ヒロシ×小田原ドラゴンが語る「ぼっち」を楽しむ極意 | FRIDAYデジタル

ヒロシ×小田原ドラゴンが語る「ぼっち」を楽しむ極意

「押入れの中が好きな子供が大人になって幸せなのが良い社会なんじゃないかな」

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10年来の友人

「ヒロシです…」の自虐ネタで一世を風靡した芸人・ヒロシと、モテない男の哀愁を描く味のあるイラストで人気の漫画家・小田原ドラゴン。実は10年来の友人でもある二人が、ひさびさの再会。

ソロキャンプでブレイク中のヒロシと、車中泊にハマり中だというドラゴン。両者の対談は案の定「ネガティブに」盛り上がった!

ヒロシ あの、ドラゴン先生、僕のLINEの友達登録消しました……?

小田原 えーっと。スマホを変えた時に移行ができなくて、LINEの友達全部消えちゃったんですよ。それでまぁ仕方がないかって諦めて……。

ヒロシ 先生にお願いしたいことがあったから連絡しようとしたら、友達リストから消えていて……。「俺、ドラゴン先生にブロックされるくらい嫌われたのか」と落ち込みましたよ。

小田原 そんなはずないじゃないですか。

ヒロシ 僕らみたいな人間はすぐネガティブになりますから。「Twitterもブロックされてるんじゃないか」と不安になっちゃって。見てみたら相互フォローのままだったから、ちょっとホッとしました。先生、改めてライン交換しましょう。

(誤解が解けたところで、小田原ドラゴンとヒロシはスマホを振ってLINE交換。しかし操作に手間取りぐだぐだと10分ほど経過する)

ヒロシ 最初に僕が先生に「お会いしたいです」と連絡をとったのはmixiのメッセージ。もう10年以上前ですよね。僕は福岡に住んでいた頃からずっとヤングマガジンの読者なんですけど、ドラゴン先生の漫画をはじめて読んだときは衝撃でした。「やべー人が現れた!」と興奮して以来の大ファンだから、会うのを楽しみにしていたんです。「この人なら俺のことをわかってくれる」って。

小田原 いきなり二人で会うのもなんだから、と共通の知り合いのライターさんとカメラマンさんと一緒に飲み会をしましょうということになって。

ヒロシ 新宿の南口の飲み屋でしたよね。そしたら、女の子も呼ばれていて、なんだか合コンみたいになってしまった。僕はドラゴン先生と話したいのに、女の子が間に入るから、距離が遠いんですよ。

小田原 ただでさえお互い顔見知りでなかなか話せないのに。

ヒロシ 「邪魔だな」と心のなかで毒づいていました。「ヒロシです…」でブレイクしてから数年でテレビの仕事を制限して、いまよりも世間に不満を持っていた時期だったのもありますけど、女の子の隣で下むいてイライラしちゃって。あと、僕のほうはドラゴン先生の漫画を読んで知っているけど、先生は僕を知ってくれているか不安でもあり……。

小田原 「ヒロシです…」でブレイクしたヒロシさんは知っていましたよ。ただ、たしかに芸能人にはあんまり詳しくなかったです。あの頃はテレビをあんまり見なくなっていて。「テレビに出てる芸能人なんて人気者でモテる人たちなのに、なんでそれを見て笑わないと行けないんだ」と思ってしまって。

ヒロシ アハハ。

小田原 でも、ヒロシさんの存在はかろうじて知っていました。昔、土建屋さんで住み込みで働くバラエティに出ていましたよね?

ヒロシ ……誰も見ていませんよその番組。「ヒロシです…」のもっと前、20年前くらいに出演した番組ですからね。博多の土建屋さんでね、「休みたい」と話したらブチギレされたなぁ。

先生の「芸人見てなんで笑わないといけないんだ」という感覚、すごくよくわかるんだよなぁ。僕も小学生の頃に、クラスメイトがプロ野球選手を応援するのを見て「なんで才能もあって高い給料もらってて、女子アナとかきれいな女性と結婚するような野球選手を、俺たちが応援しなきゃいけないんだ」と思いましたもん。世の中の、弱者が強者を応援する不思議というか。

小田原 わかります(笑)。

ヒロシ ね! 最初はファンとして先生の漫画や文章に勝手に共感していただけですけど、たまに飲みに行くようになって、先生のお宅にお邪魔してどうでもいいこと話したりしているうちに、「僕たちってやっぱり似てるな」ってしみじみ思ったんです。

ネガティブで、人と付き合うことがそんなに得意じゃなくて、世間で活躍している人のことをどこかでケッと思っている。……これはぜんぜん悪口じゃないって先生にはわかってもらえると思うんですけど。

なのでしばらく前に「ソロキャンプ楽しいですよ」ってオススメしたんです。まぁ先生はまったく覚えていないみたいですけれど……。

小田原 前に会ったのが6年くらい前だから、その時ですかね? しかし初めてお会いした時は暇そうだったのに、いまではすっかりソロキャンプで人気になってしまって、流行語大賞もとってちょっと遠い存在に思えちゃいます。

