空前絶後の株高時代到来か…⁉2021年「主役になる銘柄」60 | FRIDAYデジタル

空前絶後の株高時代到来か…⁉2021年「主役になる銘柄」60

次のキーワードは、水素エネルギー、6G、大阪万博

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’20年は世界のトヨタが新興のテスラに追い抜かれた年だった。時価総額で逆転され、その差は2倍以上に広がっている。電気自動車(EV)専業のテスラにまだガソリン車が主力のトヨタが再び勝つために選んだ一手が、次世代の「燃料電池自動車」開発である。

初詣の風景も大発会の様子もコロナで様変わり。昨年の株式市場は想定超えの株高だったが、今年はどうなるか(写真:共同)
初詣の風景も大発会の様子もコロナで様変わり。昨年の株式市場は想定超えの株高だったが、今年はどうなるか(写真:共同)

「昨年12月にトヨタ自動車などが共同代表となって、水素社会の実現を目指す『水素バリューチェーン推進協議会』が設立されました。同月、水素を燃料とする新型の燃料電池自動車『ミライ』を発売。今回はトヨタの本気を信じたい」(株式マーケットアドバイザーの天野秀夫氏)

さらに政府が’30年代半ばまでにガソリン車の新車販売を禁止する方向を打ち出したことも追い風になりそうだ。しかも菅義偉総理は就任後の演説で、’50年までに温室効果ガスの排出ゼロを目指す「ゼロカーボン」宣言を行っている。

「ガソリンエンジンから電動モーターに動力が変われば、たしかに自動車から出る温室効果ガスは削減できますが、電力消費量が莫大になります。それを化石燃料から発電したのでは、むしろ温室効果ガスが増えるおそれがある。そこで水から作られるクリーンエネルギーとして、水素が注目を集めています。水素ステーションの整備に積極的な岩谷産業と、水素圧縮機メーカーの加地テックの活躍に期待です」(株式評論家の渡辺久芳氏)

化石燃料を使用して水素を作るのであれば、結局、温室効果ガスの排出は避けられない。これを解決するために大規模な実証事業が福島県で始まっている。

「太陽光発電の電気を使って、水から水素を製造しています。旭化成が水を電気分解して水素を製造する装置を、東芝が全体を制御するシステムを担当しています」(経済・金融アナリストの津田栄氏)

水素だけでなく、アンモニアも次世代エネルギーの有力な候補だ。フェアトレード代表の西村剛氏が言う。

「燃焼時に温室効果ガスを排出しないアンモニアを研究する企業はいくつかありますが、なかでも化学機械装置の木村化工機に注目しています。同社はPBR(株価純資産倍率)が1倍前後と比較的割安。次世代エネルギーは先の長い話なので、長期で保有するのがいいでしょう」

温室効果ガスをめぐっては、削減できなかった排出量を森林開発や再生可能エネルギーで埋め合わせる「カーボンオフセット」という試みも始まっている。

「人材派遣と障害者雇用支援の農園事業を展開するエスプールは、温室効果ガス関連銘柄として注目です。同社はカーボンオフセット事業で8年間のノウハウを持つブルードットグリーン社を昨年、子会社化しました。環境ビジネス領域で積極的に事業を展開していくはずです」(財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏)

日本の豊かな森林を活(い)かした再生可能エネルギーを手がける企業もある。グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。

「成長過程で二酸化炭素を吸収する木材などで発電する『バイオマス発電』は、温室効果ガスを排出しないものと定義されています。木質燃料で電気を生み出す事業が柱のエフオンは、高い稼働率を実現。安定した収益を生み出しています」

5年後、10年後を考える

5G携帯は今年から普及していくと見られるが、企業は10年先を見越してすでに6Gの研究を本格化させている。

「有力なのは、やはりNTTですが、それよりも株価上昇の夢があるのは、アンリツとsantec。アンリツの先端技術研究所は6G向け高周波数用コンポーネントを開発。santecが手がける光通信用部品などの光デバイスは、日本政府の定める6Gの規格に合わせて研究されています」(前出・津田氏)

次世代のパワー半導体に注目するのは、経済アナリストの田嶋智太郎氏だ。

「電力の供給と制御を行うパワー半導体の素材として注目を集めるのが、酸化ガリウムです。これを使えば、従来のパワー半導体より消費電力を大幅に抑えることができ、耐性も高い。デンソーなどが出資する京都大学発のベンチャー、FLOSFIAとタムラ製作所発のベンチャー、ノベルクリスタルテクノロジーの2社が開発を進めています」

ドローンの進歩は目覚ましいが、今後は物流を担うことも期待されている。

「NECは複数のドローンが飛び交う状況での運航管理システムを研究開発しています。これでドローン同士の衝突などを避けられるようになるでしょう。またJALは昨年、『空飛ぶクルマ』の開発を手がけるドイツのVolocopter社と業務提携を結びました」(百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏)

新型コロナ次第で東京五輪・パラリンピックがどういう形で行われるかは不透明だが、’25年の大阪・関西万博は国際的なビッグイベントになるはずだ。

「国内企業でパビリオンを作れるのは、空間ディスプレー大手の乃村工藝社や丹青社といった企業に限られます。コロナでイベントがなくなった分、株価が下がりましたが、万博に向けて回復していくでしょう」(こころトレード研究所トレーディングストラテジストの星野彩季氏)

昨年はコロナによる金融緩和で株式市場は賑(にぎ)わった。今年は注意が必要だと経済アナリストの森永康平氏が釘を刺す。

「今年の年末までにコロナ収束の目処がたち、金融緩和が引き締めの方向に変わる可能性は十分に考えられます。すると、今のバブルは終わるでしょう」

昨年にもまして、銘柄選択が重要な一年になりそうだ。

『FRIDAY』2021年1月22日号より

  • 写真共同通信社

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