Snow Man “あざとさ”が奏功し2枚連続ミリオン達成か | FRIDAYデジタル

Snow Man “あざとさ”が奏功し2枚連続ミリオン達成か 

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2020年1月22日にデビューしたSnow Man
2020年1月22日にデビューしたSnow Man

「ジャニーズで今もっとも勢いのあるグループは?」と聞かれたら、2020年10月の時点で筆者は「Snow Man!」と答える。

今年1月22日、SixTONES(ストーンズ)と同時デビューを果たし、SixTONES(以下“スト”)のデビュー曲「Imitation Rain」と、Snow Man(以下“スノ”)デビュー曲「D.D.」とを、ダブルA面でリリース。avex(スノ)とSONY(スト)というレコード会社の縛りを超えた、前代未聞の2グループによるコラボシングルは、発売1週間でミリオンヒットを記録した。

この2グループがデビューするまで、“勢いのあるジャニーズ”として名前があがるのは、何と言っても2018年5月にデビューしたKing&Prince(以下“キンプリ”)だった。当時はジャニーズ内では1番の新人グループだったので当然と言えば当然だが、顔面が最強で、メンバー同士の絆も強く、歌って踊れて芝居もできる、ジャニーズの王道を極めたキンプリは、「ジャニヲタ以外からもファンを獲得できる」ところが強みだった。

デビュー曲の「シンデレラガール」は、初週で57.7万枚を記録(オリコン調べ)。Billboardによれば、2020年2月時点で約80万枚の売り上げ。ここ1〜2年で順調に知名度をあげた彼らは、ファンクラブの会員数もうなぎ登りだ。筆者も、ジャニヲタの知り合いから「最近、平野(紫耀)くんから目が離せない!」「キンプリのファンクラブに入った」などの報告を受けることが多くなっていた。

デビュー早々ファンではなくヲタクがついたSnow Man

が、今年になって、筆者が受けた報告で最も多かったのが、「Snow Manに沼落ちした」というものだった。

もちろん、「SixTONESいいよね」とか「SixTONESのライヴに行きたい!」的な発言も聞かれたが、スノに限っては、誰もが“沼落ち”を自認していた。沼落ちとは、ヲタク用語で、わかりやすくいうと、「どっぶりヲタクになった」ことを指している。オサレでスマートなキンプリやストーンズは、“ファン”がつくが、スノにはデビュー早々から“ヲタク”がついた。

「かっこいい」とか「最近気になる」を通り越しての沼落ち。しかも、「〇〇グループのヲタになった!」という報告を受けたら「誰担?(※誰を推しているか)」と聞くのがジャニーズあるあるなのだが、スノの場合、「とりあえず箱推し(※グループ全員が好き。担当なんて選べない♡)」という答えが妙に多いのだ。

長いJr.(下積み)時代に苦楽を共にしてきた古参ヲタたちが頑張った結果、発売日から3日後、「D.D/Imitation Rain」がミリオンを達成したことが発表された。

配信への比重も年々増えてきている上、握手会商法などの音楽とは関係ない売り方が横行する日本の音楽業界にあって、2グループ同時デビューとはいえ、初週でミリオン達成というのはかなりの偉業だ。

その上でなんと、スノは1月26日にYouTubeで9時間の生放送を配信したのである。ロケバスに乗って東京を横断しながら、自らもCDショップに足を運び、デビューシングルを大量購入し、「皆さんも買ってください〜♡」と煽った。

なぜ、当初の目的だったミリオンを達成しながら、スノはなお販促に力を入れたのか。そこには、ジャニーズの歴史や功績について、間違いや勘違いを正そうとする古参ジャニヲタの存在がある(たぶん)。

なんとしても欲しかった「単独ミリオン」の称号

ジャニーズのデビュー組が初週ミリオンを達成したのはKinKi Kids以来だが、KAT-TUNの「Real Face」(06年)は初週75.4万枚を売り上げ発売9週でミリオンを達成している。前出のキンプリだって、初週約57万枚を売り上げている。

そんな中、古参ジャニヲタたちが「2グループでのミリオン達成なら、1グループでは半分の50万枚に過ぎない。軽々しく『キンプリ超え』『KAT-TUN超え』などと言うべきではない!」と吠えたのだ。

1月26日の生配信が功を奏したのか、翌週Billboardからグループ個別で発表された売上枚数(※オリコンからは個別での集計は発表されていない)はスノが75.2万枚、ストが77.6万枚(※先にクレジットされている曲ごとにカウント)。オリコンとBillboardの集計方法の違いもあり、堂々と「KAT-TUN超え」と胸を張れるかはともかく、ジャニーズの未来を担う2グループの前途の明るさを示す結果になった。

