有村架純 主演ドラマが「視聴率7%台」と苦戦を強いられる背景 | FRIDAYデジタル

有村架純 主演ドラマが「視聴率7%台」と苦戦を強いられる背景

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今年10月夜10時過ぎ、ドラマ『姉ちゃんの恋人』の撮影現場。自らの出番を終えたのか有村架純は店を後にし送迎車に乗り込んだ
今年10月夜10時過ぎ、ドラマ『姉ちゃんの恋人』の撮影現場。自らの出番を終えたのか有村架純は店を後にし送迎車に乗り込んだ

有村架純(27)主演のドラマ『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系)が、瀕死の視聴率に陥ってる。このドラマの最大の特徴は、辛いテーマを扱いながらも“いい人しか登場しない”というところだろう。

これは、この夏大ヒットした『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)と同じ特徴でもある。しかしなぜ『ナギサさん』は社会現象になるほどの好評を博し、『姉ちゃんの恋人』は爆死しているのか。その理由を探ってみた。

『姉ちゃんの恋人』は、NHK朝ドラ『ひよっこ』(2017年)以来の脚本家・岡田惠和と有村のタッグ。『ひよっこ』といえば、初期こそ20%の大台を割り苦戦したものの、“いい人しか登場しない”という手法がジワジワと支持を集め、最終的に平均視聴率20.4%を記録。後半になるにつれて数字を伸ばしただけに、完全に視聴者の心を掴んだ作品と言っていいだろう。

しかし『姉ちゃんの恋人』では、視聴率は7%台をさまよい一向に伸びてこない。物語は後半に差しかかっているだけに、これは「視聴者に受け入れられなかった」と解釈されても仕方ないかもしれない。

では一体何がネックとなったのか。ドラマウォッチャーの芸能記者やライターに取材をおこなった。

物語は、交通事故で両親を亡くし、女手一つで幼かった弟3人を育てた主人公・安達桃子(有村架純)が、職場で出会った男性・吉岡真人(林遣都・29歳)に恋をするというもの。しかし真人にはある不幸な犯罪歴があり、職場の仲間や弟たちは桃子の幸せを願いながらも心配する……。そんな、人を思いやる優しさにスポットライトを当てて描かれているドラマだ。

リアリティが……

が、どうやらこの“優しさ”の描き方が少々過剰なようなのだ。ドラマウォッチャーのライターは次のように語る。

「『ナギサさん』の“いい人”にはリアリティがありました。たとえば自分の好きな男性が自分の仲良しの同僚を好きだと分かったとき。ややもすれば同僚を憎んでしまいそうな心を必死の思いで振り切り、彼女は『応援する』と宣言する。これは現実にも起こり得る出来事だけに、“負の心”に打ち勝った彼女の強さに多くの女性が『自分もこうありたい』と共感したものです。

他の登場人物も、それぞれ悩みを抱え、油断すると負の思考スパイラルに落ちていきそうなところを、周囲の助けも得て何とか乗り越えていく。そういった過程が見えたので、その“いい人”ぶりにも多くの視聴者が癒されたのでしょう。

対して『姉ちゃんの恋人』の登場人物たちは、最初から負の感情というものが存在していないかのようです。何を言ってもやっても笑ってくれるし、肯定してくれる。挙句、恋にうつつを抜かして仕事で大きなミスを犯しても、皆、笑顔で許すのです。いや、こんな職場あるわけない……。

いくらコロナ禍で皆の心が疲れているとはいえ、非現実的な“いい人”を見せられても視聴者はシラけるだけだと思います」

別の芸能記者は、キャスティングの問題もあると指摘する。

「主演の有村さんは悪くないし、相手役の林さんに至ってはさすがのひと言です。でもこういうホームドラマって、家族の掛け合いシーンでどれだけ視聴者の心を掴めるかが、実は好不調の鍵を握っているのです。そういう意味では、主人公の3人の弟のキャスティングが惜しい。

というのも3人ともあまりに演技力が低く、視聴者が見ていて『こんな弟欲しい!』と感じられない。またネット評を見ても、『弟が全員シスコンでいい子すぎて違和感』という声が多いように、リアリティのない仲良しぶりも共感が得られていません。

果ては、金曜ドラマ『恋する母たち』(TBS系)のイケメン息子3人が好評を博していることから、この3人が弟たちだったら良かったのに、という手厳しい声まであるほど。つくづく、ホームドラマのキャスティングの難しさを感じます」

物語はようやく、有村演じる桃子と林演じる真人の恋愛模様にフィーチャーし始めた。過去を告白した真人を、桃子はどう受け止めるのか? そこに綺麗ごとではない“リアル”な優しさが見えれば、後半の視聴率挽回もあり得るかもしれない。

  • 取材・文奈々子

    愛媛県出身。数年間の会社勤務を経てフリーライターに。女性誌や週刊誌でタレントのインタビュー、流行事象の分析記事を扱う他、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影榎原優美

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