残業代未払いに勤務記録改ざん…逆境の富士そば「起死回生の一手」 | FRIDAYデジタル

残業代未払いに勤務記録改ざん…逆境の富士そば「起死回生の一手」

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首都圏を中心に120店舗以上展開する富士そば。3杯分の「富士山盛り」が630円と値段もリーズナブル

実際には働いていたのに、休んだことにするよう役員が指示。社員18人が未払いの残業代約2億5000万円を求め労働審判を申し立てーー。

立ち食いそばチェーン「名代 富士そば」を運営するダイタングループには、このところネガティブな報道が続いている。富士そば労働組合が11月13日に開いた会見によると、月200時間を超える残業が続いても役員の指示で勤務記録を改ざん。精神の不調を訴えた社員が、降格させられるケースもあったという。

ダイタンホールディングスは、勤務記録の改ざんについて「悪しき風習があった」とコメントを発表。すでに是正したとしたうえで、「裁判所の手続にも適切に対応していく。労働時間管理のあり方について継続的に改善を図ってまいります」と答えている。

経済ジャーナリストの松崎隆司氏が語る。

「富士そばの特徴は現場主義です。店長の裁量が大きく、店舗の客層に合わせて異なるメニューを出せるなどのメリットがあります。反面、現場の負担が大きくなる。200時間を超える残業など当たり前。売り上げを達成するために、各店舗は相当なムリを強いられていたようです」

報道によりブラックなイメージが定着しつつあるが、もともと富士そばはホワイト企業として有名だった。ダイタンホールディングスの丹道夫会長(84)が、富士そばを創業したのは72年3月。八百屋での丁稚奉公などを経験してから、36歳で立ち上げた。松崎氏が続ける。

「道夫氏は、よくこう話しています。『ブラック企業は損している。社員の待遇を良くすればみんな働く。社員をランク付けする成果主義はやらない』と。実際、パートやアルバイトにも有給休暇を与え退職金を払うなど、従業員への待遇は良かったと思います。

状況が変わったのは、80歳になったのを機に道夫氏が息子の有樹氏に社長職を譲った15年ごろです。国内120店以上と多店舗化を進める一方、人手不足が深刻化。少ない人数で店を回さざるを得ず、現場の負担がどんどん大きくなっていきました。素材などを一括して工場から送るセントラルキッチン方式を導入したり、AIを活用し労働負担を減らすなどしないと問題は解決しないでしょう」

ライバル店の社長が試食

追い打ちをかけたのが、感染拡大する新型コロナウイルスだ。富士そばの売り上げは18年約105億円、19年107億円と順調に伸びていたが今年に入り暗転。来客数が激減し、3月の売り上げは前年同月比8割、4月と5月は4割と落ち込んだ。9月は7割と盛り返したものの、他の外食産業同様、富士そばも大打撃を受けている。

だが、富士そばも無策でいるわけではない。復活に向け起死回生の作戦を実行してるという。

「11月から、カップ麺を大々的に販売し始めたんです。外食がダメなら、家での食事で勝負しようという発想でしょう。メニューは紅生姜天そば。19年に期間限定で発売し売り切りが続出。急きょ増産したという人気商品です。

しかも今回は立ち食いそばのライバル『ゆで太郎』の池田智昭社長に試食してもらい、感想を聞くという大胆なPRも。公開されたリリースで池田社長は、『富士そばの店で食べるより美味しい』と笑っていました。麺は60gと少なめで、油で揚げないヘルシーなノンフライ。価格も240円と安く、女性にもヒットしそうです」(全国紙経済部記者)

残業代未払い報道にコロナ禍……。立ち食いそばの雄が、乾坤一擲のカップ麺発売で逆境を乗り越えられるか。

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