元ジャニーズ逮捕、強盗など急増中「SNS闇バイト」のヤバい実態
恐怖の手口 !実行犯は初対面、連絡は足のつかない携帯電話、カネの受け渡しも対面せず……
10月26日 セクシー女優・里美ゆりあが自宅で被害に
〈一撃案件あります〉
〈高収入で稼げます。リスクは最小限〉
最近、SNS上でこんな投稿が飛び交っているのをご存じだろうか。これらは「闇バイト」の募集。被害急増中の新たな犯罪手口である。
「『闇バイト』と思しき強盗事件の発生数は、昨年の約6倍に及びます。9月には、ガス点検と称して川崎市の民家に押し入って60代の女性を粘着テープで縛り、現金14万円とキャッシュカードを奪ったとして、元ジャニーズJr.の大貞太子被告(28)が逮捕されました。同様の手口は頻発しており、背後に指示役がいると見られています」(全国紙社会部記者)
さらに10月には、有名人が「闇バイト」によるものと見られる被害にあった。セクシー女優の里美ゆりあさん(35)が住む目黒区のタワーマンションに10代の少年3人が宅配業者を装って侵入し、現金約600万円を奪ったのだ。
強盗の恐怖を里美さんが振り返る。
「インターホンが鳴り、宅配業者の制服を着た男性が立っていたので、何の疑問もなくオートロックを開けました。すると2人組の男が、『金を回収しに来た。家に1億円あるだろう』『俺らは上の人間に指示されただけだから』と言って押し入ってきて……。犯人は終始、イヤホンで誰かと電話で話をしていて、強盗の様子を中継している感じでした。私が『お金はない』と言うと『ここにないなら知人の家にあるんだろう』と凄(すご)んできた。たぶん、電話の相手が言っていることをそのまま私に言っていたんだと思います。犯人との面識はありませんでした」
なぜ、「闇バイト」はこれほど横行しているのか。その理由は、募集をかける側である犯罪組織にとってメリットがあるからだ。
「リクルーター側と実行犯が最後まで互いに顔を合わせずにカネの受け渡しまで完了するのが、『闇バイト』の最大の特徴。これなら、仮に実行犯が逮捕されても、リクルーター側までは手が及ばない。警察がいくら黒幕を聞き出そうとしても、知らないものは知らないからね」(半グレ関係者)
「闇バイト」とひとくくりで呼ばれているが、その内容は多岐にわたる。事情をよく知る別の半グレ関係者が明かす。
「募集は隠語を使って行われている。『S』は詐欺。『UD』は特殊詐欺の受け子と出し子。タタキと呼ばれる強盗は『T』。手に入る金額が大きいものは、『一撃』という隠語で募集をかける」
〈100万円プレゼント〉など、怪しい企画の投稿が「闇バイト」の入り口になっていることもあるようだ。
「そこに応募してきた奴に、『残念ながら今回は当たりませんでした。でも、他に良い仕事がありますよ』なんて呼びかける。だいたいカネに詰まった奴らだから、乗ってくるんです。まあ、強盗の場合は度胸が必要だから、『T』募集に自ら応募してくる奴のほうがいいけどね」(同前)
集まった実行犯とのやり取りは、足のつかない携帯か、「テレグラム」や「シグナル」という匿名性の高いアプリで行う。
「『T』は基本的には3人1組。実行犯が2人で見張り&運転役が1人。もちろん当日まで全員顔を合わすことはない。そのほうがお互いを警戒するから、カネを持ち逃げする可能性が低くなる。担保として、免許証の写真を送らせたり、実家の住所を聞いておくのもよくある方法です。標的となるタタキ先は情報屋から買う。『あそこの家には1000万円の現金がある』『高級な腕時計をしているから金品はある』といったものです。
犯行の様子は必ず動画で撮影させる。これなら金庫にいくら入っていたかを把握できる。金品の受け渡しは公衆トイレの個室などを指定して、顔を合わせないために扉は開けずに下の隙間から受け取る。取り分は募集側と実行犯側で折半。情報屋に払うのは報酬の2割程度ですね。足がつかない自信があるから、リクルーターは同時進行でいろんな『闇バイト』を持ちかけている」(同前)
犯罪組織の間でも、デジタル化は進んでいるのだ。
9月29日 元ジャニーズJr.が強盗で逮捕


『FRIDAY』2020年11月20日号より