世界同時株高のいま、狙うべき「復活バリュー銘柄」

新型コロナで沈んだ企業に復調の兆し

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東京ではピーク時に迫る勢いで新型コロナの新規感染者が報告されている。(写真:アマナイメージズ)

株式市場の流れが変わった。11月6日、日経平均株価は実に29年ぶりにバブル崩壊後の最高値を突破。その後も高値を更新し、ついに2万6000円台に突入した。マーケットバンク代表の岡山憲史氏が解説する。

「背景には米ファイザーが公表した新型コロナウイルスワクチンの臨床試験のデータがあります。中間結果ながら90%という有効性の高さが市場を驚かせました。これが実用化されれば、コロナ禍の終息が見えてきます。コロナで業績が落ち込み、割安な株価水準に放置されてきたバリュー銘柄の逆襲が始まるのです。

たとえば、メガバンク株です。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループはPBR(株価純資産倍率)が0.3~0.4倍と割安で、かつ予想配当利回りは5~6%とかなり高い。さらに、中期的には株価の上昇も期待できるのでダブルのメリットがある」

日本株は欧米に比べて出遅れてきたと経済アナリストの田嶋智太郎氏は指摘する。国内の景気回復が進めば、冷え込んでいた鉄鋼需要が持ち直すと期待する。

「日本製鉄の’21年3月期の最終損益は赤字の見通しですが、下期にかけて製造業を中心に鉄鋼需要が回復していくと見られます。実際、一時休止していた高炉2基を再稼働する予定です。鉄鋼を基軸に各種金属を扱う商社の阪和興業も’21年3月期の業績予想を上方修正しています」

国内の不動産業も商業施設やホテルの業績不振で株が一時、叩き売られた。しかし、業績の悪化を織り込み、徐々に先行きが明るくなっている。

「オフィスビルを中心とする賃貸事業が中核のヒューリックは、たしかに先行きが見通しづらい面はあります。しかし、第3四半期の経常利益は減益ながら、通期では過去最高益の更新が続く見通しです。共働き世帯の増加や政府の子育て支援などを背景に、テナントを教育関連に特化したビル開発に乗り出す計画も伝わっており、新たな需要を取り込む施策にも注目です」(ラカンリチェルカ代表で株式アナリストの村瀬智一氏)

株式アナリストの佐藤勝己氏は、「時価総額1000億円以上、PBR0.7倍未満、予想配当利回り3%以上、株価下落率20%以上、今期最終黒字予想」の条件でスクリーニングして、投資妙味のあるバリュー銘柄を割り出した。

「ENEOSホールディングスはPBR0.5倍でPER(株価収益率)13倍、予想配当利回り6%前後とどの指標で見ても割安なので、バリュー株の代表銘柄と言えるでしょう。国内2位の化学メーカー、住友化学はハイテク部門に力を入れており、他の化学メーカーと比べて事業バランスがよさそう。自動車向け合成樹脂を扱っているのもプラス材料です」

新型コロナで大打撃を受けた自動車の需要も徐々に復調しつつある。株式ジャーナリストの天海源一郎氏が言う。

「自動車であればトヨタ自動車を買っておけば間違いないのですが、それでは面白みがないので、より大きな値上がりを期待できそうな銘柄として日野自動車をピックアップしました。トヨタグループの一員で、インドネシアやタイなどに生産拠点を持っていて、収益性も高い。

自動車用照明で国内トップの小糸製作所は、トヨタ向けが中心ですが、欧米や中国、アジアなど世界各国の自動車メーカーに製品を提供しています。自動車向け鋼材を供給する世界的な特殊鋼メーカー、大同特殊鋼にも注目しています」

中国の動向を注視せよ

世界に先駆けて新型コロナを抑え込んだように見える中国では、工業生産の高まりから機械需要が旺盛だ。

「主力の建機で中国での売り上げを伸ばしている小松製作所や、同じく工作機械が中国で人気のDMG森精機の株価はまだまだ出遅れています」(前出・田嶋氏)

中国の景気が復活すれば、再びインバウンド需要で大阪が活性化する可能性も高いだろう。財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏が話す。

「関西私鉄大手の阪急阪神ホールディングスはバリュー株の中心的な存在です。大阪・梅田エリアの再開発にも力を入れていますし、『梅田』を音読みすれば『バイデン』になりますからね(笑)。

そのバイデン次期大統領の重要政策が環境対策で、関連銘柄に注目が集まる可能性もあります。ダイセキ環境ソリューションは土壌汚染の調査から浄化処理事業まで一貫して行うのが強みです」

電気自動車(EV)に注目するのは、証券ジャーナリストの今野浩明氏だ。

「中国も環境先進国となるために、’35年までにガソリン車を撤廃し、EVとエコカーにすると掲げました。日本電産はEV向けモーターを製造するEVの大本命銘柄です。ニチコンはコンデンサメーカーで、EV用の充電器を製造しています」

コロナ禍を追い風にする企業も存在する。グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏がこう話す。

「C&Fロジホールディングスはチルドと冷凍物流で全国ネットワークを展開しており、コロナ禍で成長がさらに高まると期待されています。オリックスはコロナ禍のさなかにインドの再生可能エネルギー会社大手に約1000億円を投資し、大胆な次の一手を打ちました」

新型コロナの感染者数が日増しに増えていくのは心配だが、株式市場はコロナ後を見据えて動いているのである。

一方で、日経平均株価は連日のようにバブル後最高値を更新している

『FRIDAY』2020年12月4日号より

  • 写真アマナイメージズ(空撮)、共同

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