尾行のやり方から秘密道具まで…探偵の世界を大公開! | FRIDAYデジタル

尾行のやり方から秘密道具まで…探偵の世界を大公開!

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調査中の探偵。荷物は持たず、ポケットに仕込んだスマホやカメラをすぐに取り出せるようにするのが鉄則
調査中の探偵。荷物は持たず、ポケットに仕込んだスマホやカメラをすぐに取り出せるようにするのが鉄則

雑踏のなかをうつむき加減に歩く男。どこにでもいる中年男性にしか見えないが、実はこの男の正体は探偵。浮気調査の真っ最中だ。

さまざまなトラブルが起きるようになった昨今、その需要は急増しているというが、具体的な業務内容についてはイマイチよくわからない探偵という職業。彼らは日々、どんな仕事をしているのか。

名探偵コナンやシャーロック・ホームズのように、殺人事件で犯人を見つけ出すといったことはまずない。依頼のなかで最も多いのは、何といっても浮気調査だ。都内の総合探偵会社『アビリティオフィス』代表の木藪(きやぶ)愼市氏が解説する。

「浮気調査は仕事のなかで一番簡単です。相手は犯罪者ではありませんから、警戒心は薄い。浮気常習犯でも横断歩道で急に走り出したり反転したりする程度。追跡は難しくありません。

浮気調査の料金は、うちの会社の場合、一日8時間を3日で50万円ほど。一日では単なる遊びの可能性を否定できないため、最低3日は調査期間をいただいています。大手だと倍以上の料金がかかるところもザラですね」

浮気調査では、証拠となる写真や動画が必要不可欠。当然、ハリコミが主な業務内容となる。

「車で張り込むこともありますが、立ってハリコミをすることも多い。特殊な撮影道具を使うこともありますが、ほとんどの場合スマホで撮ります。50倍ズームができる最新スマホが重宝されていますね」(同前)

ターゲットの追跡にもノウハウがある。木藪氏が続ける。

「目線をターゲットの靴かやや上のほうに向け、口を半開きにしてボーッとした表情で斜め後ろから付いて行く。人間は自分の視界の90度以内に入ったものを記憶する。なので、そこには絶対に入らないようにします。服装は原色や派手なものは避け、また、いかにも探偵という格好はしないように注意しています」

取材した探偵たちが口を揃えたのは、「バレるのを恐れるのが一番いけない」ということだ。おどおどせず、堂々とつける。人混みでは一気に距離を詰めて、ターゲットと同じルートを通って追跡するのが鉄則だ。スマホでの撮影もコソコソせず、まるで景色でも写しているかのように構えるのがコツだという。

探偵って儲かるの?

浮気調査以外でポピュラーなのが人探し。家出人はもちろんのこと、特殊詐欺が急増している世相を反映しているのか、自分を騙(だま)した詐欺師を探してくれという依頼も増えているという。大阪の探偵事務所『日本総合探偵事務所』に所属する柳川博成氏が語る。

「浮気調査もそうですが、家族についての依頼は多いですね。老人ホームに入っている祖父がひどい目にあっていないか調べて欲しい、学校で子供がいじめられていないか知りたい、といったものです。娘が風俗店で働いていないか確認したいなんて依頼もあります。

企業からの調査依頼もある。最近増えてきたのは、取引先が反社かどうか、社員に反社がいないか調べて欲しいというものですね。探偵という仕事は、警察や検察、弁護士らと密に連携を取ることが多いですから、それらのツテを使って調査を行います。また、ライバル企業を調査して欲しいという依頼も来ます。あそこの社長が秘書とデキているという噂があるので調べてくれ、なんてものもあります」

関西の人気番組『探偵ナイトスクープ』のような依頼が来たこともあるという。

その他にも、「会社のパソコンでエロサイトを見ていたら多額の請求が来てしまった。サイトの業者を調べて欲しい」なんて依頼も。探偵はサイトの運営業者を調べ上げ、違法業者だと判明。支払う必要がない旨を報告したうえで、業者を通報したという。

実際に足を使ってさまざまな調査をするからには、危険に巻き込まれることもある。都内で活動するフリーの個人探偵が言う。

「よくある浮気調査でしたが、ターゲットの女性の勘が鋭かった。デパートのエレベーターで何度も乗り降りを繰り返し、尾行を確信したんでしょう。デパートを出て駅の改札をくぐり、ホームの端まで歩くと、突然、私を指さして『この人ストーカーです!』と叫んだんです。駅員や周りの男性が追いかけてきたので、脱兎(だっと)のごとく逃げましたよ。違法行為はしていないので逮捕されることはありませんが、捕まれば依頼主に迷惑がかかりますからね……」

リスクもある分、稼ぎは少なくないようだ。個人探偵が続ける。

「私はかつて大手に在籍していましたが、その頃の収入は平均で月60万円、多い時で100万円ありました。今は月に30万~40万円ほどです。フリーの場合、大手からの下請けも多いですが、なかにはピンハネが厳しいところもあるんです。まあその分、自由に仕事をコントロールできるという魅力はありますけどね」

いつの時代もある浮気調査から、いかにも現代的な依頼まで。探偵の世界はかくも奥深いのである。

撮影データのチェック中。証拠となる写真を撮るため、一日8時間以上立ってハリコミをすることもある
撮影データのチェック中。証拠となる写真を撮るため、一日8時間以上立ってハリコミをすることもある

 

探偵会社『アビリティオフィス』代表の木藪氏は元刑事。警察にコネクションを持つ探偵は少ない
探偵会社『アビリティオフィス』代表の木藪氏は元刑事。警察にコネクションを持つ探偵は少ない

『FRIDAY」2020年11月13日号より

  • 撮影田中俊勝

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