共にプレーした唯一の日本人が明かす「神の子」マラドーナの素顔 | FRIDAYデジタル

共にプレーした唯一の日本人が明かす「神の子」マラドーナの素顔

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
`95年に『ボカ・ジュニアーズ』びホームスタジアムにて。試合直後にもかかわらず、快く撮影に応じてくれたという
`95年に『ボカ・ジュニアーズ』びホームスタジアムにて。試合直後にもかかわらず、快く撮影に応じてくれたという

圧倒的なドリブルと芸術的なスルーパスで、大男を手玉にとった165㎝の「スーパースター」ディエゴ・マラドーナが先月25日、60歳でこの世を去った。そんな“神の子”と共にボールを追い、肩を並べてプレーした唯一の日本人をご存じだろうか。

亘崇詞さん(48)。現在、地元の岡山を中心に少人数制のサッカー教室を主催する団体『ファナティコサッカークラブ』の代表を務める人物だ。マラドーナに憧れ、19歳の時に単身アルゼンチンへ移住。出身クラブである『ボカ・ジュニアーズ』に入団した。当時はイタリアの『SCCナポリ』でプレーしていたマラドーナも、シーズンオフにはよく練習場に顔を出したという。

`06年にはペルーにて開かれたイベントマッチで共にプレー。その時の記憶を、亘さんはこう振り返る。

「本当に夢のような時間でしたよ! 高校生の時に憧れて以来、アルゼンチンまで追いかけて行ったアイドルですから。初めてパスをもらった時は震えましたね。あの時の緊張と興奮は一生の思い出です。ただ、夢心地でプレーしていたらミスを連発してしまって……(苦笑)。

私は右サイドバックで、マラドーナさんはトップ下でプレーしていたんですが、試合中盤、相手の裏を突けるチャンスが来た。しかしマラドーナさんと目が合わなかったので一瞬ためらったんです。次の瞬間にはスペースに絶好のスルーパスが出ていました。走りこまなかった僕に怒ってると思うと、本人の顔を見れませんでしたよ」

マラドーナに導かれた人生だったと語る亘さん。その中で見たレジェンドの素顔を明かしてくれた。

`91年にクラブハウスを訪れていたマラドーナと。当時亘さんは19歳。憧れのアイドルとの初めてのツーショットで、当時の喜びは忘れられないと語る
`91年にクラブハウスを訪れていたマラドーナと。当時亘さんは19歳。憧れのアイドルとの初めてのツーショットで、当時の喜びは忘れられないと語る

“神の手ゴール”は努力の賜物

「メキシコW杯のイングランド戦で出た“神の手ゴール”ですが、実は何度も練習場で練習していたんですよ。練習場にはたくさんのファンが来ていたので、パフォーマンスという意味もあったとは思いますが、本人は真剣に自然に見える角度を研究していました。あの場面で、普通は咄嗟に手は出ませんからね(笑)」

練習場に大型トレーラーで乗り込み

「練習に向かう途中に愛車が動かなくなったことがあるんです。その時たまたま隣を通りかかった大型トレーラーの運転手に『俺の車をやるから貸してくれ!』と直談判。練習場にトレーラーで乗りこんできたことがありました。結局練習には遅刻。でもなぜかドヤ顔の彼に、みんな笑うしかなかったです」

魔法のドリブルを生んだバランス感覚

「試合ではどんなハードタックルにも屈しないマラドーナさんですが、練習中にはよくコケるんです。見るとスパイクではなくランニングシューズを履いている。初めて見たときは驚きましたよ。しかも靴紐も結ばない。あえて踏ん張れなくすることで、バランス感覚を養っているそうです。どうやればうまくなれるか、普通の選手の何倍も頭を使っていました」

メッシ&アグエロの優勝だって「俺のおかげ!」

「引退したってワガママっぷりは健在。北京五輪のときスタッフ用ホテルで偶然再会したんです。驚く私を連れ立って向かった先は、なんと決勝戦直前の代表チームの食事会。監督に檄を飛ばし、溺愛するアグエロとメッシをべた褒め。2人とも試合に集中したかったのか返事は上の空で、むしろちょっと面倒くさそうでした(笑)。落ち着かないままキックオフを迎えましたが、結果は優勝。やっぱり持ってるなぁと思いましたね」

サッカーを愛し、サッカーに愛された男・マラドーナ。その生き様は、これからも多くの人の胸に残り続けるだろう。

北京オリンピックの会場にて。宿が取れなかったのか、マラドーナはスタッフ用のホテルに勝手に泊まっていたという
北京オリンピックの会場にて。宿が取れなかったのか、マラドーナはスタッフ用のホテルに勝手に泊まっていたという
  • 写真AFLO

Photo Gallery3

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事