菅野智之の今季メジャー挑戦が決まりきらない「複雑な背景」

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ジャイアンツ球場で報道陣の取材に応えた菅野。メジャーに挑戦するのか残留するのか歯切れが悪かった(画像:共同通信社)

なんとも煮え切らない態度だ。かねてから、メジャーで投げることを夢みてきた菅野智之(31)。12月8日にポスティングシステムの申請が完了し、順風な船出かと思いきや……。ジャイアンツ球場(神奈川県川崎市)で報道陣に対応したが、そこに笑顔はなかった。

「まだ本当に、向こう(メジャー)に行くって決まったワケじゃないし……。向こうに決まる前提で話は進めたくない。もちろん行く意思があるから、ポスティングを申請しているんですけど……」

来季32歳になる菅野。メジャーに挑戦するなら、早いにこしたことはない。歯切れが悪いのはなぜだろう。理由は二つあるという。

「一つは新型コロナウイルスの影響で、来季のメジャー開幕が不透明な点。せっかく米国に行っても、試合ができないなら意味がないでしょう。たとえ開幕したとしても、今季のように無観客だったり、試合数が大幅に減ってはモチベーションを維持するのが難しい。自身のパフォーマンスが発揮できない不安があるんです。

二つ目は、伯父の原辰徳監督の言葉です。原監督は、菅野についてこうコメントしています。『監督という立場であるなら、残ってくれるということがベストですよ。行きなさいとは言えない』と。菅野にとって、原監督は巨人のエースに育ててくれた恩人です。『残ってくれ』というメッセージに、後ろ髪をひかれているんです」(スポーツ紙担当記者)

日本一に欠かせない存在

指導者として伯父として、菅野を放出したくない気持ちはわかる。だが原監督が菅野に残ってほしい理由は、個人的な関係からだけではないだろう。

「今季の日本シリーズで、ソフトバンクに4連敗と完敗したのが相当悔しかったようです。来季は必ず雪辱を果たし、日本一になると。そのためには、絶対的なエース・菅野の存在が欠かせないんです」(同前)

一方、フロントは菅野のメジャー挑戦に積極的だ。球団幹部は「本人の意思を尊重したい」と、背中を後押しするような発言をしている。裏には、球団としての事情があるようだ。

「菅野が出るという前提で、来季のチーム作りが始まっています。菅野の年俸は6億5000万円(推定)。残留となれば、今季プロ野球記録の開幕投手13連勝を飾るなどの活躍をかんがみ、来季はそれ以上の契約を結ぶことになるでしょう。複数年契約もありうる。さすがに資金が潤沢な巨人でも負担になります。

すでに巨人はFAでDeNAから梶谷隆幸、井納翔一の獲得が決定的です。二人の契約はそれぞれ4年8億円、2年2億円と言われています。総額は、菅野が残留した場合に想定される年俸に近くなるんです」(球団関係者)

別の理由もある。

「菅野がメジャー移籍を1年先延ばしにすれば、海外FA権を獲得します。ポスティングなら巨人へ譲渡金が入りますが、FAではありません。巨人にとって、金銭的なメリットがなくなってしまうんです。球団としては、今オフに挑戦してほしいというのが本音でしょう」(同前)

菅野、原監督、球団……。交錯する3者の思惑。菅野はどんな選択をするのか。決断の時が迫っている。

  • 写真共同通信社

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