箱根駅伝2位の創価大 躍進に歓喜する創価学会と大学の戦略 | FRIDAYデジタル

箱根駅伝2位の創価大 躍進に歓喜する創価学会と大学の戦略

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創価大初となる往路優勝を決めゴールインする5区の三上雄太(3年)。石川県の遊学館高校出身だ。1月2日撮影(画像:共同通信社)
創価大初となる往路優勝を決めゴールインする5区の三上雄太(3年)。石川県の遊学館高校出身だ。1月2日撮影(画像:共同通信社)

箱根駅伝の宣伝効果は絶大だ。首位に立てばゼッケンに印刷された校名が、数時間にわたりテレビ画面に大々的に映される。今大会のように往路31.0%、復路33.7%と過去最高の視聴率となればなおさらだろう。約1ヵ月後に行われる大学入試で、志願者が大幅に増えることも期待できるのだ。

出場4回目で往路優勝、総合2位となった創価大の宣伝効果も、もちろん大きい。だが、大健闘を他大学と違った視点から見ることもできるのだ。母体である創価学会の機関紙『聖教新聞』(大会終了翌日1月4日付)は、スポーツ紙のように華やか。一面で同大をこう讃えている。

〈おめでとう! 開学50周年を飾る歴史的快挙! 第97回東京箱根間往復大学駅伝競争(箱根駅伝)が2、3日に行われ、創価大学が同校初の「往路優勝」を成し遂げ、堂々の総合2位に輝いた(復路は5位)。4度目の出場での往路制覇は戦後最短の偉業〉

創価大は今年4月2日に、創立50周年を迎える。同大は記念する年にスポーツで結果を出そうと、数年前から「学校推薦型選抜」という制度で優秀な選手を獲得し、部活動の強化に努めてきた。今回の箱根駅伝にもケニア出身者や、埼玉栄、佐久長聖、浜松日体など、陸上強豪校の卒業生が多くエントリーしていたのだ。

「榎木和貴監督が19年2月に招聘されたのも、スポーツ強化の一環です。榎木監督は中央大出身で、箱根駅伝では4年連続区間賞を獲得しています。旭化成、沖電気、トヨタ紡績などを経て指導経験も豊富。今大会でも向かい風の強い往路で、全選手に風圧を受けにくいピッチ走法で走らせるなど、監督としての能力を遺憾なく発揮しました」(スポーツ紙担当記者)

有名プロ野球選手も続々輩出

駅伝だけではない。近年はヤクルトの小川泰弘、ソフトバンクの石川柊太などプロ野球界へ主力級の選手を多く輩出している。

「背景には、創価学会の学会員数の減少もあるのでは…とも言われています。大阪商業大学のJGSS研究センターは、毎年数千人を対象に信仰する宗教について調査を行っている。対象規模が小さいため正確とは言えませんが、創価学会の信者が年々減る傾向にあることが指摘されています。今回の箱根駅伝での創価大の活躍は、創価学会の勢力回復に貢献するのではないでしょうか」(全国紙社会部記者)

別の見方もある。宗教学者で『創価学会の実力』(朝日新聞社)などの著書がある、島田裕巳氏が語る。

「以前は創価大の学生の多くが、創価高や関西創価などの付属校出身者でした。しかし今回、箱根駅伝10区区間で走った選手のうち、付属校出身者は1人だけです。理由は、二つあると思われます。

一つは大学としての方針転換です。創価大といえども、母体の高校だけに頼っていては大学間の厳しい競争に生き残れない。広く一般の学生を受け入れ、“脱・創価学会”を考えているのではないでしょうか。

二つ目は、最近、表舞台に出ていない池田大作・名誉会長の存在です。創価大の学生は池田名誉会長と接し、話を聞くことで感銘を受けてきました。偉大なカリスマが、長く姿を見せていない。その関係から、創価学会員でない学生をどんどん受け入れようとしているとも推測できます」

創価大にとって箱根駅伝での躍進は、近年まれにみる慶事だろう。その影響がどう表れるのかに注目だ。

  • 写真共同通信社

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