渋野日向子 全米女子オープン善戦ウラに「幸運キャディー」の存在 | FRIDAYデジタル

渋野日向子 全米女子オープン善戦ウラに「幸運キャディー」の存在

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全米女子オープンでも「スマイリングシンデレラ」ぶりを随所で発揮していた渋野日向子
全米女子オープンでも「スマイリングシンデレラ」ぶりを随所で発揮していた渋野日向子

強い”スマイリングシンデレラ”が帰って来た。

12月10日(日本時間11日)に開幕した全米女子オープン。初出場の渋野日向子が3日目まで単独トップだったが、最終日に2バーディー、5ボギーの74と3つスコアを落とし、トータル-1の4位に終わった。全英女子オープンに続く2つ目のメジャータイトルには手が届かなかった。

「今年の渋野は3カ月遅れの開幕戦から躓いた。国内外で3戦連続の予選落ちを喫し、国内ツアー賞金ランキングでも35位と不振。コロナの影響というよりも、体重を4キロ増やして取り組んできたフォーム改造がハマらなかった印象ですね」(スポーツ紙記者)

渋野自身、この大会前には「イーブンパーで4日間ができれば。それぐらい難しいコースなので」と、控えめな発言をしていた。だが、フタを開けてみれば、初日は首位と1打差の2位で終えたが、2日目からはトップをキープ。最終日を単独1位で迎えていた。

「渋野も予選を終わった段階では、『よう自分がこんなスコアを出せたなと思います。100点以上』と半信半疑という感じでしたね。この大会に合わせて狭めていたスタンスを広げるなど、フォームを元に戻したことが好結果につながったように見えた」(前出・スポーツ紙記者)

首位に立った2日目には渋野の代名詞でもある「バウンスバック」(“跳ね返す”の意味で、ボギー以上の直後のホールでバーディー以上をマークすること)が飛び出すなど、ショットの安定度も強気のパットも、昨年の全英女子オープンの快進撃を彷彿させた。

「同時に渋野の運の強さを感じました。昨年の全英女子オープンでは、出場切符を滑り込みで掴み、コースもリンクスではなく林間コースでした。今回の全米女子オープンも、コロナの影響で6月から延期されて、初の冬開催。しかも、日照時間が短いために、予選ラウンドはサイプレスクリーク(CC)とジャックラビット(JC)の2コースを使用するなど変則的だった。

前者は距離が長いコースで、後者は細かい起伏が潜む難易度の高いグリーンが特徴のコース。ティーショットに不安を抱えていた渋野にとっては、CCコースでのスタートはプラスでしたね。テレビ中継の解説を務めていた女子ゴルフ界のレジェンドの岡本綾子さんも『(渋野はショットの)感触を確かめながら戦えたのでは』と話していた通り、リズムを掴み、好スタートが切れたのでしょう」(ゴルフライター)

悪天候が予想された2日目のJCでも、幸運の女神が微笑み、

「雨が降り始めた8番こそボギーを叩くも、間もなくして上がり、バックナインの10番、12番、15番、17番でバーディー。天候まで味方にするところが渋野らしい」(前出・ゴルフライター)

まさに“世界のしぶこ”としてのプレーを見せたわけだが、その快進撃を影で支えた“幸運”のキャディーの存在も忘れてはならない。

「渋野のエースキャディーといえば定由早織さん。初めてのタッグはプロテスト合格後のQTから。渋野が師事する青木翔コーチが頼み込んでの結成でした」(前出・スポーツ紙記者)

ただこのコンビは初勝利までに16戦を要し、それまでの4勝は別のキャディーだった。全英女子オープン制覇も、青木コーチがバックを担いでの快挙だった。

「今年の全英女子オープンも、コロナの影響でプレイヤーとキャディーのみの参戦となったため青木コーチが務めた。その後の米ツアーは定由キャディーが帯同するも、調子が上がらず、11月の国内ツアー最終戦『チャンピオンシップ リコーカップ』では、かつて石川遼のエースキャディーを務めていた佐藤賢和さんがバッグを担ぎました」(ゴルフ専門誌記者)

佐藤キャディーとのコンビで、今季最高の3位をマーク。全米女子オープンも当然、海外経験の豊富な彼が帯同すると思いきや、ルーキーの西村優菜や西郷真央を支えて来た藤野圭祐キャディーが助っ人で参戦したのだ。

藤野キャディーといえば、‘19年9月の『デサント東海クラシック』で首位と8打差20位だった渋野が、ツアー史上2番目の大逆転優勝を果たした時にバッグを担いでいたのが彼だった。この時が初コンビだったのにもかかわらず、大逆転優勝をもたらすという、まさに彼女にとって藤野氏は“幸運のキャディー”なのだ。

「渋野=藤野コンビ誕生のきっかけは、‘19年4月の『KKTバンテリンレディス』でした。渋野は初日に『81』を叩き最下位も、翌日には『66』をマークし、50位で予選通過。全英制覇前でしたが、藤野キャディーはそのパフォーマンスに圧倒されて『機会があったら担がせてほしい』とお願いしていたそうです。

初コンビで初勝利となった『東海クラシック』の時は、全英女子オープンから凱旋帰国し、渋野が精神的にもナーバスになっていたとき。温和な人柄の藤野キャディーのさりげないバックアップが大逆転劇を支えたと、もっぱらの評判でしたね。がっしりした体格と優しそうな笑顔などが、どことなく渋野のお父さんに似ているところも安心感があるのかもしれません(笑)」(前出・専門誌記者)

なかなか調子が上がらず苦しい思いをした今シーズン。最後に大きな舞台で強さを取り戻せた渋野のウラには、頼りがいのあるキャディーさんの存在があったのだ――。

  • 写真共同通信

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