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なにわ男子「あざとかわいい」の強みで新時代のジャニーズを救うか

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主演ドラマに加えて冠番組がスタート

(写真)共同通信フォト
(写真)共同通信フォト

このところのジャニーズと言えば、相次ぐ退所や不祥事の報道など、暗い話題が続いている。なかでも、とびきり痛いのは、嵐の年内活動休止。King & Prince、SixTONES、Snow Manら若手グループは順調にファンを獲得している反面、「かつてのSMAPや現在の嵐に続くグループになるか」と言えば、まだそれほどの確信を抱かせるに至っていない。

そこでにわかに台頭してきたのが、なにわ男子。まだ結成2年であるにもかかわらず、勢いと若年層の人気は圧倒的で、今年に入って快進撃を見せている。

ドラマでは今春に『年下彼氏』(朝日放送・テレビ朝日系)に出演し、現在も『メンズ校』(テレビ東京系)にグループ全体で出演中。

さらに、今月2日には『めざましテレビ』(フジテレビ系)の冠コーナー「なにわ男子のなんでやねん!」と「なにわ動画」がスタートし、31日からは初の全国ネット冠バラエティ『なにわ男子と一流姉さん』(テレビ朝日系)も放送される。

実はこの1年あまり、放送関係者やファンから、なにわ男子に関する声を集めていたのだが、「他のジャニーズJr.とはちょっと違う」「いそうでいなかったタイプで、今の時代に一番合う」「嵐のレベルまで突き抜けるとしたら、なにわ男子」などがあがっていた。彼らはなぜファンを引きつけ、どんな強みがあるのか。

「ハイブリッドな即戦力」という評価

なにわ男子は2018年10月に結成された西畑大吾(23歳)、大西流星(19歳)、道枝駿佑(18歳)、高橋恭平(20歳)、長尾謙杜(18歳)、藤原丈一郎(24歳)、大橋和也(23歳)の7人組アイドル。デビュー直後から関西のバラエティで経験を積んだほか、関ジャニ∞・横山裕と大倉忠義のサポートによって舞台でのパフォーマンスに磨きをかけてきた。

関西発のジャニーズグループと言えば、関ジャニ∞とジャニーズWESTのような底抜けに明るく、常にボケとツッコミが飛び交うイメージだが、なにわ男子で真っ先に気づかされるのはアイドルとしてのまぶしさ。歌やダンスも王道のアイドル系が多く、それを見せた上で、西畑が「関西ジャニーズJr.の必修科目は、歌、ダンス、お笑い」と語るように楽しさや親しみやすさを感じさせられるのが強みだ。

彼らには10代メンバーが3人いるフレッシュさがあり、関西のバラエティで培った笑いもあり、王道のアイドルでありつつ親しみやすさを感じさせられる。つまり、テレビマンたちにとって、なにわ男子は、「フレッシュなのに、笑いが取れて、親近感がある」というハイブリッドな即戦力グループなのだ。

そんな彼らの追い風となっているのが、今春に行われた視聴率調査のリニューアル。年代や性別ごとの視聴データが取れるようになったことで、各局がスポンサーの好む若年層向けの番組を増やしはじめているのだ。

その点、ジャニーズをJr.のなかでも若年層からの圧倒的な人気を誇る、なにわ男子は制作サイドにとって貴重な存在。事実、『クイズ!THE違和感』(TBS系)に大橋、藤原、大西がレギュラー解答者として出演しているほか、全国ネットのバラエティに次々と出演している。

「かわいい」と「カッコイイ」の両立

全国ネットのバラエティ出演が増えている上で注目したいのは、ほとんどのメンバーが「男性なのにかわいい」と言われてファンを増やしていること。彼らは「自分をかわいく見せる方法を知っていて、それでいてステージ上のパフォーマンスはカッコイイし、バラエティでは面白い」というキャッチーかつ多面的な魅力を持っているのだ。

特に大西は、甘えるような上目づかいで見たり、不意に笑顔でウインクしたり、女性アイドルのように目をギュッとつぶったり、ほおをプクッとふくらませたり、確信犯的にちょっと毒を吐いたりなど、いわゆる「あざとかわいい」振る舞いを連発。これまで「あざとかわいい」と言えば、田中みな実など女性芸能人特有のキャラクターだったが、なにわ男子の躍進によって、それが男性タレントにも広がりはじめている。

ただ、彼らは「あざとかわいい」を見せる一方で、まだ若いにもかかわらず藤原の16年を筆頭に大橋の11年、西畑の9年、大西の8年、道枝、高橋、長尾は6年のキャリアがあり、各スキルのベースは高い。西畑や道枝が連ドラ出演を重ねて評価を得ていることも含めて、CDデビュー前にもかかわらず一気にブレイクしてしまう可能性を秘めている。

ともあれ、「キラキラの王子様」というジャニーズの王道を行きながら、「身近なかわいい男子」のイメージを併せ持つグループは極めて珍しい。早くも「2020年代は、なにわ男子がジャニーズを支えていく」という声もあがっているように、現時点でもテレビマンたちから、かなり期待されているのは間違いない。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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