2年連続『教場』好演の木村拓哉がイメージ爆上げした「家族出し」
‘20年はキムタク復活の年だったと言えるのではないか。一時は下落していた人気が回復、それどころか新たなファンが増えているというのだ。
思い起こせば4年前の年末、予想だにしなかった出来事が起きた。国民的男性アイドルグループ頂点にいたSMAPが一連の騒動を経て、ついに解散したのだった。
その結果、木村拓哉、中居正広の2人がジャニーズ事務所に残り、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人が退所して翌年’17年に元マネージャーの飯島三智氏が代表を務める事務所『CULEN』に移籍した。
そして残留した木村拓哉は“裏切り者”の汚名を着せられることに。
なぜそんなことになったかというと、《SMAPは5人全員が退所しジャニーズ事務所の力が及ばない大手の事務所に移籍するはずだった。それなのに木村が土壇場での翻意し計画がとん挫した》という噂や報道が飛び出したからだ。
おかげで木村のイメージは一時的にダダ下がり。影響を受けてなのかは定かではないがCM出演が1社のみという状況になった。
だがソロになった木村は新たな道を模索し始め、一歩一歩着実に足を進めているように見受けられる。木村と言えばドラマに出演する度に《何を演じてもキムタク》と揶揄され続けていた。本人もそれを気にしており、その“悪評”を振り払おうとして挑んだのが昨年1月に放送された新春SPドラマ『教場』(フジテレビ系)だった。
舞台は警察学校。木村が凄みのある冷酷非情な教官を演じたこのドラマは2日連続で放送され両日とも視聴率15%以上を獲得した。ネットでは、
《続編に期待》
《早く続編を見たい》
などと評判は上々で、木村を評価する声も多かった。
「これまでは“職業コスプレ”ドラマだと言われていましたが、このドラマはイメージをガラリと変えました。あの役は木村さんじゃなくてもよかったんじゃないかという声も確かにありましたが、木村さんだからこそ話題にもなって、アンチも含めて観た人が多かったのだと思います。
もっとも、アンチが多いのもスーパースターの証。でも今回のドラマはそのアンチを黙らせたのではないでしょうか」(キー局プロデューサー)
これまでの“ヒーロー”や“好人物”のイメージとは程遠い“嫌われ役”は思っていた以上にはまり役だった。“悪評”を振り払うことができたのではないか。
そして満を持して今年1月3日、4日とファン待望の続編『教場Ⅱ』が放送されたのだ。
俳優業だけではなく歌手としての活動にも変化が見えた。2月には初のソロライブツアーを東京と大阪で開幕させ、チケット倍率が540倍ということに改めて人気の凄さを見せつけたのだった。
CM出演も現在7社と復活。木村の顔を見ない日はないと言える。
だが木村の躍進に一番貢献しているのは彼の“家族”ではないだろうか。’18年にデビューした次女Kōkiに続き昨年3月に長女のCocomiがモデルデビューした。
これでまさに芸能人一家となった木村家だが、アイドルを前面に押し出していたこれまでは家族を想像させることはタブーとされていたのは誰もが知るところ。ところが今年、妻・工藤静香の誕生日に、木村は中国のSNS『Weibo(ウェイボー)』で、新婚当時と思われる工藤とのツーショット写真を投稿している。
11月13日は木村の48回目の誕生日だった。もうそんな歳だったのかと驚かされるが、その日、娘たちはインスタグラムで父との秘蔵写真を公開し、感謝の気持ちを伝えている。
以前インスタライブで寄せられた「パパみたいな人は好きですか?」という質問に対し、二人は、
《『結婚相手はトトよりかっこいい人と一緒になる』って2人で決めたんですけど》
と語っている。この言葉で、木村がどれだけ娘たちに愛されているかが感じ取れる。これで木村の好感度は確実にアップしたと言ってもいい。
そして木村がタブーを破り家族を“公開”したことはほかのジャニーズタレントにいい影響を与えたという。
「この時代、結婚しているタレントが家族の話題をスルーするのは不自然だと思っている人は多いです。確かにアイドルが所帯じみていてはマイナスですが、結婚しているジャニタレはもうみんないい年齢です。彼らは木村さんのおかげで遠慮なく家族の話ができるようになった、と感謝していますよ」(芸能プロ関係者)
そして事務所での現在の木村の立ち位置を考えれば、彼が家族の存在を前面に出しても咎める人はいないと思われるが、ここまで順調に事が進んだのはすべて静香の“演出”があったからだという。
木村と静香のツーショットがテレビで見られるのはまだ先のことだと思われるが、木村家が令和の『高島忠夫ファミリー』となるのはそう遠くはないのではーー。
取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。現在はコメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中
PHOTO:山田宏次郎