ヒロシ いやいや、遠くに感じていたのは僕のほうですよ! 先生、僕と会っていない間にテレビ局にも出入りしてたじゃないですか。

大喜利の番組に出るってTwitterを見て、先生の絵って独特の哀愁があって大喜利向きだと思っていたので、「つい小田原ドラゴンという人が見つかってしまった!」と思いました。寂しいような嬉しいような。

小田原 安心してください。テレビや芸人さんの世界にはまったく馴染めませんでした。それに、個人的にはやっていることは漫画を書き続けているだけだし、精神性はまったく変わっていないんです。

ヒロシ 僕も一緒です。ソロキャンプも、ずっと好きでやっていただけ。それがたまたま盛り上がってきた。芸人としてのスタンスが変わったかというとそんなこともなく。やっぱり世間へのもやもやした気持ちを言葉にしている。

コロナ禍でどこも劇場や、テレビ番組も大変で、芸人仲間は仕事が減っています。けれど、僕の場合はソロキャンプがソーシャルディスタンスもとれる趣味だったおかげで、むしろ仕事が増えているという。ありがたいことですけど、「ヒロシです…」のブレイクほど手応えみたいなものはなくて、めぐり合わせと言ったらいいのか。

小田原 「売れたい」と思って頑張ったことでヒットしたわけじゃなくて、たまたまソロキャンプが世間にマッチしたという。

ヒロシ 先生が漫画で描いている車中泊もブームになりつつありますよね。先生の車中泊漫画も、ドラゴン節と絵が相まってじわじわする面白さ。僕みたいなファンじゃなくてもハマりそう。

小田原 ありがとうございます。

ヒロシ 車中泊もソロキャンプも僕らみたいな子供の頃から「狭いところで一人で寝るのが好き」な人間がハマりやすい趣味なので、先生がはじめたのも納得なんですけど、きっかけはなんだったんですか?

小田原 最初は、3年前に北海道の宗谷岬に行こうと思い立ったんですよね。

ヒロシ 北海道の最北端じゃないですか。

小田原 それで、ペットを連れていると、旅館やホテルに泊まれないんですよ。だから、仕方なく車中泊をしたんですけど、これが楽しくて。停車中はエンジンもかけられないから、東北から北海道なんて夜は震えるほど寒いんですけど、それも含めて楽しかった。

ヒロシ わかります。ちょっと寒くて暗いところで寝るとなんだかワクワクするんですよね。子供の頃に押入れの中にこもったり、公園の土管の中に隠れたりした、あの感じがして。ドラゴン先生の漫画も僕のネタも、そんな周りからするとちょっと暗い子供が、そのまま大人になったところがあって。

小田原 たしかに。

対談でも触れられた、小田原先生の新たな「ぼっち漫画」はこちら!

ヒロシ ソロキャンプと車中泊も、同じことが言えると思うんです。「大人になって一人の時間がほしい」とか「自然に回帰する」とかいろいろ言われますけど、僕としては「押入れの中が好きだった子供」が30代とか40代の大人になって、情報を得られて、ある程度まとまったおカネもあって道具も揃えられて自由を得たときにハマる趣味だと思うんです。

小田原 いまだったら、ヒロシさんのキャンプチャンネルなどの動画も見られて、ネットで情報も、SNSなんかで共有できますもんね。

ヒロシ だからソロキャンプの人気も、家族や大勢でワイワイした、なんというか「パリピ」なキャンプをしてた人がソロキャンプに転向したから流行っているんじゃなくて、さっきからお話ししている「一人好き」な感性を持っている人たちが、それぞれ「ぼっち」で楽しめているというブームなんだと思うんですよね。

小田原 そうですね。ブームになっても、車中泊もソロキャンプも一人で楽しめる趣味。同じ趣味の仲間の間で共感も情報の共有もするけど、集まるわけじゃなくて、孤独に楽しんでいる。でも、それが楽しんですよね。自分勝手にできるし、気楽だし。

ヒロシ 確証はないですけれど、最近の世の中って「ぼっち」であることを隠さなくても「それで楽しんだよ」と堂々と言えるようになってきたのかな。それは僕たちみたいな感性の人からするとありがたいことだと思うんですよ。

小田原 そうですね。無理に足並み揃えているわけじゃないし、必要もないですから。そもそも、足並み揃えるのは得意じゃないし……。

ヒロシ もちろん、「一緒にキャンプしましょう!」というノリを否定しないし、むしろそれはそれで楽しい。でも、「僕はソロでキャンプするのが楽しんです」とただ自分の好きなことを話して、共感して楽しんでもらえるのがすごく嬉しい。それで相手もソロキャンプにハマったりしたら、なお嬉しいんですよね。

小田原 うんうん。それぞれが好きなことを主張できる、そういう社会になるほうがみんな幸せですよね。

……あのヒロシさん、今日僕ふだん車中泊している車で来ているんですけど。見てみますか?

ヒロシ  ぜひ! 先生の車中泊トーク聞かせて下さい!

(駐車場から展開した二人の「車中泊トーク」はヤンマガで。また、ヒロシさんのユーチューブチャンネルとホームページも要チェック!)

ヒロシちゃんねる
(有)ヒロシ・コーポレーション

『今夜は車内でおやすみなさい。』第1話

  • 記事伊藤達也撮影浜村達也

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