ハリー・ポッターのスポーツ「クィディッチ」の名門チームに密着
世界40ヵ国でプレーされ、アメリカやイギリスでは各大学にチームがあるほどの人気ぶり
『ハリー・ポッター』に登場する、箒(ほうき)に乗って行うスポーツ「クィディッチ」。架空の競技かと思いきや、現実世界でプレーを楽しんでいる集団を発見した。
「もはや箒は身体の一部! この棒に跨(またが)っていないと不安になるくらいです」
そう語るのは、クィディッチチーム『東京ペンギンズ』のメンバーだ。クィディッチは、ハンドボールとドッジボールを混合したようなスポーツ。ゴールにシュートする得点用のボールと、敵の身体にぶつけてプレーを妨害するためのボールがあわせて4つあり、絶えずフィールド内を飛び交っている。箒の代わりになるのは細長いパイプ。常にパイプを股に挟んで疾走する様子は少しシュールだが、本人たちの表情は至って真剣だ。
それもそのはず、『東京ペンギンズ』は、全日本選手権で3年連続優勝、アジア大会でも2位に輝き、日本代表を12人も輩出している、名門チームなのだ。
大学生の松尾怜奈さん(22)は『ハリポタ』を読んだことは一度もないが、競技ならではのルールに魅了されたという。
「男女混合スポーツなので、女子でも男子相手にタックルできます。いつか男子にぶつかって、倒してみたいです!」
アメリカを中心に、ヨーロッパやブラジル、ベトナムなどでも人気のクィディッチ。国境を越えてプレーできることもモチベーションにつながっているようだ。
「サッカーや野球で日本代表になるのは難しいですが、クィディッチはみんなゼロから始めるスポーツ。大人になってから海外選手と共に戦えて、感激しています」(内藤建人さん・24)
アジアナンバーワン、そして世界制覇を目指して、選手たちは今日も〝箒〟で飛び回っている。
『FRIDAY』2020年12月18日号より
- 撮影:濱﨑慎治