史上4人目へ…内川聖一が挑む「両リーグ1000本安打」のすごさ | FRIDAYデジタル

史上4人目へ…内川聖一が挑む「両リーグ1000本安打」のすごさ

過去3人しかいない大記録。達成したのはこんな大打者!

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ヤクルトへの入団が決まり、記者会見する内川聖一

ソフトバンクの内川聖一のヤクルト移籍が決まった。横浜ベイスターズでプロのキャリアを始めた内川だが、セ・リーグでプレーするのは2011年以来10年ぶり。この移籍でNPBでも非常に珍しい大記録の可能性が出てきた。

内川は横浜で945安打を打ってソフトバンクに移籍。ソフトバンクでは1226安打を記録していた。ヤクルトで来季55安打すれば、史上4人目の「両リーグ1000本安打」となる。

内川は横浜とソフトバンクで首位打者を1回ずつ獲得しているが、両リーグでの首位打者は江藤慎一(中日時代に2回、ロッテ時代に1回)に続き史上2人目だ。

過去、「両リーグ1000本安打」を達成したのは下記の3人。達成順。

大杉勝男
パ・1171安打(東映・日拓・日本ハム)
セ・1057安打(ヤクルト)

東映で張本勲、白仁天らと強力打線を組んだ大杉は1975年にトレードでヤクルトへ。ヤクルトでも中軸として活躍し、1978年の初優勝にも貢献した。この年の阪急との日本シリーズで「疑惑の本塁打」を打って、阪急上田利治監督が79分もの抗議をしたのも印象的だった。1983年、史上初の両リーグ1000本安打。1992年、47歳の若さで早世したのが惜しまれる。

パ・リーグ時代に本塁打王、打点王各2回(東映)。

落合博満
パ・1096安打(ロッテ、日本ハム)
セ・1275安打(中日、巨人)

三冠王3度の球史に残る大打者。1987年、世紀の大トレードで中日に。本塁打王、打点王各2回の活躍。1994年41歳の高齢で巨人にFA移籍。3割を2度記録したのは驚異的。1996年、巨人を退団した時点ではパ・リーグの安打数は954本だったが、翌1997年日本ハムで104安打を打って2人目の「両リーグ1000本安打」を達成した。

パ・リーグで首位打者5回、本塁打王、打点王各3回(いずれもロッテ)。セ・リーグでは本塁打王、打点王各2回(いずれも中日)。

和田一浩
パ・1032安打(西武)
セ・1018安打(中日)

2008年FA権を行使して西武から中日に移籍。シーズン100安打を初めて打ったのが30歳という遅咲きだったが、リーグをまたいで14年連続100安打という安定感のある活躍で、引退年の2015年に2000本打を達成するとともに、3人目の「両リーグ1000本安打」を達成した。

パ・リーグ時代に首位打者1回。

惜しくも「両リーグ1000本安打」を達成できなかった2人の選手(両リーグともに800安打以上)も見ておこう。

稲葉篤紀
セ・972安打(ヤクルト)
パ・1195安打(日本ハム)

ヤクルト時代は成績の浮き沈みが激しく、10年間で規定打席に達したのは5シーズンだけだった。海外FA権を行使してMLBに移籍を志向したがオファーがなく日本ハムへ。北海道に移転した日本ハムのチームリーダーとなり、ファンの厚い信頼を得た。セ・リーグでもう少し安打を打っていればと惜しまれる。パ・リーグで首位打者1回。

山﨑武司
セ・894安打(中日)
パ・940安打(オリックス、楽天)

中日の控え捕手から一塁、外野を守って中軸打者となる。トレードでオリックスに移籍後は主として指名打者として活躍。新球団楽天では初代4番打者となる。44歳になる2012年に10年ぶりで中日に復帰し、2シーズンプレーして引退した。セ・リーグ時代に本塁打王1回(中日)、パ・リーグでは本塁打王、打点王各1回(楽天)。惜しいことに両リーグともに1000安打未達。

今季、DeNAのホセ・ロペスはNPBで1000本安打を達成(最終1001安打)、ロペスはMLBでも1005安打を打っているので、日米両方で1000本安打を達成。

過去にはイチロー(NPB1278安打、MLB3089安打)、松井秀喜(NPB1390安打、MLB1253安打)がいるが、MLBを起点にしての記録達成は史上初(ウォーレン・クロマティはMLBで1104安打、NPB951安打)。あまり大きく報道されなかったがこれも偉業と言えるだろう。

2つのリーグで実績を残すとは、端的に言えば「2つの野球人生」を歩むようなものだ。リーグが変わり、チームが変われば役どころも変わってくる。対戦する投手も全く変わってしまう。そんな中で同じように実績を残すためには、環境の変化で揺らぐことがないしっかりした打撃技術が必要なはずだ。

ここに挙げた打者は、本当に実力派だったと言ってよいだろう。

内川聖一は2020年は一軍でプレーしなかったが、二軍では98打数32安打、打率.327をマークしており、普通に試合に出ることができればシーズン前半に4人目の「両リーグ1000本安打」を達成するはずだ。

内川自身も38歳にしてチームを移籍するとは思っていなかったかもしれないが、それによってめったに達成できない記録を達成するチャンスができたと前向きにとらえたい。

  • 広尾 晃(ひろおこう)

    1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイーストプレス)、『球数制限 野球の未来が危ない!』(ビジネス社)など。Number Webでコラム「酒の肴に野球の記録」を執筆、東洋経済オンライン等で執筆活動を展開している。

  • 写真共同通信社

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