッチンがついているつくりだ。二人で住んでいれば、嫌が応にも顔をつき合わせなければならないような環境だったはずだ。距離感の近すぎる生活が、事件の引き金になったのだろうか。

社会心理学者で新潟青陵大学大学院教授の碓井真史氏が、子どもの殺害事件について次のように指摘する。

「あくまで一般論ですが、子どもが親を殺害する事件では、未成年の場合、親が暴君のような存在であることもある。時には虐待が伴う場合もあります。

ある程度の年齢になると、子どもは親に逆らうものです。思春期には親に逆らって家出をしたり、グレてみたりする。しかし親を殺すような子どもは、適度に逆らうことができません。少々逆らったぐらいでは、はねのけることはできないと諦めている場合が多い。だから“いい子”が多いのです。今回の容疑者は成人ですが、未成年の犯罪心理に近かったと思います」

近年は、引きこもりの子を持つ家庭での親子間殺人が頻発している。正論を吐く親と、それが正しいとわかっていながら受け止めることができない子ども……。「閉塞した状況下で追い込まれてしまった結果」ではないか、と碓井氏は続ける。

「日常的に緊張感があったのでしょう。親の小言などがあったとしても、うまく聞き流せれば良かったのですが、容疑者はそういう考えになれず『殺すしかない』『自分も死のう』と追い詰められてしまった。友達にグチを言って同情してもらうのがよくあるガス抜きのパターンですが、彼にはできなかったのかもしれません。何かやりがいのあることでもあれば、違ったでしょう

逃げ場なき空間で、二人きりの生活を送っていた親子。息を抜く余裕もなく溜まっていくばかりのストレスが、悲劇を起こすキッカケだったのだろうか…。

  • 撮影蓮尾真司

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