剛力彩芽がガストで本心激白「失敗から始まる私の挑戦」
フォーリンデブはっしー氏が切りこむ!長かった下積み時代、SNS炎上、事務所独立……
剛力彩芽:やっとお会いできましたね!
フォーリンデブはっしー:私のインスタグラムにたくさん「いいね!」していただいて、ありがとうございます!
剛力:何回か、はっしーさんのインスタを見てお店を予約しましたよ。お料理の写真がすごく美味しそうだし、個室の有無など情報が詳しくて便利で。
はっしー:「見てるだけで胃もたれするインスタ」って呼ばれています。脂身に余る光栄です!
ブログのアクセス数は月間数百万、美食に特化したインスタのフォロワー数は26万人超を誇る「グルメエンターテイナー」はっしー氏。剛力と氏を繋いだのは「食」だった。ツラいことがあっても、美味しいものを食べれば笑顔になれる。それが二人の共通項だ。「逆境をはね返すパワーフードは何か?」。この問いに対する剛力の答えは『ガスト』目黒店の「山盛りポテトフライ」だった。
剛力:すぐ近くの日出高校の芸能コースに通っていたんです。ぶっちゃけ、当時はお金もなかったし……。『ガスト』さんはお値段が良心的なうえ、割引クーポンも使える。当時はクーポンを利用するために別にもう一品注文しなくちゃいけなかったんですけど、他のメニューも安い。友達と「山盛りポテトフライ」を分け合いながらサラダを食べても数百円!
はっしー:山盛りだからこそシェアできる。童話の『一杯のかけそば』みたいですね(笑)。かなり通われたんですか?
剛力:多いときは週4。定期券があったから、休日も友達と来ていましたね。「目黒の『ガスト』集合!」って。
はっしー:当時はまだ、デビュー前?
剛力:私、10歳のころから芸能事務所に入っていて、当時は雑誌の『セブンティーン』に出させていただいていましたけど、役者としてはデビュー前ですね。
はっしー:日出高校は生徒に芸能人の方が多いイメージがあります。
剛力:たくさんいて、オーディションがどうだったとか、次の出演作品が決まったとか、いろんな話をしていました。一緒に喜んだり、励まし合ったり。
はっしー:「この先、芸能人として世に出ていけるのか」と不安になったり、悶々(もんもん)としたりもしたんでしょうね。
剛力:ちゃんと芽が出て、芸能一本でやっていけるのかっていう不安はもちろんありました。実際、ドラマや映画のオーディションをたくさん受けさせていただきましたけど、落選続きでした。「中学生役としては大人っぽすぎるし、高校生役としては若すぎる」とか、努力だけではどうにもならない理由で落ちたときは悔しかったですね。日出高校は私立高だから、正直、学費も安くない。親にお願いして通わせてもらっていた身で、勉強と両立させるという約束でしたから。
はっしー:プレッシャーですよね。そういう恵まれた環境を用意してもらっているからこそ、頑張んなきゃいけない。それで、苦しくなったときに『ガスト』に立ち寄ったわけですね。
剛力:本当にそう! ポテトフライは元気の源(みなもと)。食べているそばから、身体にパワーがみなぎってくる。
はっしー:ポテトフライの魅力とは?
剛力:じゃがいもはもちろん、ケチャップとお塩がすごく好きで、それがいっぺんに食べられること。やわらかいのも、カリッとしたのも好き。
はっしー:わかります~。端っこのカリカリが意外と美味しかったりね。食べ方にこだわりはありますか? ケチャップとマヨネーズが一緒の器に盛られて出てきますけど、時々ケチャップを多めにして変化をつけるとか。
剛力:私は常にど真ん中! ケチャップとマヨネーズの境目にポテトを付けて食べますね。あはは!
