沢村拓一 巨人で戦力外危機から「大逆転」を果たした理由

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ロッテの勝ちパターンに欠かせない存在となった沢村。表情にも闘志がみなぎる。来季はメジャー挑戦も(画像:共同通信社)

ワンバウンドしたシンカーを捕球できず、ボールは転々とバックネット方向へ。その間に2人が生還。まさかのサヨナラ2点タイムリーエラーに、ロッテの捕手・田村龍弘はショックのあまりその場にうずくまる。悔し涙を流す田村の肩に、そっと手をさしのべる男。前の回を1失点で切り抜けた、沢村拓一(32)だーー。

10月29日のソフトバンクとの首位攻防戦。ロッテは9回裏に逆転され、痛い敗戦を喫した。だが沢村の優しに、好感を持ったファンも多いようだ。

「巨人時代とは、見違える対応です。巨人ではふてくされて叱られることはあっても、チームメイトを励ますようなことはほとんどなかった。ロッテに移ってから、周囲に気を配っているのがよくわかります。ブルペンでは唐川侑己や益田直也など、同じリリーフ陣に積極的にアドバイスを送り兄貴分として慕われていますよ」(スポーツ紙担当記者)

今季、巨人で6点だった沢村の防御率は、9月にロッテに移籍すると1.72に。なぜ劇的に変化できたのだろうか。

「巨人時代はトラブルメーカーでした。12年10月には、人身事故で親子3人にケガを負わせています。14年10月には六本木で、16年4月には新宿歌舞伎町で一般男性と暴行トラブルを起こしました。一方で性格は繊細。ネット上のネガティブな書き込みを読んでは、落ち込んでいた。周囲からも素行を批判され、投球にも悪い影響を与えていました。チームで完全に浮き、一時は戦力外の危機にあったんです。

ロッテには、望まれて移籍しています。中継ぎという役割も用意され、チームメイトも歓迎してくれた。自分が必要とされたことで、モチベーションが上がったのでしょう。気持ちにも余裕が生まれ、チームメイトとも良好な関係を築いています」(同前)

メジャー4球団が名乗りも

来季は、さらに飛躍の年になるかもしれない。沢村は10月17日に海外FA権を所得。米国のメジャー最大の移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」が彼の投球を紹介し、複数の球団が興味を示していることが判明したのだ。メジャー事情に詳しい、スポーツジャーナリストの友成那智氏が語る。

「メジャーで成功する日本人投手には、主に三つの特徴があります。ストレートのスピードが速いこと、制球力が良いこと、スプリットなどの落ちる球を持っていることです。沢村は、その三つともクリアしている。メジャー好みのパワーピッチャーですから、3〜4チームが獲得に名乗り出てもおかしくありません。

ただ新型コロナウイルスの影響で、観客は激減。各球団は収入が減り、資金ぐりに困っています。年俸など、あまり良い条件は望めないでしょう」

果たして沢村は来季、自分を復活させてくれたロッテに残留するのか。条件が悪くても、メジャーに挑戦するのか……。

「沢村はプロ入り前の中央大学時代、『巨人以外ならメジャーに挑戦したい』と話していましたからね。米国への憧れは、かなり強いと思います。沢村獲得には、楽天も興味を持っていると言われる。国内なら争奪戦になるでしょう。各球団は複数年契約や年俸倍増など、メジャーを凌駕する好条件を提示するはずです」

海外FA権を得た沢村は、「ファン、チームメイト、スタッフ、球団の皆様に感謝しています」とコメントを発表している。どん底を経験し、復活した選手は強い。日米の複数球団を巻き込んだ、獲得競争になるかもしれない。

  • 撮影共同通信社

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