三浦さん、竹内結子さんに続き窪寺昭さんも…舞台の深刻な窮状 | FRIDAYデジタル

三浦さん、竹内結子さんに続き窪寺昭さんも…舞台の深刻な窮状

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コロナ禍の影響で観客はシート越しに演劇を鑑賞。役者はマスクをしている。今年10月撮影(画像:アフロ)
コロナ禍の影響で観客はシート越しに演劇を鑑賞。役者はマスクをしている。今年10月撮影(画像:アフロ)

11月13日、俳優の窪寺昭さん(享年43)が自宅で亡くなっているところを発見された。自殺とみられている。三浦春馬さん(享年30)、芦名星さん(享年36)、竹内結子さん(享年40)らに続き、またもや俳優を職業とする人が自ら命を絶ったことで、多くの人たちがショックを隠せないでいる。

窪寺さんの主戦場はテレビや映画ではなく、舞台だった。コロナ禍の前は、2.5次元俳優の人気もあって、舞台界は空前のブームが起こっていた。人気作品のチケットは即完売、公演日には会場の外に出待ちするファンが溢れ返っていたほどだ。

それが一転、緊急事態宣言が発せられると多くの舞台公演が中止に。宣言解除後もイベントの収容人数に規制が設けられたため、元通りには程遠い状態が続いていた。苦労しながらも何とか撮影を終えられれば、あとは通常通り放送できるテレビと違い、舞台は1回1回の公演が勝負だ。そこで集客ができなければ、もろに俳優たちの収入に響いてくる。窪寺さんが亡くなった背景には、そういった事情もあったのだろうか……。

想像を絶するプレッシャー

そこで舞台関連雑誌のカメラマンで、自身もファンである女性に事情を聞いてみた。

「4、5月の舞台は本当に細々と……という感じでした。自粛が空けてからも人数規制が設けられていて、1席ずつ空けての収容でしたから、採算がとれていたのかは疑問です。

ただ最近は座席規制も緩和されてきて、10月ぐらいからはかなり活気を取り戻していました。先日観に行った会場などは、アリーナだけ1席ずつ空けていて、他は通常通り座っていましたし。完全復活とまではいきませんが、舞台を配信で流すところも増えているので、収益もかなり戻ってきたところもあるのではないでしょうか」

しかし2.5次元舞台ファンの雑誌編集者に聞くと、違う事情も見えてくる。

「いくら集客が元通りになってきていたとはいえ、感染者が一人出ると、舞台そのものが中止になるかもしれません。そうすると出演のギャランティが見込めないだけでなく、舞台俳優は稽古中もバイトができないため、かなり長い期間無収入状態となってしまいます。

そのせいなのか最近、セルフプロデュースの洋服やアクセサリーを積極的に売る俳優が増えた、という印象があります。周囲が思っている以上に、俳優たちの懐事情は厳しいのかもしれませんね」

また前出のカメラマンによると、精神的なプレッシャーも、舞台俳優のほうがテレビ俳優より圧倒的に大きいだろうと心配する。

「共演者に感染者が出ることで、舞台はいつ中止になるか分からないという綱渡り状態で運営されています。中止になれば収入面のダメージはもちろんですが、それ以上に、長く辛い稽古が無駄になった……という精神的ダメージにも襲われます。役者にとっては、むしろこちらのほうがダメージが大きいかもしれません。

そのため、俳優たちの『絶対に感染できない』というプレッシャーは想像を絶するものがあると思います。結果、外出を控え、稽古場と家の往復の日々を送るようになる。プレッシャーはすごいのにそのストレスの発散しどころはないという状態。これではどんなにメンタルの強い人でも、精神的に参ってしまうのではないでしょうか」

そんな彼らの希望を打ち砕くようにコロナの第三波は勢いを増しており、イベントの人数制限緩和も2月末まで延期することが発表された。今は負の連鎖がこれ以上続かないことを、ただ祈るしかないのが実情だ……。

  • 取材・文奈々子

    愛媛県出身。数年間の会社勤務を経てフリーライターに。女性誌や週刊誌でタレントのインタビュー、流行事象の分析記事を扱う他、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 写真ロイター/アフロ

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