断髪式収入ナシ、頭皮痛…親方衆が悲鳴「コロナで髷が切れない!」

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スーツ姿に髷というアンバランスなスタイルで国技館入りする元大関・豪栄道の武隈親方。今年1月撮影(画像:共同通信社)

「いつになったらフツウの髪型になれるんだろう……」

相撲界では若い親方衆から、最近こんな不安の声が聞こえるというーー。

11月8日に開幕する次場所にむけ、大相撲の各部屋は稽古に励んでいる。稽古場で目立つのが、髷をつけたままの親方たちだ。

安治川親方(元関脇・安美錦)、荒汐親方(元前頭・蒼国来)、井筒親方(元関脇・豊ノ島)、清見潟親方(元関脇・栃煌山)、武隈親方(元大関・豪栄道)、中村親方(元関脇・嘉風)……。関取として30場所以上出場した力士は、国技館で断髪式や引退相撲を行える。だが彼らは新型コロナウイルスの影響で、大勢の関係者を集める断髪式ができないでいるのだ。

「昨年7月に引退した安治川親方は、今年10月に断髪式を予定していました。しかし、開催のメドが立たず来年5月に延期。ポスターは、刷り直しを余儀なくされたとか。武隈親方も22年の初場所後に変更しています。今年1月に引退したため、2年も髷をつけた生活を続けることになりそうです」(スポーツ紙担当記者)

5000万円近い収入が消滅の危機

断髪式の延期は、単に髷を切れない状態が続くだけではない。事態はさらに深刻だ。

「結婚式や昇進パーティの収入は、基本的に部屋のものです。一方、断髪式は親方本人に入ります。現役時代の番付にもよりますが、通常は300人から400人の客が招待される。一人10万円を包めば4000万円ほど。さらに入場料を加えると、5000万円近くになります。会場の国技館の貸出料も格安なので、親方にとっては大きな収入源です。この晴れのイベントができないのですから、大きな痛手でしょう。

さらに親方株の問題もあります。親方株は建前上、先代から無償で受け継ぐ形をとっていますが、謝礼として断髪式の収入から補填するのが慣例です。髷を切れない親方たちは、株に対するカネを払えない。事実上、借金をしているようなもの、ともいえるのです」(相撲協会関係者)

身体的な苦痛もあるという。

「髷を結うのは、想像以上に痛いんです。髪を思い切り引っ張られますからね。髪の毛が、ブチブチと切れることもあります。痛みに耐えかね、人と会う用事がない時は髷を結わずザンバラ頭にしている親方もいるそうですよ」(同前)

影響が出るのは、親方だけではない。髷を結う床山たちの負担も増えている。

「親方たちが外出するたびに家に呼び出され、髷を結わなければなりません。油をたっぷり塗っているので、髪を洗うのも一苦労。床山だけでなく、若い衆も駆り出され洗髪しています。『コロナの影響で収入は減ったのに負担は増えた』と、ボヤいている床山は少ないんです」(前出・記者)

引退する現役力士たちは親方の予備軍だ。今後「髷つき親方」はどんどん増える。師匠としての門出を迎えられず、断髪式の収入もナシ……。新型コロナウイルスに収束の気配はなく、若い親方衆が頭を悩ませる日は続く。

  • 写真共同通信社

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