シンデレラ女優のケースで解る米国と日本「不倫騒動の決定的差」

アンジェリーナ・ジョリー、ナタリー・ポートマンも……好感度は下がっても、女優としての魅力は上がる?  

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午後の時間をホテルで過ごしたあと、空港に現れたふたり。日中に着ていたワンピースをスーツケースに押し込んだリリーは、ドミニクといちゃつき、キスにふけっていたという。写真:Backgrid UK/アフロ

『シンデレラ』のヒロイン役で知られるリリー・ジェームズが、不倫報道で世間を騒がせている

可憐なグッドガールというイメージと、本来の自分とのギャップにうんざりしていたという、イギリスの女性俳優リリー・ジェームズ。写真:ロイター/アフロ

『シンデレラ』のヒロイン役で知られるリリー・ジェームズが、不倫報道で世間を騒がせている

お相手はドラマ『アフェア 情事の行方』などで知られる妻子持ちの男性俳優ドミニク・ウェストだ。共演経験のあるふたりは以前より交流があり、現在製作中の新作ドラマ『The Pursuit of Love(原題)』で再共演。親子役を演じたことで急接近したのだとか。リリーは31歳、ドミニクは51歳と、20歳の年の差がある。

マネージャーや友人の女優、その娘とともに、レストランでランチしたふたり。同行者が席を外したすきに、51歳のドミニク・ウェスト(右)が、リリーにキスを……。写真:Backgrid UK/アフロ
電動スクーターでカラダを密着させるリリーとドミニク。写真:Backgrid UK/アフロ

ふたりの不倫が発覚したのは10月初旬のこと。ローマでパパラッチされたお忍びデートでは、ぴったりと密着している姿やキスシーンまでバッチリ撮られ、もはや言い訳もごまかしもきかない状態。

報道を受け、ドミニクとその妻キャサリン・フィッツジェラルドは、報道陣の前でキスして見せるなど夫婦円満をアピールして火消しに必死だ。一方のリリーは情報番組の出演をドタキャンするなど、露骨に露出を避けている。

報道を受け、妻のキャサリン・フィッツジェラルド(右)と報道陣の前に姿を現したドミニク。夫婦円満の証拠に、キスまでしてみせた。写真:Splash/アフロ

オーディションを勝ち抜きシンデレラ役に抜擢されて以来、リリーのキャリアは順調そのもの。映画、ドラマ、舞台では主演級の配役が続き、現在も撮影を控えた映画が複数待機している。

そんな中での不倫騒動とあって、日本にいるわたしたちはついつい“降板”や“違約金”という言葉がよぎってしまうが、現在のところそうした動きは見受けられない。むしろこの不倫騒動が彼女の仕事の幅を大きく広げることになるかもしれない。

リリーはイギリスを拠点に活動しているが、欧米、とくにハリウッドを中心にしたアメリカの芸能シーンでは、俳優が不倫により作品から降板させられることはほとんどないのだ。

日本の芸能界の不倫スキャンダルは、女性側への風当たりが強い傾向にある。男性は短期間でほとぼりが冷めて仕事を再開するケースが多いが、好感度が急落した女性は激しいバッシングに晒されて表舞台から消え、復帰しても不倫前と同じ立ち位置ではいられない。

また、不倫された妻の対応に対する反応も独特だ。夫を許せば“良き妻”とされ、別れれば“かわいそうに”と憐れまれる。された側の妻が離婚を選択すると、不倫相手の女性は“家庭を壊した女”とさらなる攻撃を受けることになり、再起までの道のりは遠のく。

欧米でも不倫スキャンダルを起こせば好感度はガタ落ちだが、ほとんどの場合、仕事を干されるまでには至らない。薬物使用や性的虐待などの犯罪なら話は別だが、不倫や浮気は当人同士の問題で、仕事の内容とは切り離して考えられるためだろう。歴史的に、役者の愛憎スキャンダルはエンタメのひとつと捉えられ、ファムファタール的な魅力あってこその“女優”と箔が付いたりもする。上り調子の女性俳優が、不倫によりさらに上のステージへと上がっていくのは珍しいことではない。

