高倉健さん 福岡の菩提寺で執り行われた「七回忌法要」に密着
唯一無二の国民的スターが亡くなって、あっという間に満6年の月日が流れた。墓所や遺骨をめぐる問題が解決していないため、余計にそう感じるのだろうか。
今年の11月10日は、高倉健さん(本名・小田剛一、享年83)の七回忌だった。
健さんが亡くなった後、突如として表舞台に現れた養女・小田貴たかさんは、親族や親しいスタッフに知らせることなく、密葬を執り行った。40億円と言われる遺産はすべて彼女が相続。さらに健さんが生前に購入した墓地を取り壊して更地にし、健さんの実妹・森敏子さんらが分骨を求めても応じなかった。健さんと親交があった映画関係者はこう明かす。
「線香を上げる場所を知りたいと小田さんに直接聞いたことがあるんです。すると彼女は『海に散骨しました。海に向かって手を合わせてくれれば』と。どこの海なのかと聞いても、『世界中の海はつながっています』と言うばかりでした。やり切れない気持ちでいっぱいですよ」
養女と親族の間に確執が残るなか、実妹・敏子さんらは健さんの地元、福岡県中間市にある小田家の菩提寺「正覚寺」で七回忌の法要を開いた。当然のように小田貴さんの姿はなかった。この法要に参列した、『高倉健 隠し続けた七つの顔と「謎の養女」』(講談社文庫)の著者でノンフィクション作家の森功氏はこう語る。
「敏子さんと甥の小田剛生さんに加え、姪御さんらの御親族や地元在住の元東映のプロデューサー、高校の後輩などごく近しい人たち20人ほどが集まりました。もともと月命日には、地元におられる御親族はお参りをされており、その延長線上で七回忌の法要も行われています」
正覚寺の境内には健さんの記念碑が建立されている。命日の前には多くのファンが訪れ、健さんがコーヒー好きだったことから、缶コーヒーを記念碑の前に供えていく。七回忌の当日も、お寺にお参りするファンが絶えなかった。
森氏は法要の後、養女が管理していた遺骨について敏子さんと話をしたという。
「敏子さんは『どこにあるのか今もわからない』と言っていました。散骨されたという話も伝聞で耳にしているだけで、『私はそれについても一切わからないまま』と。養女に対する不信感は収まっていないでしょう。記念碑を建てたのは『ファンの方にお参りしてもらう場所を提供する思いで作りました』と話していました。実際、北海道からもファンの方たちが来られているそうです。今、高倉健に手を合わせられる場所は正覚寺しかありません。ファンは全国から集まり、御親族はそれに応えようとしています。
七回忌が終わって、今後、敏子さんたちが養女に対してあらためて何かを要求するということはないと思われます。一方の小田貴氏は、高倉健の遺産である放映権や著作権で引き続きビジネスをしていくのでしょう」(森功氏)
天国にいる健さんはどんな気持ちで、七回忌を見守ったのだろうか――。
11月13日(金)発売のフライデーでは、健さんの生前の秘蔵ショットを掲載するとともに、七回忌法要の様子を詳報している。
PHOTO:濱﨑慎治