豆柴の大群の生みの親 クロちゃんが語る「アイドル育成のウラ側」
「イベントでゲームに負けたりすると罰ゲームがあるんですが、人生初のバンジージャンプをやらされた時は本気で泣きました。私、高所恐怖症なんですよ。死ぬかと思った……」
こう語るのは、アイドルグループ「豆柴の大群」(以下、豆柴)のメンバー、カエデフェニックス(22)だ。
豆柴は、TBSのバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』の企画「MONSTER IDOL」から誕生したユニット。19年12月19日に発売した1stシングル「りスタート」が、いきなりオリコン・ウィークリーランキングで1位になるなど注目されている。当初はアイカ(その後改名しアイカ・ザ・スパイ、21)、ナオ(ナオ・オブ・ナオ、21)、ハナエ(ハナエモンスター、19)、ミユキ(ミユキエンジェル、20)の4人で活動していたが、同年12月25日から、一度は選考に漏れた前出のカエデを加え5人となった。ナオが話す。
「振付やライブの構成、立ち位置なども自分たちで考えているので大変です。スタッフは厳しいので、直前にダメ出しされることも。イベントもライブも罰ゲームも全力でやる、ガチのアイドルを自認しています」
彼女たちはオーディションや、沖縄での合宿選考を勝ち抜いた精鋭メンバーだ。豆柴の初代プロデューサーは、お笑いトリオ「安田大サーカス」のクロちゃん(43)。実はクロちゃん、自身もアイドルを目指したこともある筋ガネ入りのオタクなのだ。クロちゃんが話す。
「大学生の時、教育実習で小学校に行ったんです。子どもたちの前で歌をうたったらウケましたね。それがキッカケで、アイドルに興味を持つようになったんです。
ボクが作りたかったのは、王道のほんわかしたアイドルグループ。小・中学生にヒラヒラしたスカートをはかせ、キャピキャピさせたかった。でも豆柴のメンバーは、20歳前後でしょう。あまり可愛さを強調すると、ちょっとダサくなってしまう。だからキャピキャピ感は抑えました」
いきなり解任……
念願のアイドルプロデューサーになったクロちゃん。だが19年12月、その職を解かれてしまう……。1stシングル「りスタート」をクロちゃんの進退をかけ、「続行ver」「解任ver」「解任&罰ver」の3形態で発売。「解任&罰ver」が、もっとも売れてしまったのだ。
「も〜ありえないことが起きました。ア然としましたよ。批判を浴びていたのが、カエデを落としたこと。でも、これには明確な理由があるんです。ボクは一人の男としてカエデとつき合いたかった。だからプロデューサーとして、誠実な態度を貫いたと思っています。自分が応援しているアイドルが、スタッフと男女関係になったらファンは納得いかないでしょう。結局、カエデには振られてしまいましたが……。
カエデの歌とダンスが、レベルに達していなかったのも事実です。お披露目まで時間がなかったから、じっくりと育てるわけにもいきません。即戦力以外の候補生は、外さざるをえなかったんです。ボクは、アイドルは総合力だと思っています。可愛いだけじゃなく、歌も踊りもできないとダメだと思うんです」(クロちゃん)
「親と子の関係に似ています」
現在は、アドバイザーとして豆柴をサポートしている。
「久しぶりにメンバーに会うと、照れてうまく話せないものですね。彼女たちも素っ気ない態度をしたりして。プロデューサーとアイドルは、親と子の関係に似ています。プロデューサーは惜しみなく愛情を注ぎますし、どんなに離れていても気になるものなんです。
今でも気づいたことがあれば、メンバーにLINEを送っていますよ。『トークではゆっくり話したほうがいいよ』『挑戦することが大事』とね。ただ、親の思い子知らず。返信が遅いとヤキモキさせられます」(クロちゃん)
新型コロナ禍の影響で予定が延期となり、今年10月ようやく初のワンマンライブを行なった豆柴。メンバーのナオが抱負を語る。
「まだデビューして1年も経っていません。もっともっとビッグになりたいです。夢は東京ドームを満員にして、ライブを行うことです」
可愛いだけでなく、カッコよさも兼ね備えた豆柴。「りスタート」の作詞作曲も手がけたクロちゃんが、今後の活躍を期待する。
「今はアイドル戦国時代。スグに結果が求められますが、何事にも思い切りぶつかってほしい。そして、大ブレイクしパパを楽にさせてください。印税で、安定した老後を送りたいです。豆柴ならできる!」
ほとばしる情熱があれば、クロちゃんがプロデューサーに復帰する日は近いかも!?
- 撮影:会田 園