1時間1000円!「おっさんレンタル」にやってくるヘンな依頼

ニーズに合わせた80名が待機 ! 仕事の愚痴や夫の浮気などの悩み相談から行列に並ぶパシリ仕事まで

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優しい笑顔をカメラに向けるおっさんたち。左から代表の西本氏、荻野氏、酒井氏。相談に親身に乗ってくれた

家族や友人にも相談できない秘密や不安を誰しもが一度は抱えたことがあるだろう。そんな悩める人々のための現代版〝駆け込み寺〟がある。それが「おっさんレンタル」である。

’12年にスタートした「おっさんレンタル」とはいったいどんなサービスなのか。創業者で自身もこれまで2000回以上レンタルされた西本貴信氏(53)が言う。

「1時間1000円で中高年男性をレンタルできるというサービスです。依頼内容は悩み相談や愚痴聞きなどがほとんど。全国に総勢80名のおっさんが待機しています。それぞれバックグランドや経歴が多種多様で、お客さんはそのプロフィールなどを見て指名するシステムです。お客さんの8割が女性で、転職相談などの仕事での不安や、夫に不倫されている、などのプライベートの悩みを相談されるケースが多いですね」

今、なぜ人々は悩みを打ち明けにおっさんの元へと駆け込むのか。リピーターを多く抱えるレンタル歴4年の荻野潔氏(67)はこう解説する。

「パートナーが不倫や浮気をしているなどの話は、知人や家族には絶対に聞かれたくないのでしょうね。でも、話す相手が見ず知らずのおっさんだったら、素直に悩みを吐き出せるんですよ。全部話し終わったあとに心が軽くなった、と言ってくれる方が多いです。たまに話しているうちに、いろいろと思い出して号泣するお客さんもいますけどね」

「おっさんレンタル」にはちょっとした買い物の依頼や映画や舞台の付き添いなどの依頼も寄せられる。酒井勉氏(60)はなかなか人気が伸びないレンタル歴3年のおっさん。しかし、これまで数々の〝珍〟依頼をこなしてきたベテランだ。

「わりとパシリ系の依頼を受けることが多いですね。パチンコ店に並ぶとか(笑)。あと、自主映画にエキストラ出演を依頼されて、死人の役で『道路で寝てください』って言われたり、ドッキリ企画で地下アイドルグループに加入したこともあります。極めつけは芸人志望の子から『M-1に出たいんだけど相方が名古屋にいて練習できない』と言われ、相方の代役を2時間ぐらいやったことです。『武田鉄矢のモノマネをしてください』と、無茶ブリされて困りました(笑)。変わった依頼が多くて、飽きないですね」

おっさんたちは依頼者のデリケートな依頼にも応じ、駆けつける。この仕事を始めたきっかけは何なのだろうか。

「私は4年前にリタイアしてのんびりと生活していたのですが、何か物足りないなぁと感じていました。偶然ラジオで『おっさんレンタル』の存在を知り、やりたい! と思ったんです。セカンドライフを楽しく過ごすには健康と経済力、あとは誰かの役に立っていることが必要なんですよね。転職相談にのった相手から内定報告をもらったり、手術の付き添いをした方が無事成功して、病室へ戻る姿を見たりなど、感動することも多いんです。一生のうちでこの4年間が一番楽しいかもしれません」(前出・荻野氏)

実際に本誌男性記者も荻野さんに悩みを相談してみた。

――元カノを忘れられません。

荻野 別れてからどれくらい?

――ちょうど1年です。

荻野 きっとまた素敵な出会いがあるはずだよ。

――実は恋人はいるんです……別の。

荻野 おっと(笑)。罪な男だね。どっちを選べとは言わないけど、今、目の前にいる人を幸せにできないようじゃ、自分も幸せになれないよ……!

仕事はリタイアしても、おっさんたちはまだまだ人生現役。今日も人知れず、人々の悩みを解決すべく奮闘している。

一番人気はこのおっさん!

これまで250件以上の依頼を受けてきた荻野氏。「相手に共感し、絶対に説教しないということを心がけています」(撮影:濱﨑慎治)
注文画面にはLGBTQや専業主夫などバラエティ豊かなおっさんたちの写真が並ぶ。「仲間に加わってくれるおっさんたちも募集してます!」(西本氏)

『FRIDAY』2020年12月25日号より

 

  • 撮影濱﨑慎治

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