10万円から買える!ポスト・コロナ時代の「有望銘柄60」公開 | FRIDAYデジタル

10万円から買える!ポスト・コロナ時代の「有望銘柄60」公開

グリーン投資や5G本格普及、電気自動車など予算別に注目株を紹介

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コロナ禍がまったく収束していないにもかかわらず、日経平均株価はコロナ以前よりも1割ほど高い水準にある
コロナ禍がまったく収束していないにもかかわらず、日経平均株価はコロナ以前よりも1割ほど高い水準にある

新型コロナが猛威を振るった’20年だが、日経平均株価は結果的に年初から1割以上も上昇し、投資家にとって悪い1年ではなかったと言えそうだ。「たけぞう」という名前で活躍する個人投資家の上利武嗣(あがりたけつぐ)氏がこう語る。

「株高の背景にあるのは、世界的な金余りです。日米欧など先進国が積極的な金融緩和を実施したため、実体経済が悪くても株価は上昇しました。金融緩和が続くので、’21年も力強い相場が続くでしょう。もちろん、何でも上がるわけではなく、引き続き、銘柄選択は重要です。12月に入って、電気自動車(EV)や脱炭素社会などのテーマに沿った銘柄が市場を賑わせています。この傾向が’21年も続くのではないでしょうか」

本誌は今回、10万円、30万円、50万円の予算別に有望銘柄を識者に取材した。上利氏が注目するのが、東北電力だ。

「EVといえば、自動車や部品メーカーが注目されがちですが、EVが普及すれば、消費電力が大幅に増加するのは確実です。電力各社が大きな恩恵を受けるのは間違いありません。

ただし、脱炭素を考えれば、火力発電にばかり頼るのは難しい。そうなれば必然的に原子力発電が選択肢の一つとなるし、同社が進める女川原発の再稼働に注目が集まります」

EVの普及は技術的にもハードルが高い。ボトルネックとなっているのが、電池だ。現在主流のリチウムイオン電池は液体電解質を使うため小型化が難しく、発火や液漏れのリスクがつきまとう。これを解決するのが、全固体電池と言われている。株式アナリストでTIW代表の藤根靖晃氏が解説する。

「全固体電池の素材となる固体電解質を研究する三井金属鉱業は、量産化に向けた試験設備を工場に導入しました。EVの次のエネルギー源として注目されているのが、水素です。すでにトヨタ自動車は水素をエネルギーにする燃料電池自動車を実用化しています。燃料電池自動車向けの水素ステーションを開発している岩谷産業にも期待が集まります」

バイデンの政策に注目

カブ知恵代表の藤井英敏氏も電池業界に熱い視線を注ぐ。

「カーリットホールディングス傘下の日本カーリットは、東レリサーチセンターと業務提携して車載用の全固体電池を含めた電池の受託試験を手がけています。
また、富士通の子会社、FDKは小型の全固体電池の量産や、空気と水素を利用した水素/空気二次電池といった次世代電池開発を進めており、要注目です」

世界的なEV化は、企業活動に対して環境への配慮を促すSDGs(持続可能な開発目標)の流れが背景にある。

「著名投資家のウォーレン・バフェット氏が株を大量に購入したことから話題になった大手総合商社ですが、その後、上場来高値を更新したのは伊藤忠商事だけです。資源関連に強い三菱商事や三井物産といった銘柄はSDGsの観点から買われにくい。その点、繊維や食料といった非資源の利益の割合が高い伊藤忠商事は長期的に見てもおすすめです。

同様に日産自動車も世界的にEVシフトが進むなか、日本国内でいち早くEVを販売するなど、もっと注目されるべき銘柄だと思っています」(アセットマネジメントあさくらの芥川達男氏)

米国では’21年1月にバイデン新政権が発足する。クリーンエネルギーや環境インフラに4年間で2兆ドルを投入する政策を公約に掲げてきたが、それを粛々と実行する見通しだ。米国に限らず、世界的にも環境分野へのグリーン投資が増大。もちろん、日本国内でも環境ビジネスはさらに拡大していく。

「電力料金の削減などのソリューションを提案するグリムスは業績も好調です。四国を中心に戸建て住宅の建築を請け負うフィットは、スマートホームの販売が増加。省エネ支援とバイオマス発電のエフオンは今期2桁増収を見込んでいます」(フィスコのマーケットレポーターの高井ひろえ氏)

