本心はGoTo横浜…?菅首相が目論む究極の「みなとみらい改革」 | FRIDAYデジタル

本心はGoTo横浜…?菅首相が目論む究極の「みなとみらい改革」

所信表明で言わなかった”腹案”

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臨時国会が先月26日に召集され、与野党の論戦がスタートした。そんななか、菅首相が画策する〝腹案〟が発覚した。それが「GO TO横浜大作戦!」である。

計画の拠点となるのは、菅首相の住まいもあるみなとみらい地区。コロナ禍、今年9月の米国・ハワイの有名ホテルがオープン、来年3月までには桜木町駅からは運河パークまでのおよそ630mを結ぶ「YOKOHAMA AIR CABIN(仮称)」と称したロープウェイも完成する。さらに新しいホテルの建設も決まっている。

大ブーイングを受けたカジノ政策の裏側で〝一泊できる街づくり〟が始まった。また来年の横浜市長選には菅総理の元私設秘書の擁立が確実。横浜みなとみらいが一気に「スガタウン」へと変容していく――。

来年の横浜市長選のイチ推しは「松坂大輔の後輩」

「次の横浜市長には遊佐(大輔=横浜市会議員)くんで決まりですね。はい、総理の元私設秘書ですよ」

菅首相の複数の横浜後援会関係者が、こう口をそろえる。

来年8月、菅首相のお膝元である横浜市長選が行われる。官房長官時代から菅首相が「影の横浜市長」と言われているのは、永田町関係者では誰もが知るところだ。菅首相にとっては絶対に負けられない選挙であることは言うまでもない。

そんななか、白羽の矢が立ったという遊佐大輔市議は、2011年に横浜市議に初当選して現在3期目。

「まだ39歳です。地元・横浜高の野球部出身で、1学年上にはあの松坂(大輔)がいる世代。野球は怪我で断念したが、大学在学中には家業が倒産してしまい、大学を辞めざるをえなかった。そして民間清掃工場で働きながら菅さんの選挙スタッフにボランティアで参加したのが縁です。地元での評判は高いです」(横浜後援会関係者)

この時の働きぶりと遊佐氏のこれまでのキャリアが菅首相の目に留まり、運転手に任命され、そこからのし上がってきた「たたき上げ」の人物だ。

菅首相はこれまで、林文子・現横浜市長を全面的に支援してきた。それはカジノを含む総合型リゾート(IR)を横浜に誘致させようとしたからにほからない。しかし横浜カジノ構想は今、大逆風のもとにある。市民団体が「カジノ反対」を旗印に林市長のリコール(解職請求)署名活動を12月5日まで行っている。2人の関係には距離ができている、というのがもっぱらだ。

横浜市議だったころから菅氏を支援し「ハマのドン」とも言われている横浜港ハーバーリゾート協会・藤木幸夫会長の存在もある。90歳の同会長が「横浜がカジノは私が命がけをかけて阻止をする」と明言するなか、菅首相が描き続けてきた横浜カジノ構想には暗雲が立ち込めている。

だからこそ菅首相は『GO TO横浜!大作戦』に舵をきるのだ。その拠点となるのが、お膝元のみなとみらい地区だ。

「横浜駅周辺は、放っておいてもこれからも多くの人がやってくる。でもここ(みなとみらい)は違う。だから(開発を)やらなきゃいけない――それが市議時代の菅首相の口癖でした」(前出後援会関係者)

横浜みなとみらい地区の大開発プロジェクトは、1983年からスタートしている。菅首相は、1987年にこの地区のある西区選出横浜市議として初当選。当時のバブル景気にも乗ってみなとみらいの開発は一気に進んだ。しかし新型コロナウイルスがその勢いをそいでしまった。

「このあたりのホテル経営もかなり苦しいです。そんななかで菅総理が誕生したので、みなとみらい地区では〝これから〟への期待がとても高いんです」(みなとみらい地区のホテルマン)

秋田生まれの菅首相だが、みなとみらい地区の選出の市議として2期、そして横浜選出の議員が初めて日本の首相に就任した。地元にかける思いは熱い。

かねてから著名な企業をみなとみらいに呼びたかった菅氏は、2009年日産自動車の本社を東京・銀座からみなとみらい地区へ移転、2015年には米国以外では初めてとなるアップル社の研究開発拠点を誘致することを“後方支援”し、米国国内でも大きな話題になった。

横浜市が発表している「みなとみらい事業概要」では、現在みなとみらい地区の就業人口は11万人を超える。また、令和元年の来街数はなんと約8340万人。ここの地区だけで、市税収入はおよそ170億円だ。

来年の横浜市長選への立候補が取りざたされる遊佐大輔・横浜市議(写真:産経新聞社)
来年の横浜市長選への立候補が取りざたされる遊佐大輔・横浜市議(写真:産経新聞社)

横浜と箱根の違い

コロナ禍の今、インバンド景気にはもう期待できない。カジノも厳しい。そうなると横浜の生命線は「一泊できる街づくり」にある。前出のホテルマンがいう。

「同じ神奈川県の観光地ですが、横浜と箱根には違いあります。それは一泊するか、しないか。これに尽きます。我々の業界にとってこれは大きなポイントになります。横浜の場合、山下公園に行って中華街で食事をして最後はみなとみらいで買い物をすれば、一泊せずに終わってしまう」

みなとみらい地区の開発はまさにこれから。2022年ごろまで空前の再開発ラッシュが継続中で、そのラインナップはコロナ禍の影響を蹴ちらす勢いだ。

今年9月にはハワイ・ホノルルの超高級ホテル「ザ・カハラ」がオープン。海外初進出の地として、横浜みなとみらい地区を選んだ。今後もインターナショナルブランドの高級ブランドホテルが続々とみなとみらい地区を筆頭に横浜へやってくる計画がある。

7月には収容人数1万2000人という音楽専用「ぴあアリーナMM」が誕生。民間企業がアリーナ運営を行うのは、国内初のことだ。2026年にはマレーシアの複合企業と日本企業の合同でデジタルを駆使した最新型の水族館も完成する。

また来年3月には、桜木町駅から運河パークまでの約660mをつなぐ全国初の都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」(仮称)が誕生する。当初、今年行われるはずだった東京五輪のインバンド景気を見越して建てた計画だった。その五輪が一年延期になったにもかかわらず、この計画は頓挫しなかった。

「8人乗りのゴンドラを36基動かす計画と聞いています。徒歩なら10分ぐらいかかりますが、それをロープウェイが完成すれば2分から3分かからないと聞いています。コロナの中でも観光客の皆さんに対する呼び水にもなる」(ホテルマン)

このロープウェイの建設を決めたのは泉陽興業株式会社(本社・大阪府浪速区)だ。同社はみなとみらいで入場料無料の遊園地「よこはまコスモワールド」も経営している。60億円近い建設費を同社で賄うという。横浜市は一切費用を負担しないのが特徴だ。その理由は「この会社は長年、菅総理を支援している」(横浜市政担当記者)からに他ならないとも聞こえる。

スクランブル発進となった菅政権。政治の世界に飛び込む「原点」となった横浜の発展を推進する構想は、はたして吉と出るだろうか。

2019年に泉陽興業株式会社が出したロープウェーのイメージ像を示した≪YOKOHAMA AIR CABIN≫~報告事項~より一部抜粋(上2枚)
2019年に泉陽興業株式会社が出したロープウェーのイメージ像を示した≪YOKOHAMA AIR CABIN≫~報告事項~より一部抜粋(上2枚)

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