元『モー娘。』鞘師里保「芸能界復帰した私が目指すもの」 | FRIDAYデジタル

元『モー娘。』鞘師里保「芸能界復帰した私が目指すもの」

グループ卒業後は活動休止して単身ニューヨーク留学へ 一時は引退も考えた元『モーニング娘。』のエース

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10月初旬、本誌インタビューに答えた鞘師。来年5月には『モーニング娘。』卒業後初のワンマンライブも予定されている
10月初旬、本誌インタビューに答えた鞘師。来年5月には『モーニング娘。』卒業後初のワンマンライブも予定されている

「休業期間は、このまま引退するかもしれないという気持ちが、ずっと自分の中にありました」

かつて『モーニング娘。』の〝絶対的エース〟としてグループを牽引し続けてきた鞘師里保(さやしりほ)(22)は、5年にもわたる自身の休業期間をそう振り返る。

’11年に『モー娘。』の第9期生としてデビューを果たし、その高いダンススキルを武器に瞬(またた)く間に国民的アイドルグループの顔となった彼女。マツコ・デラックス(48)や指原莉乃(27)が彼女のパフォーマンスを絶賛するなど、芸能人からの評価も高い。

’14年に不動のリーダーであった道重さゆみ(31)が惜しまれつつグループを卒業し、センターとして更なる活躍が期待されていた鞘師だったが、その翌年突如としてグループからの卒業を発表。表舞台から姿を消したのだった。その当時の心境を、本人はこう振り返る。

「17歳の頃に自分の将来について考えるようになりました。でも、仕事をしながらでは落ち着いて考える時間がなかったんです。私はもともと、一度意思が決まると『これが正しいんだ』と自分自身に押しつけて、考え方が固くなってしまう癖があって。一度全部を取っ払いたいという気持ちで『モーニング娘。』を卒業して、ニューヨークへ留学することを決めました」

卒業後、語学の勉強を経て、渡米。それまで常にグループの一員として活動していた彼女だったが、ニューヨークでは打って変わって、たった一人での生活が幕を開けた。

「実行する前は、海外で一人で暮らしていくことに不安を感じていたかもしれません。でも実行してみたら、『行動すれば良いだけだったんだ!』と気分が軽くなりました。向こうではできるだけエージェントには頼らずに生活すると決めていました。滞在先を自分で探して借りたり、チケットもいろいろなサイトを見て自力で予約したり。一人で外食することもありますし、もちろん自炊も一人。ニューヨークはアジアンスーパーがたくさんあって食事に困ることはなかったです。ダンスのスタジオを探して、レッスンにも通っていました。

日本では普段の生活でも、人前に立っている人間としての意識がずっとあった。ですが、海外ではそういうことはまったく感じず、気楽に生活ができました。『モーニング娘。』にいた頃は団体行動が多くて、その中での人間関係がメインだったりしたんですが、留学中は行く場所もかかわる人も自分次第。自分で考えて行動して、一人で決めるということが今までになかったので、すごく新鮮でした」

留学中に芽生えた復帰への思い

留学生活を満喫する一方で、復帰については常に葛藤の中にあったという。

「ニューヨーク留学は『芸能活動を続けたいのか?』という気持ちを確かめる旅でもありました。だから渡米した時は復帰について考えていなかったんです。ファンの方々には『もう一度会いたいです』と言い残して休業しましたが、それが実現できない可能性はずっと自分の中で持ち続けていました」

そんな彼女の再出発を後押ししたのが、何よりも大好きなパフォーマンスに対する気持ちだった。

「芸能界に戻りたいというより、〝なんらかの形でパフォーマンスをしたい〟という意識がありました。『一緒にやりませんか』と言ってくださる人がいて、そんな縁で今のお仕事をさせてもらってます。ニューヨークで一度全部を取っ払って生活したことで、自分の中で心のリセットができました。また頑張ろうと思える準備をする、すごく大切な時間だったんじゃないかなと感じています」

そうして日本へ戻り、芸能活動を再開した鞘師。これまではアイドルとして歌やダンスを中心に活動していたが、新たなパフォーマンスへの挑戦として、今年9~10月には音楽朗読劇に出演。『黑世界~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期まゆきにまつわる寥々(りょうりょう)たる考察について~』で主演を務めた。

「朗読劇では演出の末満健一さんに『休業していた5年間で培(つち)かってきたものがあると思うから、それを大事にしながら演じてほしい』と言われて、作り込み過ぎずナチュラルに演じるように心がけました。コロナ対策ということで稽古の期間はかなり短くて。台本の量もかなりあったし、ソーシャルディスタンスを守りながらの演技だったので、開幕前は不安も感じました。でも、すごく魂を使ってやりきったなという感じが今はあります」

さらに、10月から放送されているドラマ『あのコの夢を見たんです。』(テレビ東京)では、11月27日放送回の主演を演じる。お笑いコンビ『南海キャンディーズ』山里亮太(43)の短編小説を原作とした今作には、主演の仲野太賀(27)のほか、中条あやみ(23)や池田エライザ(24)などの女優が週替わりでヒロインを務める。

「私にはドラマの経験値が圧倒的にないので、そもそもお芝居を覚えて、演技すること自体が自分の中では挑戦でした。撮影の前日はいろんなことを考えちゃって、緊張で一睡もできなくて(笑)。2日目、3日目で徐々に慣れてきました」

22歳が思い描く未来

今後の野望についてこう語った。

「『モーニング娘。』時代は、歌やダンスを頑張って、それをお客さまに見ていただくというのがメインだったけど、今は気持ちをどう表現するのかというところにまで気が配れるようになりました。お芝居の中で学ぶことがとても多いし、役者業も歌もダンスも『別物だけど同じパフォーマンスだ』と感じています。今は演技の仕事が多いんですが、歌いたいし、踊りたい。ステージに立ちたいです」

はにかむような愛らしい笑顔。しかしその瞳には再び始まる芸能活動に対する強い意志が宿っていた。鞘師里保のパフォーマーとしての旅はこれからも続いていく。

舞台『35MM: A MUSICAL EXHIBITION』の公演直前に撮影。稽古着姿でリラックスした表情を見せた
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本誌未掲載カット 元『モー娘。』のエース 鞘師里保が語る「芸能界復帰、新しい私が目指すもの」
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『FRIDAY』2020年11月20日号より

  • 撮影結束武郎(1枚目)、濱﨑慎治(2枚目)

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