<figure id="attachment_140379" aria-describedby="caption-attachment-140379" style="width: 688px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="21d1a14d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2020/10/225fa457be55995b556b80b8aa96080c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-140379" class="wp-caption-text">写真・共同通信フォト</figcaption></figure>
＜芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”㉗＞
《大丈夫ですか！？ 元気にしてますか！？ 何かっ！！ 楽しいこと！ あったっ！？ あたし！？ あたしは…何もないっ！！ みんな元気でいてくれて…少しでも楽しい日々が過ごせていたら…それだけで》
と、彼女が会報に書いたのは‘19年12月だった。‘10年10月に免疫力低下による体調不良で無期限の活動休止を発表している「歌姫」中森明菜さん。まだまだ多くのファンが復帰を待っている。
‘14年末のNHK紅白歌合戦にニューヨークからの中継出演し、‘16年、‘17年と年末のディナーショーは開いたが、それ以降は見ることもない。それでも、ファンクラブは今も会員募集中だ。
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そんな彼女（の近況）を思うときに、思い出すのが、‘89年の12月31日、午後10時から東京・新高輪プリンスホテルで開かれた金屏風前での緊急記者会見だ。
この会見の約半年前の7月11日、明菜さんは東京六本木の当時、恋人と言われた近藤真彦さんの自宅マンションで自殺を図ったのだ。発見したのは自宅に帰った近藤さん。
傷は左ひじ内側に深さ2センチ、長さ8センチ。かなりの重傷だ。慈恵大病院に緊急搬送されて、6時間の大手術。医師らの努力で一命はとりとめたが、疑問だけが残った。
マッチと明菜の交際は6年も続いていて、結婚秒読みとまで囁かれていた。2年連続で日本レコード大賞を受賞するなど人気絶頂の彼女の自殺未遂騒動。いったい何があったのかと世間は大騒ぎになった。
「結婚」に積極的だった明菜さん（当時23）と「結婚」は30歳を過ぎてからと言う近藤さん（当時25）との温度差もあったようだ。そして、その年の2月には、近藤さんと松田聖子さんのニューヨーク密会キス写真が、「フライデー」にスクープされることになる。
直前までハワイ旅行を楽しんでいた２人。近藤さんはニューヨーク、明菜さんは帰国するというスケジュールだったが、これが２人の間に微妙な変化が生まれるきっかけになったんだろうな。
ＮＨＫ紅白歌合戦の裏側で行われた記者会見は、なんと瞬間視聴率は17％を超えた。それだけ世間の注目を浴びていた。
明菜さんは、仕事上での人間関係が原因と説明。近藤さんの家で自殺未遂を起こしたことについては、
「自分が一番信頼できた、たった一人の人だったから。今になって思うとなんてバカなことをしたかと」
と、答え
「一番最初に見つけてほしかった」
とも。
「皆さん生きていらっしゃる限り、一人ひとりいろんな悩みを抱えていると思います。それを一生懸命頑張って乗り越えている方が大勢いると思います。私も自分なりに必死に耐えましたし、頑張ってきたつもりですが、勝手で我儘な行動に出てしまいご迷惑を掛けました」
と、切々と訴えた。近藤さんにも「一番大切な人を傷つけてしまった」と謝罪。すると近藤さんは、
「（明菜の復帰に）少しでもお手伝いができたことに、すごい喜びを感じています。これからはオープンに付き合えます」
と答えた。金屏風の前に並んだ二人だけに「結婚は」と言う質問も飛んだ。
「そういうこと全くありません」
と、答えた近藤さんに、記者席からは「あれ、婚約会見じゃなかったんだ」という、つぶやきも聞こえていた。オレも素直に婚約会見だと思っていたし、あの瞬間、明菜さんの顔色も変わった感じだったからね。
これを機に２人の仲は終止符を打ってしまうのだが、その後発売した明菜さんの「Dear friend」「水に挿した花」などヒットを連発。安田成美さんと共演した月９ドラマ『素顔のままで』（フジテレビ系）も高視聴率だったけど、精神的な傷はいえることがなかったようだ。
聞こえてきたのは、酒浸りの日々、タバスコを持ち歩いての食事などなど……。どう考えても、精神的に追い詰められている感じがした。
いまもスカパーでは時々、「飾りじゃないのよ涙は」の頃の様子が流れているようだが、あの独特の歌声と迫力ある美しさ、この原稿を書いていても、どこかから「明菜ちゃ～ん」と言う声が、聞こえてくる感じがする。このまま歌謡界から姿を消してしまうには、ホントにもったいない逸材だ。

‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』（ともに日本テレビ系）などで活躍後、現在は『めんたいワイド』（福岡放送）、『す・またん』（読売テレビ）、ラジオは福井放送、ラジオ関西、レインボータウンFMにレギュラー出演中

石川敏男（芸能レポーター）

共同通信フォト

‘17年のディナーショー以来、表舞台から姿を消している歌姫・中森明菜。数々のヒット曲を飛ばし、女優としてもドラマで高評価を得ながら、ステージから遠ざかっているのは、あの出来事が引っかかっているから……

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