『家事ヤロウ!!!』出演芸人が芸歴に関係なく躍進を遂げるワケ
数あるバラエティー番組の中で独自路線を歩み、人気を集めている『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)。バカリズム、中丸雄一(KAT-TUN)、カズレーザー(メイプル超合金)の家事初心者による家事をゼロから学ぶ番組だ。
この番組から生まれたのが、飲食店のバイトをしすぎてプロ並みの腕前にまで成長してしまった「バイトしすぎ芸人」。「芸人バイトしすぎ王No.1決定戦(BS-1)」の初代優勝者のポンポコ団のキングと2代目優勝者のハルカラの浜名ランチの2名は、漫才やネタではなく、料理という特技をいかして、「芸は身を助ける」を実践している。
公式インスタグラムは、 バラエティー番組フォロワー数ダントツ1位の134万人!!!
『家事ヤロウ!!!』は、2018年の春にスタートした番組で、昨年の秋の改編で水曜ネオバラエティ枠に昇格した、今、勢いのある番組のひとつ。家事が得意とは言えないMC3名が、SNSでバズったレシピに挑戦したり、家事が得意な芸能人などから家事テクを学んだりして、少しずつ成長していくのを見守るというほのぼのバラエティーだ。
公式インスタグラムは、現在登録者数が134万人をこえており、日本のバラエティー番組におけるフォロワー数はダントツ1位。アップされている画像には、番組の裏話や出演者たちのオフショットは見当たらず、番組内で放送された美味しそうなレシピがズラリと並んでいる。
さらに、放送中に紹介された料理のレシピがリアルタイムで更新されていくシステムも斬新だ。どこまでも家事初心者に寄り添うスタイルを貫いている点が、人気の秘密なのだろう。
そんな同番組で、今年のはじめに放送された「芸人バイトしすぎ王No.1決定戦(BS-1)」で優勝を飾り、いつの間にか同番組の準レギュラーとなったのが、前述したポンポコ団のキングとハルカラの浜名ランチの2人。特に、初代優勝に輝いたキングは、「グランメゾン・キング」というコーナーで、ゲストを手作り料理のフルコースでおもてなしして虜にしている。
番組出演後のそれぞれの活躍
『家事ヤロウ!!!』出演後、キングは『dancyu(ダンチュウ)』、『クックパッド』で取り上げられるといった快挙をなしとげた。また、名古屋テレビのオンラインコンテンツ『ポンポコ団のなんでもグルメ』もスタートするなど、芸歴2年目の若手とは思えない活躍ぶりを見せている。
一方の浜名ランチは、デイリースポーツ新聞で『ハルカラ浜名 おうちランチ』という不定期連載を開始。ほかにも、『ヒルナンデス』(日本テレビ系)で、サイコロの目×100円で作る料理対決「サイコロレストラン」というコーナーにも出演している。
そんな、若手芸人とは思えない快進撃を続けるキングと浜名ランチだが、11月4日の放送では、2人のプライベートな1シーンも見られた。
2人に季節の食材を送ったら、どんな料理を作るのかをのぞき見するというコーナーの中で、キングが料理している最中に、ポンポコ団のほかの2人が先輩芸人の親指ぎゅー太郎から、「キングの足を引っ張らないよう、食レポくらい頑張れ」とマジのダメ出しを受けている様子が流れた。そして、緊張の食レポ。2人そろっていいコメントが出てこず、キングは頭を抱える事態に……。
浜名ランチは、今年出産したばかりの相方・和泉杏(夫はお笑いトリオ・ハナコの菊田竜大)から、1人でも活動してハルカラを守っていることを感謝されてマジ泣き。
それまでは、
しかし、この放送回で、
料理上手芸人の本業はと言うと……
料理が上手な芸人以外の人間らしい一面を出したキングと浜名ランチだが、気になるのは本業である芸人としての活動だろう。
キングは吉本興業所属の芸歴2年目のトリオ。そろそろ『M-1グランプリ』の時期ということもあり、親指ぎゅー太郎から質問されると、今年はいいネタができなかったのでエントリーしなかったとのこと。言い訳せずに頑張れと叱咤(激励)を受けた。
浜名ランチが組んでいるハルカラは、ケイダッシュステージ所属の女性お笑いコンビで、昨年の『第3回女芸人No.1決定戦 THE W』で決勝進出を果たしている。今年は相方の和泉が出産したこともあり、コンビとしての活動はしばし休業していたが、7月から活動開始したとのこと。
漫才・コントといったお笑いではなく、特技の料理を生かして仕事を呼び込んでいる2人。今度どのような活躍を見せてくれるのか注目だ。
- 文:安倍川モチ子
WEBを中心にフリーライターとして活動。また、書籍や企業PR誌の制作にも携わっている。専門分野は持たずに、歴史・お笑い・健康・美容・旅行・グルメ・介護など、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。