『ポケモン』サトシの声優に「コロナ助成金」不正受給疑惑が浮上 | FRIDAYデジタル

『ポケモン』サトシの声優に「コロナ助成金」不正受給疑惑が浮上

東京都の芸術文化活動支援事業に伴う一人10万円の助成金が支払われるプロジェクトに参加していないメンバーを申請し、自分の会社へ振り込ませた

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本誌の直撃に応じる松本。「おカネは預かっているだけ!」と、約90分にわたり涙ながらに主張し続けた

「東京都から突然、『10万円振り込みました』というメールが来て驚きました。しかも、口座を確認してもそんなカネはどこにも入っていない。その後、都庁まで行って担当者の説明を聞き、どういうことなのかわかり、さらに驚きました。怒りというよりは、彼女ほどの大物がなぜ……というのが正直な思いです」

そう語るのは、都内在住のA氏(30代)。国民的アニメ『ポケットモンスター』の主人公「サトシ」の声優を務める松本梨香(52)のもとで、’16年から約4年間にわたり、マネージメント業務を行ってきた人物だ。

サトシのほかにも、『おそ松くん』や『おぼっちゃまくん』など、数々のアニメで声優を担当してきた松本。そんなレジェンド声優に不正受給疑惑が生じているのは、東京都がコロナ禍の芸術家を支援するために行った事業「アートにエールを!」にともなう助成金についてである。

「都に動画作品の企画を送り、採用されて専用サイトにアップされれば、作成に携わったアーティストらに10万円の助成金が給付されるというもの。グループでの応募も可能で、一つの作品につき10人まで、最大100万円がもらえます。当初の事業予算は5億円でしたが、想定以上の応募があり、5月の補正予算案で5倍以上となる28億円を計上。いわずもがな、助成金の原資は税金です」(都庁担当記者)

なんと松本は、このプロジェクトに参加していないメンバーを申請。つまり、人数を水増しして助成金を受け取った可能性があるのだ。

疑惑をつまびらかにするために、順を追って経緯を振り返っていきたい。「アートに」の存在を知った松本が、A氏に対し「参加したい」と伝えたのは今年4月のこと。松本は知人の脚本家や音楽家、イラストレーターに声をかけ、A氏ともう一人のマネージャー・B氏を含めたメンバー計6名で応募することとなった。

「企画を送る前にまずは、都に申請者を登録してIDを取得しなければなりませんでした。登録開始は5月15日。ID取得には各自の担当を記入する必要があり、私は『動画撮影・編集』という名目で申請しました。代表者はもちろん梨香さん。その後、梨香さんと脚本家の間で作品は朗読劇に決まり、6月2日、私は企画書を都に提出しました。私が企画にアイデアを出したことは一切ありません」

A氏が「アートに」に携わったのはここまで。というのも、東京都から「企画採用」の通知が来る前の6月14日、松本の元を離れることになったからだ。

「梨香さんは気に入らないことがあると、すぐに激昂する性格。セリフを本番当日に変更するのもしょっちゅうで、私はそのたびに方々に頭を下げていました。しかし、文句を言おうものならサトシのあの声と声量で責め立てられるので、精神的に参ってしまって……。実際、私のほかにもこの4年間で10人以上の付き人が交代しています。そんな状況に加え、梨香さんとの間で金銭トラブルまで起きたので、私は彼女のもとを去ることにしたんです」

その後、企画は採用され、松本はA氏ぬきで朗読劇『僕らの物語』を制作。8月11日に都の専用HPに公開された。

辞めて以降は一切、松本からの連絡には応じていないというA氏。「アートに」については、

「私がやったのはID取得だけ。それ以外はまったくタッチしていません。動画がいつ撮られたのかも知りません」

と、断言する。

「それだけに、9月11日に『アートに』の事務局から送られてきたメール(3枚目写真)を見て目を疑いました。口座を都に送った覚えはないし、実際、私の口座に10万円は入っていませんでした」

内容を確認するため、都庁内にある「アートに」の事務局を訪ねたA氏に対し担当者は、

「Aさんの10万円は松本氏が経営する会社『Matsurica』に振り込んだ。企画採用後の8月中旬、松本側からAさんの分は会社に振り込んでほしい要望があったためにそうした」

と、説明したという。A氏が続ける。

「私は担当者に直接、『動画制作にはまったく関わっていない』と伝えました。担当者は私に謝罪をし、梨香さんから返金手続きを取ることも約束しました」

本誌直撃に語った言い分

そもそも、「アートに」のギャラは個人口座に振り込むのが都の定めたルールであり、別口座にする場合は委任状や本人確認書類が必要になるはずだ。なぜ、A氏のケースでは本人に何の連絡もないまま振り込みが行われたのか。本誌が都に事実確認を行うと、ミスだったことを認めたうえで、「事務局に全件調査と再発防止の徹底を指示いたしました」と回答。さらに、A氏には助成金の受給資格がないことも認めたのだった。

都が認めている以上、A氏が「アートに」に参加していないことは明白。そのことが松本にわかっていなかったとは考えづらいが、本人はどう申し開きするのか。12月上旬、本誌は自宅前で松本を直撃した。

――「アートに」の助成金についてお聞きしたい。

「え、何、何?」

――動画制作に参加していないAさんの名義を使って、松本さんが不正に助成金を受給したという疑惑があります。

「絶対ないよ! 彼が撮影に来なかったのは本当です。でも、台本のコピーなど雑用をしてもらっていたので、私は彼も制作に参加している認識です」

――本人に連絡せず、振り込み先を松本さんの会社にしたのはなぜですか。

「預かっているだけです。彼の後任が振り込み先がわからず困っていたから『ごちゃごちゃするなら会社のほうに入れておいたら?』って伝えた。指示ではなく、聞いただけ」

「Aは動画制作に携わっていた」と、涙ながらに主張した松本。本誌はそこで、A氏から後を引き継いだもう一人のマネージャー・B氏にも話を聞いた。

「振り込み先の指定は、すべて梨香さんの指示でやりました。『都のルールではAの個人口座に振り込まないとダメらしいですよ』と伝えると、『それは絶対ダメ! 何とかして!』と梨香さんが言うので、僕が交渉して梨香さんの法人口座に入れてもらったんです。『(A氏の助成金は)ヘアメイク代やスタジオ代に充てる』と、はっきりと言っていましたよ」

B氏はさらに、松本は「間違いなくA氏が動画制作に携わっていないとわかっていた」と語る。

「動画撮影は7月15日でしたが、7月1日に梨香さんがメンバーにラインを送ってきたんです。Aを除いた5人の名前を挙げたうえで、『5人でやります! 頑張りましょう』と書いてありました」

東京都が「A氏に受給資格なし」としている以上、松本の言い訳はあまりにも苦しい。12月25日に公開される『ポケモン』の新作映画を楽しみに待つ子供たちのためにも、松本は正直に経緯を明らかにすべきだ。

松本が「アートに」に応募した朗読劇『僕らの物語』。約9分間、松本が一人語りをする構成になっている
9月11日に東京都からA氏に送られてきた、「アートに」の助成金の振り込み完了メール。振り込み先は松本の法人口座になっていた
昨年6月の『ポケモン』劇場版の完成披露試写会。松本(中央)は12月公開の新作でも、主役・サトシの声を担当

『FRIDAY』2020年12月25日号より

  • 撮影田中俊勝(1枚目)

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