可能性ほぼゼロでも楽天が田中将大の獲得に動く「二つの思惑」

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ヤンキースのユニフォームを着るのは今年が最後となるか……。田中に決断の時が迫っている(画像:アフロ)

「楽天が、ヤンキースとの契約の切れる田中将大(31)を調査しているのは間違いない。本人に日本球界復帰の意思があるなら、本気で獲得に乗り出すでしょう」(スポーツ紙担当記者)

田中の20年度シーズンが終わった。ワールドシリーズ進出を狙ったレイズとの対戦では、2勝3敗でヤンキースが敗退。田中はポストシーズンで2試合に先発したが、いずれもKOされ防御率12.38と悔しい結果となった。

今季は7年総額1億5500万ドル(約164億3000万円)の契約最終年。オフには初めてフリーエージェント権を獲得し、来季への動向が注目されている。だが、地元メディアは冷ややかだ。メジャーに詳しい、スポーツジャーナリストの友成那智氏が語る。

「ニューヨーク・ポスト紙など『タナカのヤンキースでのキャリアが最も残酷な形で終わった』と、チームを去る前提で記事が書かれています。来季は右ヒザ靭帯再建手術したセベリーノと、家庭内でのDVで出場停止となっていたヘルマンの両先発右腕が復帰します。今季の田中はエースのコールに次ぐ2番手でしたが、ポストシーズンの投球により評価が下がったというのが大方の見方なんです」

そこで古巣・楽天球団が田中を調査しているというのだ。だが獲得に挑戦するなら、メジャー球団との激しい価格競争に巻き込まれる。最低でも単年20億円の年俸が必要となるだろう。

サッカーでイニエスタ獲得の実績

夫人の里田まいさんもたびたび球場に足を運んでいる

「親会社の楽天は、コロナ禍の『巣ごもり需要』などで好調でした。20年第2四半期は連結売上収益で、前年比プラス約13%。特にネットショップ関連のEコマースが、流通総額前年比プラス約48%と大きく成長しているんです。

傘下のサッカーJリーグ『ヴィッセル神戸』が、スペインの英雄イニエスタを年俸33億円でバルセロナから獲得した実績もあります。資金面に問題ないでしょう」(球団関係者)

メジャーで活躍した投手の日本球界復帰とは、夢のような話だ。ファンの動員にもつながる。だが現時点での田中の楽天移籍可能性は、限りなく0に近いという。

「田中は、ポストシーズン後の会見でヤンキースへの思いを問われ、こう答えています。『愛着がないわけない。一選手として人間として、本当に言い表せないくらい、たくさんのことを学ばせてもらった』と。妻子と住むニューヨークの住み心地の良さも、相当気に入っているようです。

またメジャーでは、10年プレイすれば毎年2000万円以上の年金が一生もらえます。来季8年目の田中が、日本に戻ってくるとは考えずらい。今季は不振でしたが、まだ31歳と若く今後のさらなる活躍も期待できます。メジャーで現役を続ける気は、満々でしょう。おそらく減俸を受け入れ、ヤンキーズに残留するというのが現実的だと思います」(スポーツ紙担当記者)

日本球界復帰の望みは薄い……。では、なぜ楽天は田中獲得に挑戦しようとするのだろうか。そこには、楽天会長・三木谷浩史氏の大きな二つの思惑があるという。

「一つは、ヤンキースから広島に復帰しファンを喜ばせた黒田博樹さんと同じ理屈です。メジャー球団との契約が切れるたびに声をかけ、いつでも待っているよという姿勢を田中にアピールしているんですよ。楽天にとって、田中が大切な存在なのは間違いない。毎年オフには楽天の球団施設を開放し、自主トレーニングの場として提供していますから。

二つ目が、世界への野望です。三木谷さんに、日本国内だけ戦う気持ちはサラサラない。もっと視野を広げ、メジャー球団とも勝負しようとしているんです。今回の田中の調査は、その意気込みの現れでしょう」(同前)

一見無謀とも思える、獲得競争への参戦も辞さない楽天。その裏には、マー君への愛情と壮大なチャレンジ精神があるようだ。

  • 写真アフロ

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