迷走のはてに「緊急事態宣言」を出した菅政権の末路 | FRIDAYデジタル

迷走のはてに「緊急事態宣言」を出した菅政権の末路

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1月4日、東京・渋谷の大型ビジョンに映し出された菅総理の年頭会見。緊急事態宣言の再発出の検討に言及した

スピード感をもって実行に移す。それが菅義偉総理の持ち味だったはずだ。しかし、今回の「緊急事態宣言」発令はあまりに遅すぎた。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が言う。

「緊急事態宣言の期間及び範囲によりますが、仮に飲食店に対して1ヵ月の時短要請とすれば、GDPベースで最大1兆4000億円の損失が生じます。近年のGDPと失業者数の関係に基づけば、約7万人の失業者が発生する計算です。

私は医療の専門家ではないので、医療現場が逼迫(ひっぱく)していると言われれば、緊急事態宣言も仕方がないと言わざるをえません。ただ、感染が比較的落ち着いていた秋に新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正や医療現場の支援など、何かしらの措置を講じていれば、年明け早々のタイミングで発出せずに済んだ可能性はあったのではないでしょうか」

政府は昨年11月下旬から「勝負の3週間」と称して国民に自粛生活を促す一方、菅総理は「『Go To トラベル』は感染拡大に関係ない」と強弁し続けた。結局、感染拡大に歯止めがかからず、12月14日に一時停止に追い込まれた。

菅総理にしてみれば、「感染拡大が落ち着かないのは、小池百合子都知事が東京都内の飲食店に20時までの時短要請を出さないからだ」と責任転嫁をしたいところだろう。いずれにしても、菅官邸はギリギリまで緊急事態宣言を出したくなかった。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう振り返る。

「流れが変わったのは、大晦日です。東京の新規感染者が初めて1000人を超え、過去最多の1337人と報じられました。私は元日放送の番組の収録で小池都知事から『正月でも感染者が減らないようなら国に物申す』と直接聞いています。実際、年明け2日に神奈川、埼玉、千葉の3知事を引き連れて西村康稔経済再生担当相と面会し、緊急事態宣言を発出してほしいとの要望を伝えました」

菅総理は結局、1月7日に緊急事態宣言を発令せざるを得なかった。ギリギリまで様子を見た挙げ句、かえって被害を拡大させた。あまりにもお粗末である。その政治手腕に飲食業界から怨嗟(えんさ)の声が上がるのも当然だろう。

「多くの事業者が年末のかき入れ時にもかかわらず、22時までの時短営業でなんとか踏ん張ってきました。ところが、年が明けたら、コロナを蔓延させた悪者扱いで、そのうえ、20時までの時短営業まで半ば強制される。罰則規定も設けられそうです。第2波からこれだけ時間があったのに、菅総理はステーキ店など高級店での会食ばかり。飲食業者は政府の怠慢のツケを払わされているようなもので、やってられませんよ」(フードビジネスコンサルタントの永田雅乙(まさお)氏)

秋までに必ずある衆院選で菅総理が支払う代償は大きくなりそうだ。

1月2日、西村大臣(中央)と面談後に会見する(左から)埼玉、千葉、東京、神奈川の知事

『FRIDAY』2021年1月22日号より

  • 写真時事(1枚目)撮影堀田 喬

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