計100回は殺された…悪役俳優ユニット『純悪』動画が人気のワケ
阿部亮平(40)&山根和馬(36) TikTokのフォロワー数は45万人 「これまで二人合わせて100 回以上は殺されています」
デビュー以来、悪役ばかりを演じてきた二人の俳優がいる。阿部亮平(40)と山根和馬(36)だ。二人が自身のキャリアをこう振り返る。
阿部 「一番多いのが、最初は強いんだけど、最後は主人公に負けちゃう役ですね。僕よりヒョロい人に何度も負けました」
山根「年に4回は殺されていますね。17年間俳優をやっているので、合計で60回以上は死んでいます。二人合わせると、100回は超えます。でも、一度劇中で、バスジャック犯を演じたときに80人くらい一気に殺してしまって、自分が死んだ回数を超えてしまいました(笑)」
彼らはこれまで映画『クローズZEROⅡ』やドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)などさまざまな話題作に出演している。しかし、悪役ばかりのため世間に顔を覚えられても名前は覚えてもらえないという状態が続いてきた。そんな二人が活路を見出したのが、TikTokだった。悪役ユニット『純悪』を結成し、ショートムービーの配信を始めたのである。
山根「仕事がないとき、よく二人で遊んでいたので何か作品撮りができないかと思ってたんです」
阿部「オファーの7割が悪役で、役の幅を広げるために俳優としての新たな魅力を身に付けようと思ったのがきっかけです。良いお父さんや学校の先生とかやってみたい(笑)。TikTokを見て、そんなオファーが来たらうれしいですね」

’19年5月に開設したTikTokのフォロワー数は45万人を突破(’21年1月5日現在)。見た目や作中のイメージからかけ離れたオモシロ動画が人気だ。ヤクザ風の格好で「10回ゲーム」で対決したり、コミカルなダンスを披露したりしている。ゴミ拾いやヘルプマークの認知普及といった善行を強面(こわもて)で行う動画も話題だ。二人は反響を実感しているという。
山根 「作品に出ているときは、『あいつらムカつく』、『消えてほしい』と言われるのが悪役としての正解なんですよね」
阿部 「それがTikTokだと、『可愛い』、『かっこいい』になる。最初は全然受け入れられなかったですよ」
山根「(俳優の)渡辺裕之さんや木下ほうかさんなどから、『面白いことやってるね。今度一緒に出させてよ』と声をかけられるようになりました。街でお母さん世代の方から『子供がファンなんです』と言われたこともあります」
阿部と山根はデビューして今年で17年。’21年は「善人役」でスクリーンに登場するかもしれない。




『FRIDAY』2021年1月22日号より
撮影:足立百合