フワちゃん タメ口・大人らしからぬ言動だからこそ獲得できた人気

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フワちゃんのトレードマークといえばビビッドカラーのスポブラに派手なヘアアクセサリー。テレビでその姿を見かけない日はない

突如彗星のように現れた、という言葉はそぐわない気がするが、気が付けばフワちゃんはお茶の間の人気者になっていた。今ではテレビで見ない日はないほどの活躍ぶりである。

所属するジャンルは一応『お笑い芸人』で、大手芸能事務所の芸人養成スクール卒業後にコンビを結成して活動していたが、わずか3年で解散。その後はピン芸人として活動を続け、『R-1ぐらんぷり』や『女芸人No.1決定戦 THE W』に出場したこともある。

ただ、当時のことをニュースサイトのインタビューを受けてこう語っている。

「元々芸人としての基本的な能力がめちゃくちゃ低いんです。私、ネタが得意でなくて。以前、コンビを組んでいた頃なんか、ネタは覚えられないし、セリフもうまく言えませんでした。大喜利もできないし、面白い特技もない」

どうもネタ芸人には向いていなかったようである。

そんなフワちゃんをここまでの人気者に押し上げたきっかけはYouTubeだった。‘18年4月に個人チャンネル『フワちゃんTV/FUWACHAN TV』を開設すると、1年半でチャンネル登録者数が35万人を超え、現在は74万人を突破し(10月28日現在)、大人気YouTuberの仲間入りを果たしたのだ。

ネタの披露はしないが、フワちゃんは芸人並み、いやそれ以上の笑いのポテンシャルを持っている。出オチともいえる独特なヘアメイクとスポーツブラ、タンクトップにミニスカートやホットパンツというファッションに加え、やることなすこと、話すこと、もはや存在自体がギャグと言ってもいい。

フワちゃんは幅広い層に人気があるのだが、意外にもオジサン層を含めた男性に人気がある。そのワケは、あの自由奔放というか天衣無縫、破天荒なキャラにあるのだが、その特徴のひとつが天下無敵の“タメ口”だ。

彼女は相手の名前を呼び捨てにすることが多いのだが、特に男性でどんな大物相手でも躊躇することはない。実は男性は女性に名前を呼び捨てされるとまんざらでもないという心理を解っているのかもしれない。

その自然なタメ口の形成に一役買ったのは小学2年生から4年生までのロサンゼルス滞在経験ではないだろうか。もちろんフワちゃんは英会話も楽にこなせるようだ。

日本ではフランクというよりは“失礼”と取られることの多い名前の呼び捨てやタメ口だが、彼女にとってはまさにアイデンティティーとなっている。だから彼女のタメ口に違和感がなくなっている人は多いのだ。英語でも敬語がないことはないのだが、日本語のような尊敬語や謙譲語、丁寧語の境が曖昧である。第三者の名前を呼ぶ際も、英語圏では距離が近ければ上司に対しても“Mr.”などの冠詞を付けずにファーストネームで呼び捨てするのが日常だ。

「タメ口キャラは作られたものではなく彼女の素ですね。そしてその本質はまるで“ワルガキ”。ドラマや映画、コミックの世界でもワルガキって必ず人気者になるんですよ」(テレビ局関係者)

フワちゃんが以前所属していた事務所をクビになった理由が、事務所の幹部社員に向けて中指を立てたからだというが、ワルガキの真骨頂だ。だが彼女は誰もが愛してやまない“憎めない子”でもある。それが人気を支えている一因でもあるだろう。

最近はとんと見られなくなったが、いたずらばかりしていて学校では廊下に立たされ、近所の大人たちに竹ぼうきをもって追いかけられる、昔はそんなワルガキがどこの町内にもいたものだ。やりたいことをやり自由気ままに生きているワルガキは、優等生たちにとって一種の“憧れの存在”でもあった。

ワルガキやガキンチョは、大人が赤面してしまうような単語を連発するのが大好きだ。

「アンミカのマンションの玄関でオシッコ漏らした」
「(漫才コンビを組んでいたときの)相方のギャグが面白くて、笑いすぎてオシッコ漏らした」
「ウンコ投げるぞ!」

などというフワちゃんの発言に、きっと教育ママたちは、わが子が真似しないかとヒヤヒヤしているのでは。

かつて教育ママたちやPTAのやり玉に挙がっていたにもかかわらず、下ネタが飛び出すバラエティー番組は、高視聴率を叩き出していたものだ。この時代では難しくなったものの、その空気感を残しているのがフワちゃんだ。

奇抜なルックスやタメ口、大の大人なら決して使わない言葉を乱発しても愛されるフワちゃんを見ていると、ある漫画のキャラクターを思い浮かべることができる。鬼才・楳図かずおが生んだギャグマンガ『まことちゃん』の主人公・沢田まことだ。

‘70年代後半、ギャグ漫画の金字塔的作品と言われているこの作品は下ネタ、エロネタ満載で、子どもから大人まで大人気となったのだった。

フワちゃんは“令和のまこと”ちゃんなのだ。これからも多くの人たちに愛され続けるだろう。彼女の勢いは、まだまだ止まりそうにない――。

  • 取材・文佐々木博之(芸能ジャーナリスト)

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。現在はコメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

  • Photo足立百合

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