が、スノのヲタたちはここで諦めなかった。合算のミリオン達成はずるいというなら、単独ミリオンをプレゼントしたい! とばかりに、「追いD.D.」に走ったのだ。新型コロナウィルス感染症が流行した影響で、「スペシャルイベント+ハイタッチ会」もデビューコンサートも中止になり、4月にはリーダーの岩本照が、過去の不祥事を反省すべく活動を自粛したことも、「こんなときだからこそ、彼らを支えたい!」と、ヲタ心に火をつけたのかもしれない。

そうして7月5日、ついにBillboardから、「D.D.」をリード曲にしたシングルがミリオンを達成したことが発表された。ストの「Imitation Rain」も単独で90万枚以上のセールスなので、このままいけば、合算で200万枚超えも夢ではない。

見えてきた、2枚連続「単独」ミリオン!

7月1日には岩本が復帰し、同22日には、セカンドシングル「KISSIN’ MY LIPS/Stories」の発売が発表された。以降、雑誌の記事などでスノのメンバーの「せっかくなら次もミリオン狙いたい」というコメントも散見されるようになった。そこから2ヵ月半、10月6日に発売された「KISSIN’ MY LIPS/Stories」は、発売1週で93万枚を売上げ、2週めで98万枚と、順調に連続(単独)ミリオンという記録に近づきつつある。

今回のCDはダブルA面の2曲のミュージックビデオとそのメイキングが収録された初回Aと、「KISSIN~」のマルチアングル映像に長尺の「ジョーカーゲーム」が収録された初回B、「君の彼氏になりたい」「ファンターナモーレ」が収録された通常盤の3パターンで、現状、スノのファンクラブ会員が30万人程度であることを考えると、ヲタが3種を複数買いしたと考えれば、初動の93万枚は腑に落ちる数字だ。

ちなみに筆者は、最初に初回Bを買ったのだが、その特典映像の面白さとマルチアングルでのメンバーダンスのスルメ度に、「ここまで楽しめれば実質タダ(※ヲタ用語で、投資分の元は取ったという意味)」と感じ、初回Aも見たくなった。そこで「追いキッシン」をしたところ、こちらの特典も満足の行くものだった。

ダンスの得意なグループだけあって、特典映像では、彼らのダンス力を存分に味わうことができ、また9人それぞれのキャラが立っていて、かつ仲がいいこともあり、数秒のシーンの中に山盛りの“萌え”がある。Aの特典映像の中で、メンバーの佐久間大介が「たくさん買ってください! 自分用、保存用、普及用……」などと複数買いを煽っているのだが、最後に「絶対にソンはさせません!」的なコメントもしていて、このDVDを見たらそれも納得と思わざるを得ない。

こういった「買って買って」発言は、今まで何度となく「ファンの子にお金を使わせたくない」という発言を繰り返してきた嵐やキンプリのファンからは、「ファンに複数買いを求めるのは下品」と批判されている側面もある。でも、ムーブメントは、もし作り出せるなら作り出したほうがいいに決まっている。2枚連続単独ミリオンとなれば、それがニュースになり、今までスノに興味を持っていなかった人も、「どれどれ、どんな曲?」とYouTubeをチェックする人だっているかもしれない。

何より、スノには、ダンスの実力も、バラエティ力も、「何がなんでもテッペン取りたい」という野心もある。野心を剥き出しにして何が悪い? それで誰かに迷惑をかけるわけでもないし、ファンも納得して「実質タダ」気分で買えているなら、それでいいではないか。

Snow Manの魅力はズバリ“あざとカッコよさ”

先日、YouTubeでカップリング曲「君の彼氏になりたい」のレコーディング映像が公開された。メンバーそれぞれのカメラ越しのファンサービスも個性的で、この映像のせいで通常盤も欲しくなってしまった。今週末には、スノのコンサートが生配信されるので、やはり今出ている音源は全て網羅しておいた方が、絶対に配信ライヴを楽しめると思ったからだ。

この「君の彼氏になりたい」の映像を見て強く感じたことは、Snow Manは、かなりあざといグループだということだ。自分たちの魅力を熟知した上で、「僕たちをもっと好きになって」「もっと応援して」とはっきり宣言する。長年の経験値に基づいた「みんな、こういうの好きなんでしょ?」という切り札や見栄を上手に切ってくる。

テレ朝のバラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』はこの10月からレギュラー放送になったが、“あざと可愛い”のが令和女子の潮流なら、Snow Manは、“あざとカッコいい”という新たな男子の王道を作るかもしれない。おそらく、もう“謙虚さ”の名を借りた自己肯定感の低さを美徳とする時代は終わったのだ。

22日からはスノのデビュー後初ライヴが4日間にわたり生配信される。あざとさを真の武器にできるのは、「本気出したらめちゃくちゃカッコいい」というギャップで、ファンにショックを与えられてこそ。さて、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。

  • 取材・文喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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