ちなみに、『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーも、『七年目の浮気』マリリン・モンローも、フランス人女優のブリジッド・バルドーも、アンジェリーナ・ジョリーナタリー・ポートマンシエナ・ミラーも、みんな既婚男性との不倫経験者である。

ブラッド・ピットとの不倫&略奪愛により、トップスターの仲間入りを果たしたアンジェリーナ・ジョリー。写真:Splash/アフロ
ナタリー・ポートマンは、過去にショーン・ペンとの不倫疑惑が報じられた。現在の夫バンジャマン・ミルピエも、婚約者から略奪した相手だ。写真:REX/アフロ

欧米では不倫当事者たちが謝罪会見することはまずない。また、した側、された側への反応も日本とは正反対で、妻あるいは妻子ある身で別の女性と関係を持った男性側のほうが不倫相手の女性よりも激しい批難を浴び、離婚を選択した妻は「正しい判断」と好意的な反応を得る

典型的なのが、クリステン・スチュワートの不倫騒動だ。『トワイライト』シリーズで共演したロバート・パティンソンと結婚秒読みと噂されながら、主演映画『スノーホワイト』の既婚監督・ルパート・サンダースと不倫していた彼女は、不倫が明るみになるや「束の間の軽率な行動が、何よりも大切で最も敬愛するロブ(ロバート・パティンソン)との関係に傷をつけてしまいました。彼を本当に愛しています、本当にごめんなさい」と、恋人へのお詫び文を『ピープル』誌を通じて発表した。

映画監督ルパート・サンダース(左)との密会で、不倫が発覚したクリステン・スチュワート。写真:Backgrid/アフロ

パパラッチされた濃厚な密会キスシーンが世に出ると、ゴシップニュースは連日このスキャンダルで持ちきりだった。ところがこの一件を機に、クリステンの俳優としてのバリューはグングンと上がっていった。全5作の大ヒットシリーズ『トワイライト』で築き上げられたクリーンなイメージを脱却できたのは、思わぬ収穫だったのだ。

騒動の翌年には「シャネル」のキャンペーンモデルに抜擢され、そのまた翌年には映画『アクトレス~女たちの舞台~』でアメリカ人女性俳優としては初めてのセザール賞助演女優賞を獲得。その後も様々な作品に主要キャストとして起用され続ける一方で、私生活では隠すことなく同性との恋愛を謳歌し、二股・乗り換えもやらかしているが、「まあ彼女ならやるかもな」と、たいした騒動には発展しなかった。

不倫騒動を経て、自分らしさを発揮できるようになったクリステン・スチュワート。クールでかっこいいと、女性たちから絶大な支持を受けている。写真:REX/アフロ

不倫により身を滅ぼしたのはお相手のルパート・サンダース監督のほうで、不倫が判明した直後に家族へ向けた謝罪声明を発表するも、ほどなくして妻に離婚を突きつけられ、幼い2人の子供とも離別。『スノーホワイト』の続編では監督職を外され、2017年の映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』で長編作品の監督として再起するまでに5年もかかった。

メグ・ライアンのように不倫騒動により仕事を干された女性俳優もいるので一概には言えないが、旬のスターであれば不倫さえも出世の糧となる。家庭を壊された妻はたまったものではないけれど、不実な夫ならいないほうがマシ! 正体を暴いてくれてありがとな! で、ある。

親子ほど年の離れた相手との不倫がバレて窮地に立たされているリリーだが、かねてより語っていた「ディズニープリンセスのイメージから抜け出したい」という願いも、今なら叶いそう。

そもそも、パパラッチの少ないローマでのデートだけでなく、空港での2ショットまで撮られるなど、不自然な点も多い今回の不倫騒動。共演ドラマのための話題作りという可能性も否めないので、もうしばらく静観が必要かも……。

  • 原西香(はら あきか)

    海外セレブ情報誌を10年ほど編集・執筆。休刊後、フリーランスライターとして、セレブまわりなどを執筆中

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