「自動車や家電をリサイクルするリバーホールディングスは10万円以下で買えるニッチ分野の銘柄として注目しています。’20年3月に上場したのですが、事業内容が地味なためか、IT企業のように大きな値上がりはありませんでした。しかし、今期は25円の配当金を予定しており、配当利回りも4%弱と高い。リサイクル事業は今後、環境関連としても注目されるはずです。

太陽光発電工事を展開するウエストホールディングスは、ソーラーカンパニーとして知られています。地球規模の環境貢献に取り組みながら、最新のAIを導入するなど、今後も期待できます」(絆アセットマネジメント代表の小沼正則氏)

’21年以降、本格的に普及していくのが次世代移動通信システム、5Gである。対応端末も徐々に市場に投入され、エリアも拡大していくだろう。こころトレード研究所の坂本慎太郎氏が言う。

「日本は欧米に比べて5Gの整備が遅れています。大都市を除いて、基地局が設置されてもいない。逆に言うと、これからも上昇余地のある息の長い銘柄となりそうです。5G向けの基地局を整備するミライト・ホールディングスや、ITサービス大手で5G通信機器を手がける日本電気(NEC)に注目です。なお、NECは楽天モバイルと5G無線機を共同開発もしています」

新型コロナによって、在宅勤務などのテレワークが推奨され、多くの日本人のライフスタイルに変化が訪れた。ワクチンが十分に普及し、画期的な治療薬が開発されるまで、コロナ以前に戻ることはないだろう。その結果、住宅関連銘柄が引き続き注目を集めそうだ。

「住宅ローン減税を2年間延長したり、50㎡以上だった対象を40㎡以上に緩和したりするなど、政府も国民の住宅取得を後押ししています。中古住宅をリノベーションして再販するイーグランドには追い風ではないでしょうか。2000万円以下の物件が中心で、最近は地方の戸建て住宅にも進出しています。

国内に広大な森林を持ち、木材の建材卸も行う住友林業は、地方の注文住宅に強みがあります。稼ぎ頭の米国での住宅需要が回復していることにも注目しています」(前出・藤根氏)

次のテーマは大阪万博

コロナによってさまざまな分野でのデジタルトランスフォーメーションが進んだ。趣味の分野では、巣ごもり生活の中で電子コミックを読む機会も増えたのではないだろうか。配信サービスを提供する企業の業績は好調だ。マネーコンサルタントでMoney&You代表の頼藤太希氏が注目銘柄を挙げる。

「電子書籍の取次として国内首位のメディアドゥは、一株7000円前後と少し高いのですが、アマゾンの傘下企業とオーディオブックに取り組むなど、さらなる伸びが期待できます。

グループ企業のアムタスが『めちゃコミック』を運営するインフォコムはシステム開発も行っていて、医療機関向けのITサービスにも注目です。

同じく医療分野の事業で期待を集めているのが、動画ライブ中継や配信インフラを提供するJストリームです。医師のWeb講演会の配信などをサポートしてきましたが、医師の視聴履歴を製薬会社に提供するサービスを始め、好評です。コロナ禍で医師と対面する機会が減った製薬会社の情報収集の手段の一つとして定着するかもしれません」

新型コロナの新規感染者の急増を受けて、年末年始はGo To キャンペーンが一時停止されるなど、いまだ先行きは不安定だ。しかし、春を迎える頃には、コロナも下火になっているはずだ。証券アナリストの植木靖男氏が言う。

「春以降はワクチンも普及して感染拡大が収束し、治療薬への期待が高まります。いよいよポスト・コロナの時代が見え始めるでしょう。これまであまり値上がりしていなかったような銘柄も本格的な上昇トレンドに乗ります。

大手ゼネコンの中では清水建設が10万円以下で買えます。5年間で15兆円程度が投入される国策の国土強靭化計画は当然として、’25年の大阪・関西万博など、国家的なイベントでの大規模開発も追い風になります」

株式市場はすでに5年後まで見据えて動き始めている。目先のコロナ第3波もたしかに大変だが、その先の日本の姿を考えて、銘柄を選択してほしい。

『FRIDAY』2021年1月1日号より

  • 撮影鬼怒川毅

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