バイデン大統領誕生で景気はどうなる?世界恐慌に備える資産防衛術

個別株式&投資信託&ETF トランプ落選、新型コロナ第2波、DXバブル崩壊など世界は常に不安要素だらけ

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11月3日に行われる米大統領選の情勢は混沌としている。

米大統領選を前にして、世界経済に不穏な空気が漂い始めた――。

絆アセットマネジメント代表の小沼正則氏がこう話す。

「問題はトランプ大統領がバイデン氏に得票数で負けたにもかかわらず、敗北を認めない場合です。政治的な空白が生じたり、各地で暴動が発生したりすると、米国の権威が失墜(しっつい)して、株価や国債が暴落する可能性があります。米株価はIT銘柄を中心に高値圏にあり、世界中で急加速しているデジタル・トランスフォーメーション(DX)を背景に膨れ上がったバブルが破裂するかもしれません」

追い打ちをかけるように、この冬には新型コロナの第2波が襲来する危険性が高い。すでに欧州では夜間の外出禁止など、厳しい対策が取られつつある。

「株式市場に波乱要因があるときは、リスクに備えて景気に左右されにくい銘柄に資産を移しておくことも大切です。具体的には、巣ごもり消費が追い風でカップ麺と冷凍食品が好調な日清食品ホールディングスに注目です。また、宝酒造とタカラバイオを傘下に持つ宝ホールディングスも悪くありません。家飲みの需要の高まりで宝酒造は焼酎の売り上げが伸びていますし、タカラバイオのほうはコロナ試薬が伸びていて期待できます」(経済・金融アナリストの津田栄氏)

生活に密着した商品を扱う企業は、景気が悪化しても業績は安定する傾向にあり、そんな企業の株式は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれる。証券ジャーナリストの今野浩明氏が解説する。

「ディフェンシブ銘柄の本丸と言えるのが、医療系の企業です。この先、先進国のほか中国なども高齢化が進むのでニーズは根強い。ペースメーカーやカテーテルなど不整脈関連製品を販売するディーブイエックスや、人工腎臓用透析剤が堅調な扶桑薬品工業に注目しています」

株式アナリストの佐藤勝己氏は、新型コロナ以降、株価が回復していない割安の大型株を推奨する。

「準大手ゼネコンの西松建設は、ダムやトンネルなど、土木工事に実績があり、公共工事を多く請け負うため業績は手堅い。それなのに株価は割安に放置されていて、配当利回りが5.11%と高配当なので長期保有向けです。関電工は主に東京電力グループの電力インフラを担う総合設備会社。携帯電話基地局などのITインフラ整備も手がけるため、5G関連の受注が期待できます」

株の暴落が起これば、ほとんどの銘柄が売られるが、歴史ある優良企業で割安な銘柄は売られにくい特性がある。

「三菱商事はPBR(株価純資産倍率)0.69倍、配当利回り5.52%でかなり割安です。世界的な投資家、ウォーレン・バフェット氏が大量に購入したのも頷(うなず)けます」(証券アナリストの松下律氏)

株式市場の暴落で儲ける

個別株式は短期間で乱高下する可能性があり、虎の子資産での購入に躊躇(ちゅうちょ)する人もいるかもしれない。そんな向きにおすすめなのが投資信託だ。ライフパートナーズ代表の竹内弘樹氏が解説する。

「投資信託はコツコツと積み立てることを推奨しています。やってはいけないのは暴落時に手放してしまうこと。むしろ、暴落時は購入価格が安くなるチャンスと考え、最初に決めたペースで淡々と購入するのが肝心です。
銘柄も定番のファンドをおすすめしています。〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンドは、北米の株に75%、欧州の株に17%ほど投資しています。信託報酬が0.1023%という驚異的な安さに加えて、純資産総額は2000億円を上回っており、今後も安定した運用が見込まれます」

暴落に備えるには、これらのインデックスファンドにバランス型やアクティブ型の投資信託を加えてもいいと、Money&You代表でマネーコンサルタントの頼藤太希氏がアドバイスする。

「国内外の株式や債券、不動産など8資産に分散投資する投資信託、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は信託報酬も安くて、暴落にも強い。積極的に利益を追求するアクティブ型の投信はインデックス型に比べて信託報酬が高いのですが、運用成績が良ければ利益も上がる。資金に余裕があるなら検討してもいいでしょう。セゾン資産形成の達人ファンドは世界各地のファンドを選別して投資しています。信託報酬も1.55%とアクティブ型にしては低めです」

投資信託を通じてなら、一足先にコロナ禍から脱しつつある中国経済に資産を投じることも可能だ。

「UBS中国A株ファンド(年1回決算型)は、成長セクターのリーディング企業11社(9月末時点)に投資しています。過去10年の平均リターンは年率で18.95%という驚異的な数字です」(フィスコ情報配信部アナリストの白幡玲美氏)

こうしたアクティブ型の投資信託は、購入手数料が高い。それならば、株式と同じような手数料で売り買いできるETF(上場投資信託)はいかがだろうか。

「中国は今年から来年にかけて、すでにプラス成長が予測されています。上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300は一段高の可能性もある」(前出・津田氏)

「米大統領選の結果次第では、株とドルが売られるでしょう。そんなときは株価が下がれば価格が上昇する仕組みのETF、NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信を活用する余地がある。ただし、これは短期的なショックに乗じて儲けるための商品ですから、市場が落ち着いたらすぐに手放すほうがいいでしょう。

株やドルが売られたら、その裏返しで実物資産のゴールドが買われる可能性が高い。こちらはまだまだ上がると見られるので、SPDR ゴールド・シェアや純金上場信託(現物国内保管型)は長期投資に最適です」(ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏)

コロナ禍で国内のオフィスや住宅需要が鈍り、不動産投資は低調だが、唯一注目を集めるのが物流施設への投資だ。

「不動産投資信託(REIT)のなかでも、物流施設を保有する日本プロロジスリート投資法人は人気を集めています。大型物流施設に定評があり、将来的にもEC(電子商取引)は伸びていくことから今後も期待できます」(前出・小沼氏)

危機は必ずやってくる。資産を組み替えて今から備えておこう。

日本ではGo To キャンペーンによる新型コロナ患者の増加が危惧される

『FRIDAY』2020年11月13日号より

 

  • PHOTOAFP/アフロ(大統領選) 西村尚己/アフロ(浅草)

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