追悼・坂田藤十郎の「開チンスクープ」マル秘エピソード
生き方そのものがスター 70歳の時に50歳も下の舞妓と不倫! 「一生青春」の名言はこの写真で現実に

「一生青春」の名文句が有名となった本誌スクープは、坂田藤十郎さん(享年88)が70歳のときのことだった。
’90年に三代目・中村鴈治郎(がんじろう)を襲名、’94年には「人間国宝」になっていた歌舞伎界の大物の逢瀬をキャッチしたのは、’02年、5月下旬の京都だった。午前0時近く、降り出した五月雨を気にする様子もなく、藤十郎さんは美人舞妓と木屋町をそぞろ歩く(上写真)。情緒ある町並みと相まって、何とも絵になる二人だった。
「お相手は、祇園でも3本の指に入る美人舞妓・Tさんでした。元フジテレビアナウンサーの内田恭子さんをさらに美人にしたような顔立ちに加え、気品があってお酒もいけるので、大変な人気がありました。しかも、当時、まだ二十歳になったばかり。藤十郎さんとは50歳の年の差がありました」(祇園関係者)
Tさんが大のお気に入りだった藤十郎さんは、連日のように逢瀬を重ねた。ある日の公演後、藤十郎さんはタクシーに乗って宿泊先のホテルへ帰館した。
ひとっ風呂浴びたのか、白いバスローブを羽織った姿で何度も部屋のドアから顔を出し、何かを待っている様子。すると、ほどなくしてTさんが姿を現し、足早に部屋の中へ消えたのだった。
約2時間後、部屋を出るTさんをドアの前で藤十郎さんが見送る。世間を大いに騒がせた〝あの場面〟は、次の瞬間訪れた。
Tさんを呼び止めた藤十郎さんが、突如、バスローブの前をバッ! 人間国宝のお宝を「開チン」したのであった。
本誌報道後の顚末はご存じの通り。自宅前で芸能レポーターに囲まれた藤十郎さんが、
「一生青春、70歳なのにこんなふうに報じられてうれしい。世の男性も頑張ってほしいですね」
と、笑顔で答えると、周囲は大爆笑。当時国土交通大臣だった扇千景夫人も、
「全然、気にしていないわ。(男は)モテたほうがいい」
と、本誌の直撃に応じ、いまでは考えられないような爽(さわ)やかな不倫スキャンダルとなった。
とはいえ、後日談については、本誌だけが知る㊙︎エピソードもある。夫の不貞を笑い飛ばした千景夫人だが、実は、家の中では藤十郎さんをこってりと絞り上げていた、というのだ。
「宝塚のトップスターだった扇さんと’58年に結婚する前から、藤十郎さんは祇園で『一番遊んでいる男』として有名でした。扇さんもそれをわかっていて結婚をした。隠し事のないオープンな夫婦だからこそ、藤十郎さんの火遊びをキツく叱り、それで手打ちとしたんでしょう」(ベテラン芸能記者)
㊙︎エピソードはもうひとつある。騒動も一段落した頃、本誌は藤十郎夫妻があるパーティに出席するとの情報を入手。「あの騒動を振り返って」というテーマで夫婦インタビューを依頼すべく、記者はパーティに潜入し、二人に声をかけた。すると藤十郎さんは、ほんの一瞬だけ絶句して妻の顔を見た後、
「それは止めておきましょう」
と、満面の笑みで答えたのだった。
生き方そのものがスターだった藤十郎さん。まさに一生青春。合掌。

『FRIDAY』2020年12月4日号より
撮影:野沢たか(1枚目)