大晦日の視聴率で見えたテレ東「演歌番組」の健闘とTBSの凋落 | FRIDAYデジタル

大晦日の視聴率で見えたテレ東「演歌番組」の健闘とTBSの凋落

芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”㊱

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今年も民放1位となった『笑ってはいけない』シリーズに出演している松本人志
今年も民放1位となった『笑ってはいけない』シリーズに出演している松本人志

《芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”㊱》

年末ゴールデン番組の視聴率が、ビデオリサーチ社から発表された。

コロナでどこにも行けないオレは、テレビ東京系の『年忘れ日本の歌』を中心に見ていた。やはり昭和、平成の歌はいいし、ドラマも制作費が掛かっているのが面白さもあった。

そんな中で気になったのが年末特番の視聴率。だから、テレ東の『年忘れ…』の視聴率を知った時には、少しショックだった。

平均視聴率は7.4%(関東地区平均世帯視聴率。以下同じ)。コロナ禍で外出してない中、お年寄りが多く家庭にいる状況だったから、もっともっと視聴率が取れると思っていた。

地方のローカル局が、ネット放送とは違う形の番組販売(テレビ東京が制作番組を販売する仕組み。ネット放送よりかなり安い)でもいいから放送していると、もっともっと視聴率が伸びるとずっと思っているだけに残念だ。まあ、これでも頑張っているほうなのかも。

40.3%と2年ぶりに40%を超えたNHK『紅白歌合戦』は、前年より3%も伸びている。無観客と言う盛り上がらない演出だったが、昨年末で活動休止を発表していた「嵐」の出演も大きかったのだろう。

それでもテレビ東京は頑張っている。紅白の“演歌離れ”がひどいだけに、歌手にとっては頼みの綱が『年忘れ…』。それだけに、演歌の魅力とテレ東の勢いで、来年は10%の大台に乗ってほしいな。

第2位の日本テレビ系は、すっかり定着した『ガキの使いやあらへんで・絶対に笑ってはいけない大貧民』が17.6%と民放第1位。これは「笑っていけない…」が始まった11年前から1位なのだ。

2位はテレビ朝日系『ざわつく!大晦日SP長嶋一茂&石原良純&高島ちさと毒舌トリオ2020をぶった切れ‼』が11.7%。このまま定着すると、年末特番ももっと視聴率が取れる番組になりそうだ。

普段の視聴率イメージそのままに、1位、2位は日本テレビとテレビ朝日。どっちが上でも問題はなさそうだ。

そして、ここからが問題。かつては視聴率3冠王(今は4冠王だが、当時は3冠)で、局のイメージを大きく作り上げてきたフジテレビの凋落が見える。

『格闘技RIZIN/5試合生放送/ダブルタイトルマッチ』が7.3%。視聴率の折れ線グラフを見たわけじゃないが、かつての栄光は見る影もない。

フジテレビもTBSも「振り返ればテレビ東京」と揶揄されてきたが、今やそんなことは言ってられない。それだけコケにされてきたテレビ東京の意地もあるだろう。

TBSもレギュラー番組を季節ごとに変え続けているように、「視聴率の取れない局」という局の良くないイメージが広まっている気がする。「報道、ドラマのTBS」と言われた時代は、今では遠い昔の話か。普段も「朝から夜まで何となく低視聴率」というイメージが拭いきれない。

大晦日に放送された『バナナせっかくグルメ2020 笑って食べ納め豪華芸能人が全国横断ドカ食い旅5時間SP』は、4.6%だった。この凋落ぶりは痛々しい。

一家に一台のテレビと言う時代から大きく変わり、各部屋にテレビがあり家族団らんでテレビを観るということも無くなりつつある。録画で番組を見ることが多くなっている昨今。「自粛、自粛」で出掛けない年末を迎えた人も多い中で、全部の視聴率を足しても88.9%にしかならない。

この数字は、とっくに起こってる日本人のテレビ離れなんだろうな。ニュース番組はワイドショーになり、ワイドショーがバラエティになっているように感じる。魅力的な番組が作れなくなっていることも、テレビ離れを引き起こしている一因なんだろうなあ。

  • 取材・文石川敏男(芸能レポーター)

    ‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、ラジオは福井放送、ラジオ関西、レインボータウンFMにレギュラー出演中

  • PHOTO坂口靖子

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