予算削減の余波も…コロナ禍の大晦日特番「各局熾烈な戦い」舞台裏 | FRIDAYデジタル

予算削減の余波も…コロナ禍の大晦日特番「各局熾烈な戦い」舞台裏

週刊テレビのウラ側

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史上初の無観客開催となった『第71回NHK紅白歌合戦』の平均世帯視聴率が40.3%(関東地区)と2年ぶりに40%台を回復して話題となった。

渡部はバッシングを鎮めるために謝罪会見を開くも炎上。出演シーンはお蔵入りとなったが、『ガキ使』年末特番は前年を超える視聴率を獲得
渡部はバッシングを鎮めるために謝罪会見を開くも炎上。出演シーンはお蔵入りとなったが、『ガキ使』年末特番は前年を超える視聴率を獲得

「新型コロナの感染者が急増しているとあって、在宅率が高かったのが大きな要因でしょう。顔出しNGの人気グループ『GReeeeN』がアバターで出演したのは、無観客開催だからこそ成立した演出でしたね。別会場での歌唱や事前収録を巧みに利用し、セットチェンジで発生するロスタイムを減らせたのも、視聴者やアーティストから好評でした」(レコード会社関係者)

裏番組で紅白に次ぐ視聴率を稼いだのは今年も『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 年越しSP絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス24時』(日本テレビ系)。第1部は17.6%と、昨年を上回る結果となった。

「活動自粛中の『アンジャッシュ』渡部建(48)が同番組の収録に参加していたことが一部で報じられ、注目を集めたことが数字に反映されましたね。SNSは『渡部は出るのか?』と盛り上がっていましたけど、謝罪会見が炎上したせいか、カットされていましたね。その穴埋めに過去の特番の振り返りをしていましたけど、視聴者には『あまりにも手抜き』『無策』と不評でした」(制作会社幹部)

差し替えの時間がなかったことが一番の理由だが、「新型コロナの影響も否めない」と日テレ関係者は嘆く。

「昨年は24人の放送作家が制作に関わっていましたけど、コロナで広告収入がダウンし、制作費が削られた影響で今年は半分以下の10人ほど。過去の映像を活用するしかなかったんですよ……」

フジテレビ系で放送された格闘技イベント『RIZIN』は昨年から2.1%アップの7.3%と健闘した。

「炎上系格闘家ユーチューバーのシバター(35)が参戦。ユーチューバー仲間のヒカル(29)、てんちむ(27)を引き連れて入場するシーンを見て『時代は変わったな』としみじみ思いましたね……。コアな格闘技ファンからは批判されたそうですが、ユーチューバーのファン層を取り込めたのは大きかった。想像以上にシバターは闘えましたしね。若年層にアピールできたのは、格闘技界にもプラスでしょう」(スポーツ紙記者)

視聴率こそ高くなかったが『バナナマンのせっかくグルメ5時間SP』(TBS系)も好評を博したという。

「’17年まで『紅白』の副音声を担当していた『バナナマン』がオファーを受けたのは意外でしたね。それだけ、TBSが熱心に口説いたということでしょう。事実、莫大な予算をかけずに4.6%も数字が取れたのは彼らの好感度と実力あってこそ」(バラエティ番組スタッフ)

同じくグルメで攻めたのがテレビ東京だ。4年連続となる『孤独のグルメ大晦日スペシャル』で勝負に挑んだ。

「お店を畳む店主へのサプライズとして花火を打ち上げるという演出が話題になりました。新型コロナの影響で廃業する店が続出しています。あの花火は全国の飲食業の方へ向けたエールに見えた。感動的でしたね」(前出・制作会社幹部)

軒並み数字を上げた大晦日特番。新型コロナによるステイホームは、テレビにとってプラスの面もあったのだ。

「FRIDAY」2021年1月22日号より

  • 撮影島 颯太

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