三田友梨佳アナのメガネ出演から考える女子アナ「服装の不文律」 | FRIDAYデジタル

三田友梨佳アナのメガネ出演から考える女子アナ「服装の不文律」

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フジテレビのエース・三田友梨佳アナウンサー。報道番組『FNN Live News α』だけでなく、『Mr.サンデー』でもキャスターを務める(写真は『FRIDAY』2020年2月14日号より)
フジテレビのエース・三田友梨佳アナウンサー。報道番組『FNN Live News α』だけでなく、『Mr.サンデー』でもキャスターを務める(写真は『FRIDAY』2020年2月14日号より)

フジテレビの三田友梨佳アナウンサーが、先週「FNN Live News α」に突然メガネをかけて登場し、ネットで話題になっている。

「なぜ突然メガネなのか」「似合っていてカワイイ」など様々な声が上がる中、本人が公式Instagramのストーリーズで「痛みが酷かったので病院に行ったら目の表面に傷が入ってしまっているそうで、しばらくコンタクトがつけられないため眼鏡の日々が続いています。みなさんも、ドライアイの方は特に、お気をつけください」と理由を説明し、記事にもなった。

このことでふと思った。別にアナウンサーが番組出演の際にメガネをかけようがかけまいが、個人の自由で好きにすればいいのに、なぜ話題になるのか。

そして、その理由を本人があえて説明しなければならないのも、よく考えれば「それほどのことなのか」という気もする。もちろん三田アナはフジテレビの女性アナウンサー人気ランキング2位と報じられるほどの人気者だし、とてもメガネが似合うので、評判になるのは分かるのだが…。

実は、日本の女性アナウンサーには、メガネをかけている人はほとんどいない。

2019年11月に「NHK NEWS WEB」は「女性はメガネ禁止?」と題した記事の中で、「(NHKの)ホームページに載っている女性アナウンサーで、メガネをかけている人は…確かにゼロ」と書いている。在京キー局のホームページを見ると、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビとすべての局でメガネをかけたプロフィール写真の女性アナウンサーはひとりもいない。

2019年8月に慶應義塾大学医学部が行った調査によると、都内小学生の約80%、都内中学生の約95%が近視であるにもかかわらず、だ。男性アナウンサーはメガネをかけている人も多いのに、なぜ女性アナウンサーはメガネをかけないのか? そこには「メガネをかけてはいけない」という不文律でもあるのだろうか?

そういえば最近「受付の女性や接客業の女性には、メガネをすることを禁止されてる女性がいる」という記事が話題になったこともある。気になったので、とある在京キー局OGの女性アナウンサーに聞いてみた。

Q:女子アナがメガネしてるのってほとんど見たことないんですが、しちゃいけないみたいな不文律があるんですか?

A:ないですよ。ない方が可愛いからじゃないですかね。メガネはどうしても、かけるとかけないで比べると地味に見えますよね?

…瞬殺で「不文律の存在」は否定された。そういえばかつてテレビ朝日の萩野志保子アナウンサーは大量のメガネのコレクションを持っていることが評判になったし、メガネをかけてよく番組に出演していた。フリーアナウンサーの唐橋ユミさんは赤縁のメガネがトレードマークだ。「メガネ女性アナ」もいなくはない。

では、ニュースを読むときに「女性アナウンサーが避けるべきファッション」の不文律は他にもあるのか。現役のキー局女性アナウンサーに聞いてみた。

「肌が露出しすぎてたり、派手な柄とかはダメですよね。私は、(奇抜だと思われないように)アシンメトリーなデザインもやめてますね。あとはアクセサリーで、クロスとかもしないようにしてます。前髪は目にかかるようなのはダメかなあ。髪は清潔感ないとダメですよね、派手に巻いてたりすると注意されます。あと唇にぺかぺかにグロス塗ってたりしてもダメ」

大きなアクセサリーがNGなのは予想がつくが、「クロス(十字架)」がダメなのは、特定の宗教に偏っている印象を持たせるからだろうか。そして「死」を想像させるからだろうか、興味深い。この他の人からも「前髪を下ろすのはダメ」「真っ赤な口紅はダメ」などの意見が多く聞かれた。

女性アナウンサーを多く手がけるベテランスタイリストの女性にも「ファッションの不文律」を聞いてみた。

「不文律…というか、女性アナウンサーの衣装で絶対に気を付けなければならないことは2つですね。ひとつは『清楚に見える』こと。胸をあまり強調しないようにすることなどは必ず求められます。もうひとつは『体型の欠点をカバーする』こと。女優さんやタレントさんと違って、女性アナウンサーの方は体型がそこまで良いわけではないので、コンプレックスを持っている人が多いです。『二の腕が太い』と気にしている人がかなりいて、ノースリーブはほぼアウト。『首が短い』のを気にしている人も多いです」

そこまでしなくとも…とも思うが、とにかく「上品な印象を与えること」そして「体型をカバーすること」が大切なようだ。ただ、そうは言っても悩ましいこともあるという。

「『上品に! 清楚に!』と女性アナウンサーさんからお願いされるので、ベーシックなものを用意することが多いのですが、そうすると今度は『可愛くない』と言われてしまうんですよね(苦笑) 。なかなか兼ね合いが難しくて…」

では、メガネを女性アナウンサーがかけない理由をどう思うか? このスタイリストの女性に聞いてみた。

「顔が隠れるのが嫌だからじゃないでしょうか? 女性アナウンサーの方は容姿に自信がある人が多いですから。あと、レンズが光を反射してしまうというのもありますよね。まあそれは男性アナウンサーも同じなんですけどね」

女性アナウンサーたちが日々いろいろなことに気を遣いながら画面に登場するファッションを選んでいることが、生の声を聞いて非常によくわかった。そして彼女たちが、メガネをかけて出演しようが、コンタクトで出演しようが、自分の好みだけで堂々と好きな方を選べるのが本来あるべき姿だということを、再確認することができた。

  • 取材・文鎮目博道/テレビプロデューサー・ライター

    92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教関連の取材を手がけた後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島取材やアメリカ同時多発テロなどを始め海外取材を多く手がける。また、ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、放送番組のみならず、多メディアで活動。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究、記事を執筆している。

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