発生から丸20年 元成城署長が語る「世田谷一家殺人事件のいま」

’00年12月30日深夜に家族4人の命が奪われた

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世田谷区にある宮澤さん宅の現在の様子。事件当時と外観は変わらないが、’20年2月から防犯対策のためオレンジ色のフェンスが周囲に設置されている

宮澤みきおさん(当時44)一家が殺害されてから、未解決のまま20年を迎える。

「犯人に直結する証拠というのは二つしかありません。指紋とDNAです。犯行の際、何も触らず、髪の毛一本残さず、汗も落とさない、ということはできません。特にDNAを解析して捜査に活かせば、犯人逮捕の可能性は高いと思っています」

事件発生時に警視庁成城署の署長を務めていた土田猛氏はあらためてそう語る。

「この10年でDNAに関する研究は飛躍的に進みました。ただ、日本ではDNA捜査に関しては、諸外国のように法体制が確立していないので、法整備が必要でしょう。それが生命の尊厳を守ることにつながり、4人の弔いになると思っています」

世田谷区内にある宮澤さん宅は、警視庁から遺族に対して取り壊しが打診されていた。だが、遺族の理解は得られず、取り壊しは保留状態のままだ。本誌が事件現場を訪ねると、家屋は高さ2メートルほどのフェンスでグルリと囲まれていた。今後も警視庁と遺族で話し合いが続いていくと思われるが、前出の土田氏はこう憤る。

「犯人を逮捕した後、現場検証をしなければなりません。どこから侵入したのか、目的は何か、なぜしばらく居座ったのか、そういうことが判っていないからです。3Dで再現した現場と実際の現場ではまったく違います。犯人を捕まえるという前提があるのなら、取り壊すという発想は本来なら考えられません」

12月中旬、警視庁成城署は現場近くの駅前でチラシ約4000枚を配った。

「科学捜査以外では、家族や元恋人など犯人のごく親しい人がチラシを見たことで、『今なら話せる』という思いになり、情報提供してくれることが何よりの手がかりになります。捜査当局としてはそれに期待するしかない状況です」(全国紙社会部記者)

決して事件を風化させてはならない。

現場のすぐ近くにはポリスボックスが設置され、いまも警察官が警戒にあたっている
  • 写真小松寛之

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