はっしー:境目を守って食べる(笑)。
剛力:本格的に役者としてデビューできたのは18歳になってからでした。「下積みが長かったね」って言われるんですけど、逆境だとは思ってなかったですね。ツラいって思ったことはないです、勉強以外は(笑)。もちろん、友達とは芸能という同じ目標がありましたから、ヤキモチや「負けないぞ!」という気持ちはそれぞれあったと思います。でも、それを学生のうちに経験できてよかった。
はっしー:大変さも楽しもう、という考え方ですね。楽しみながら頑張ったご褒美がポテトフライだと。
剛力:いまだに元気をもらっていますからね。現場の合間にテイクアウトさせていただいていますし、撮影が長引いたり、うまくいかなかったときは「ちょっと、ポテトフライ食べようか」ってなります。
はっしー:いまでも⁉
剛力:好きすぎて、冷蔵庫に冷凍ポテト500gのストックが2袋ありますから。家で食べ始めたら終わりだな(笑)
過去に自らのプライベートをインスタで公開して炎上したこともあったが、「自分で蒔(ま)いた種ですから、炎上させてしまった事実はしっかり受け止めています」と前を向く。
剛力:「剛力ちゃん応援するよ」って言ってくれる人もいた。何があっても「剛力ちゃん、今日も頑張ってね」とか「おはよう」とか、何気ない一言を常にくれる。そういうファンの方たちにかなり救われましたね。家族や友達、仕事関係の人もそうですが、私のそばには言いたいことを言い合える人がいた。それも大きかったなと思います。
はっしー:独立自体はいつごろから考えていたんですか?
剛力:独立を考えていたというより、SNSが流行り始めたころに「これから芸能界は変わる」と思ったんです。個人で発信できるし、仕事の交渉も自分でできるじゃないですか。「自分がもっともっと成長していくためにはどうすればいいんだろう」って考えるようになった。それが22~23歳くらいのころです。
はっしー:衝動的に決めたんじゃないんですね。
剛力:正直、新型コロナに背中を押された部分はあります。「こんな状況だからこそチャレンジしなきゃ」と決断できた。
はっしー:実は僕も独立したんですよ。16年間勤めた電通を3月末に辞めて、いまフリーでやらせていただいています。
剛力:どうですか、心境は?
はっしー:不安もありましたけど、独立するといろんなところからいろんなお話がいただけるようになって、世界が広がりましたね。喧嘩別れしてないから、電通の先輩とか仲間からもお仕事をもらえています。旅立つことはけっしてネガティブじゃない。新たなチャレンジとして応援してくれる時代ですし、うまく共存共栄、ウィンウィンになっていけたらいいのかなと思います。僕も頑張んなきゃ。
剛力:私は「剛力、社長になったんだって?」と皆さんが関心を持ってくださっているうちに、いろいろと仕掛けていかなきゃって思っています。
はっしー:年末は舞台『№9-不滅の旋律-』(12月13日~・TBS赤坂ACTシアター)でベートーヴェン(稲垣吾郎)を支えるマリアを演じるそうですね。
剛力:ベートーヴェンこそ、逆境を乗り越えた音楽家ですよね。コロナ禍のいまだから、ベートーヴェンと彼の周りで生きた人たちの姿を観てもらえたら、勇気とか希望みたいなものを届けられるんじゃないかって思っています。映画にも挑戦したいな。とにかく芝居がすごく好きなので、役柄の幅を広げたいです。
はっしー:自分が監修したポテトフライを作ってみたいとかは?
剛力:……いや、いい。いまあるポテトフライたちには勝てないよ(笑)。でも楽しいだろうな。最近、初めてお洋服のデザインとブランドのプロデュースをさせていただきました。お洋服を作ってみたいと思ったのは昨年末ぐらいなんですけど、口に出し、言葉にしたことで「一緒にやろう」と言ってくださる会社が現れた。夢は口に出すことが大事。そしてチャンスが巡ってきたら、怖がらず挑戦する。これも大事だと痛感しました。
はっしー:自分の判断一つでいろんなことにチャレンジできる。独立して社長になったからこその強みですよね。
剛力:独立のご報告をしたとき、「すごく不安です」と言う私に、皆さん「いいんだよ、失敗して。失敗は成長に繋がるから」と言ってくださいました。いままでは失敗する前に誰かが守ってくれた。あるいは失敗だと思わせないように誰かがカバーしてくれていた。今後、失敗は全部、自分に降りかかってきます。だけど、そこからどう立ち上がるか。それが私の挑戦、そして楽しみなんです。
『FRIDAY』2020年11月27日号より
- 撮影:村上庄吾