脅威…!米国の政治的空白に乗じて中国が「日本の領土を狙う日」

トランプvs.バイデン両陣営が譲らず泥沼化

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「米国を再び偉大に」と連呼し敵陣営を罵倒するトランプ大統領と、有利に選挙戦を進めたバイデン氏

超大国の次期トップリーダーが決まらない。選挙当日の開票途中にトランプ大統領(74)が勝利を宣言。一方、郵便投票の結果を待つバイデン氏(77)も勝利に自信を見せる。トランプ大統領は郵便投票には不正があると主張しており、大統領選は泥沼化している(11月4日現在)。プリンストン大学教授(政治学)のフランシス・リー氏が解説する。

「このまま両陣営が敗北を認めなければ、トランプ大統領の熱烈な支持者たちは『国を取り戻す』行動に出るでしょう。彼らはトランプ大統領が絶対的に正しいと信じており、バイデン氏が勝利するのは不正な手段を使ったからだと本気で考えています。彼らが銃を手にして暴動を起こすかもしれませんし、暴動が起きれば、本来それを止めるべきトランプ大統領が逆に暴徒を煽る可能性もあります。米国はこれから数週間、一触即発の『火薬庫』のような状態です」

日本にとっても対岸の火事ではない。米国の政治的混乱が長引けば、増長する国家があるからだ。そう、中国である。

「これまではトランプ大統領の予測不可能なパーソナリティによって、東アジアでの中国の台頭を許さなかった側面があります。支持率のためには何をしてもいいと考えるトランプ大統領が相手であれば、中国も慎重に事を運ばざるを得なかった。しかし、次の大統領が決まらなければ、政治的な空白が生じ、中国が大胆な行動に移る可能性があります」(国際ジャーナリストの山田敏弘氏)

すでに中国の不穏な動きは始まっているという。トランプ政権の初期にアジア外交トップを務めたスーザン・ソーントン氏がこう指摘する。

「これまでも中国は米国の国際的な地位低下につけ込んで、勢力拡大を企んできました。トランプ大統領の米国が国際問題にあまり口出ししないのをいいことに、国際秩序を自分たちに都合のいいように変更しようとしてきたのです。

日本の尖閣諸島もその一例です。今年4月から8月にかけて、連続111日にわたって中国公船が尖閣周辺の接続水域内を航行しましたが、これは過去最長です。また、中国公船による尖閣周辺の日本領海への侵入も相次いでいて、10月11日から13日にかけては連続57時間39分も日本の領海に滞在しました。これらは米国の政治的な混乱につけ込み、日本と米軍の反応を窺うかがうためのものでしょう」

トランプ大統領の任期は来年1月まで。これから数ヵ月にわたって法廷闘争が続き、次期大統領が決まらなければ、中国はますます図に乗るはずだ。

「狙いは台湾です。習近平国家主席は自分の手で台湾を併合したいという野望を持っています。米国が内戦状態になり、大統領不在、つまり軍の最高司令官が不在になれば海外駐留の米軍は動けない。今なら台湾併合を実行に移せるのではないかという誘惑に駆られることもあるでしょう。台湾と同時に自国の領土と主張する尖閣諸島を占拠してもおかしくない」(軍事ジャーナリストの世良光弘氏)

大統領選をめぐる米国のゴタゴタは決して他人事ではないのである。

任期を撤廃し、’23年以降も国家主席の座に留まれるようにした習近平氏。台湾の併合を虎視眈々と目論む
尖閣諸島の魚釣島。中国公船による接続水域での航行が相次ぎ、今年、統計開始以来、最も多い日数を記録
尖閣諸島周辺の海域で中国公船(奥)を監視する海上保安庁の巡視船(海上保安庁提供)

『FRIDAY』2020年11月20日号より

  • PHOTOAFP/アフロ(大統領選)、中国通信/時事通信フォト(習近平)、時事(尖閣諸島)

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