わいせつ動画を撮りためて鑑賞…ハレンチ医師のヤバイ言い訳 | FRIDAYデジタル

わいせつ動画を撮りためて鑑賞…ハレンチ医師のヤバイ言い訳

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「医療行為だ」と嘘をつき、患者にわいせつ行為を続けてきた元医師の公判が現在、東京地裁で開かれている。

被告人の守屋仁布(逮捕時67)は、東京都荒川区にあった『斉藤医院』で内科医として勤務していた。院長で小児科医の妻とともに地域医療に貢献する表の顔とは別に、約30年にわたり、自らの性的欲望のために患者に嘘をつき、意のままにしてきた裏の顔があった。事件を受け、約60年間続いてきた斎藤医院は閉院となっている。

最初の逮捕容疑は2019年11月の準強制わいせつ。20日の午後8時ごろ、同院診察室において、患者だった少女に治療であると誤信させ、服を脱がせて体を触ったり、裸の写真を撮影するなどした。発熱などを訴えて受診した少女に「婦人科系の重い病気だから診察が必要」と嘘を言い、診療時間外に呼び出していたのだ。

守屋被告が保存していた写真にはこの少女以外のものもあり、最終的に8人に対する強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪、児童ポルノ禁止法違反などで起訴され、公判が続いてきた。

冒頭陳述によれば、以前から治療と称し、若い女性の陰部を触るなどしてきた守屋被告は、今回の被害者らに対しても、治療行為である旨告げて誤信させ、その陰部を手指で広げ、時に肛門に異物を挿入するなどした上、デジタルカメラで撮影し保存していたという。

今回、起訴されている事件の被害者は8名だが、守屋被告が所有していたパソコンなどに残るデータや、被告自身の申告によれば、実際の被害者はこれよりもはるかに多い。

逮捕当初は「治療行為の一環としてやっただけ」と否認していたというが、公判では起訴事実を全て認めていた。医師免許は自主返納したという。そして多くの被告人が罪を犯した理由に挙げるように、守屋被告も一連の犯行の背景に『ストレス』があったと述べた。

「ストレスにさらされ、処理方法としてわいせつ行為に至った。大学病院勤務時代、教授を目指していたが、斉藤医院に移ったことで、私としては、外科ができなくなると。これものすごく大きなストレス……」

と弁護人からの質問に答える。一方で被害者を選ぶ基準は「好みで選んだのかというと、そうではなかったのですが、結果的に若い方が多くいらっしゃった」と語る。ストレスに苦しみながらも、若い女性を主にターゲットにしていたようだ。

守屋被告は斉藤医院に勤務する10年以上前に、外科医として勤めていた別の病院で患者を盗み撮りした前歴がある。そののちに遠隔地の医院で病院長となり、最終的に妻が切り盛りする斉藤医院で内科医として稼働するようになった。

検察官 「当時の盗撮が明るみになり、悪いことだと認識したわけですよね。でもやめなかったのはなぜですか?」

被告 「そのときは……行為自体、悪いことというより、もっとちゃんとした償いをして……」

検察官 「バレないように手口をより巧妙にしていった、としか聞こえませんが?」

被告 「そういうことになると思います」

守屋被告が自分で認める通り、彼は患者らを誤信させるため手の込んだ嘘をつき続けてきた。

「医学的専門用語や図表を用い、患者や家族にうその説明をして信じ込ませていました」

と語るように、時にパワーポイントで図表を作り、また時にインターネット上の記事も示すなどして患者である被害者らに“嘘の病気”の説明を行い、信じ込ませていた。被害者による陳述や被害者代理人の質問ではさらに具体的な内容が明らかになる。

ある被害者には「性病で子供が産めない体になるかもしれない。治療には50万かかるが、誰にも言わずに来たら、タダで診てあげる」と告げたり、正規の診療時間に受診した別の被害者には、診察後、難病指定されている病名を告げ、継続診療をすすめたりなどした。

被害者らは、自分が深刻な病気かもしれないというショックを抱えながら、時に家族への金銭的負担を軽減しようと通院を続け、守屋被告からのわいせつ行為に耐えていた。

そんな気持ちもお構いなしに犯行を重ねていた守屋被告は、被害者らを撮影し、保存していた動画像データによって、さらに自らの欲望を満たしていたという。

検察官 「写真や動画をなぜコレクションしていたんですか?」

被告 「何回も、自分でも考えました。分かりにくいかもしれませんが、もともと外科医をやっていたとき、記録として写真や動画を撮っていました。手術の写真や動画は違法なものではありません。手順や結果、記録と一緒にしていました……。パワーポイントも日常的習慣で、今回は犯罪ですが、記録として、コレクションとして残しておこうと」

やや伸びてカールしている白髪頭に、グレーのスエット上下を着た守屋被告は、検察官の追及にも終始落ち着いた様子で、長々と述べる。“コレクション”の理由は、過去の外科医の業務の延長とでも言いたかったようだが、彼はこの撮影動画像を後から何度も見返していたという。

さらにはその写真を加工してもいた。

検察官 「後から見て反芻していますね」

被告 「すべてではありません」

検察官 「これらを何かに利用しました?」

被告 「一部の写真を加工して使ったりしていました」

珍しく口ごもりながらこう続ける。

被告 「被害者の写真……まぁ……解剖の、術後写真と一緒に貼り付けたり……あとは、風景の写真と組み合わせて加工したりしていました」

検察官 「何のために?」

被告 「風景と組み合わせたときは、パソコンの背景画像として……作ったり、あと、被害者の写真に、解剖の……表面解剖図を……自分で作ってみたい、と作ってみたりしていました」

こうして被害者らの写真を欲望の赴くままに加工し、パソコンの背景画面に使用したり「携帯・iPad用」「お気に入り」など細かく分類して、様々なデバイスで鑑賞していたことが明らかになった。事件発覚後、妻には離婚を言い渡されている。

「身勝手な考えで他人のことを考えなかった、そういう考えから起こった犯行だと思います。こういう犯罪を繰り返さないために、考え方、徹底的に、他人のことも考える。根本的に入れ替えないと……と、まず思いました。その上で、残りの人生をすべてかけて考え続けます。そしてなぜ繰り返されるのか、考えるために、犯罪心理学も勉強したい」

弁護人に今後の生き方を問われ、どこか他人事のような語り口で、こう述べていた守屋被告には2020年12月の公判で「根本では悪いとわかっていながらも、欲求に抗えずに犯行を続けていた」と懲役13年が求刑されている。

判決は今月、言い渡される見込みだ。

  • 取材・文高橋ユキ

    傍聴人。フリーライター。『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)、『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社新書)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)、古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)など殺人事件の取材や公判傍聴などを元にした著作多数。

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